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ハイナンNETの日常

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交換日記14 新宿ニコンサロンにおける安世鴻氏の「慰安婦」写真展について

2012-07-24 20:00:20 | 交換日記


今月4~6、9日、新宿ニコンサロンで開かれた安世鴻氏の「慰安婦」写真展のボランティアを行った。

予想以上に多くの人が訪れ、この問題に関心を持っている人が少なくないことを知り、心強く思った。もっとも、来た人の中には、この問題に悪意で臨んでいるとしか思えない言動をする人もいた。そういう人達に対して熱くなってしまうこともあったが、今考えてみると、それも自分が未熟だったから。挑発されても冷静に議論することの重要性を痛感。
1つ実感したのは、「慣れ」てしまうことの恐ろしさ。入口の金属探知機から始まり、観覧者やスタッフの一挙手一投足に目を光らせるニコン側の人間、会場内を常に監視するカメラ……最初は強い違和感や反発を覚えた自分も、時折、いつの間にかそのような感覚を忘れている自分に気付き、はっとさせられることがあった。日の丸・君が代の強制もそうだが、「この位なら良いじゃないか」「もっと大事な問題がある」このような心の隙に、国家主義や愛国心etcは知らず知らずのうちに入り込んでくる。一見「小さな」問題だからこそ、声を上げる勇気。それなくして、より「大きな」問題にコミットすることなどできない筈だから。
ゲート型の金属探知機を通りながら、「外国に来たみたい」と語った方がいた。逆に言えば、この国は、裁判所に仮処分申請を行うetc、裁判闘争までしなければ、「慰安婦」についての写真展を行うことすらできない国であるということである。「表現の自由」の問題であることはもちろんだが、国民一人一人の「知る権利」の問題としても再考する必要があるのではないか。歴史に向き合うことを回避し続けているこの社会が、民主主義という観点からみてもいかに未成熟であるかを、嫌という程思い知らされた。
誤解を恐れずに敢えて言えば、これらはただの「写真」に過ぎない。つまり、安氏の「写真」を観たり、彼の話を聞いたりすることによって、我々がどう考え、行動すべきかが自動的に決まる訳ではなく、これらはあくまで、観る者ひとりひとりが判断すべき事柄である。だからこそ、このような機会を奪おうとし、実際に様々な圧力をかけてきたニコンに対しては、強い憤りを覚える。

印象に残った写真を一枚。
このハルモニは、目が不自由である。にもかかわらず、ハルモニの両手は、朝鮮半島と日本をしっかりと捉えている。これを単なる偶然と切って捨てるべきではないだろう。ハルモニの朝鮮半島への望郷の念と、日本への「恨」が、そうさせたのか。いや、「目が見える」自分をはじめ多くの日本人には、ハルモニ達の生き様を始め、日朝間の歴史、そして現在がどれだけ「見えて」いるのか。背を向けているハルモニは、我々日本人への呼び掛けをやめてしまったのか。我々日本人は、これにどう応答していけば良いか。多くの厳しい問いを投げ掛けてくる写真であり、これらの問いを手放してはならないと痛感した。

来月6~10日まで訪韓し、ナヌムの家も3年ぶりに再訪する。残された時間は本当に少ない。今回の訪韓を通して、ハルモニ達が「正義」を取り戻すために、我々が何をすべきか、少しでもその糸口を探すことができればと考えている。

K.K

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