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怠惰なひな菊

漫画家・萩原玲二(はぎわられいじ)の怠惰なブログ(2006~2019)

《SMOKE ON THE WATER》 夏休み自由研究

2015-08-20 22:51:27 | 音楽
9年前の、→(SMOKE ON THE WATER - 怠惰なひな菊)の記事―――

ようするに、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のリフを弾く「場所(ポジション)」について驚いた記事である。





「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のリフは、↑の「場所」で弾くのが「基本」と人口に膾炙されていたのだったが、リッチーは、というか、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」がお披露目されたパープルの2期では、↓のような「変」な「場所」で弾いている事実に驚いた!という記事である。





最近発掘された1972/8/17の武道館のライヴ映像(スタッフが撮影したであろう8mm黒白)でも、イントロでリッチーはリフを「変」な「場所」で弾きはじめているのが確認できる↓

Deep Purple - Smoke On The Water Live Video (17_08_1972 Budokan Tokyo Japan) - YouTube


そしてピックを使わず、指で爪弾いているようにみえる。

翌年1973/5/29のニューヨーク・ホフストラ大学での鮮明なVTR映像でも、それは変わらないようにみえる(イントロのリフ×2が4度下からはじまる3期と同じアレンジ)↓

Deep Purple - Smoke On The Water (LIVE 1973 HD) - YouTube


ところで、弾いてみるとわかるのだが、この簡単なリフが、爪弾くことで、無駄にナーバスなリフになるのであった。

爪弾くためには弦と弦の間に指を入れなければならないわけで、ギターの弦間は狭いから指先が微妙にひっかかり、今ひとつスムーズに弾けない(アタックをつけられない)のである。


で、こうした流れで、パープルの傑作『ライヴ・イン・ジャパン(メイド・イン・ジャパン)』(1972)の最大のミステリー!について、考察を述べたいわけなのである(夏休み自由研究)。

↓をお聴き願いたい(Live at Festival Hall, Osaka, Japan 15th August 1972)。

Deep Purple - Smoke On The Water (Made In Japan) - YouTube


3:25あたりである。

有名なリッチーのミストーン。

このピーと響く単音は、Fなのだが、「基本」のポジションだとF音は2弦6フレットにあり、このフォームを前提とするとなんでこんなとこのF音をリッチーは鳴らしたのか?と首をひねらざるをえなかったのである↓





人間椅子が、このライヴ・ヴァージョン風にカバーした演奏では、和嶋氏がわざわざ小指を伸ばして無理くりミストーンを鳴らしている(3:16あたり)↓

人間椅子~Smoke On The Water(Deep Purpleカバー) - ニコニコ動画_GINZA



しかし、「変」なポジションで弾いていたのであれば、そのF音が鳴る理由が判ることに気づいたのである!

「変」なポジションの場合、F音は3弦10フレットにある↓





つまり、無駄に弾きにくい爪弾きをしていたため、うっかり隣の弦をリッチーははじいてしまったのでは?と、解釈できるのでは?という推理なのである!


自分としてはふむふむーそうだったのだ、そうに違いない!と確信しきってはいるものの、リッチーはこの大仰なリフをどこかふざけて弾いていた様子が、ことにお披露目すぐの2期のライヴでは顕著で、そうしたお遊びのひとつにすぎないのでは?―――といえなくはない、と思う。

すなわち、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は、メンバーたちも想像だにしなかったパープルの代表曲となる前には、ライヴ2曲目の肩慣らしにすぎなかったという事実も、考慮すべきだろうということなのである。

‥‥‥

※自由研究・追記

パープルの3期以後は、リッチーも「基本」のポジションでリフを弾くようになるが、そのいわば「端境期」といえるカリジャムの演奏では、まだ「変」なポジションで弾いているのが確認できる。

Deep Purple - Smoke On The Water-(California Jam) - YouTube


↑の1:02あたりからをご覧いただきたい。

リフの1、2回目が4度下、3、4回目が「変」なところ‥‥‥

このアングルは、80年代にリリースされたカリジャムの映像作品とは別編集の、2006年に出たDVDに収録されており、発覚したものである!

参考 → ディープ・パープル 1974カリフォルニア・ジャム - 怠惰なひな菊


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Disc 1 (CD) 大阪フェスティバル・ホール 7曲(1972年8月15日)*2013リミックス
1. ハイウェイ・スター
2. スモーク・オン・ザ・ウォーター
3. チャイルド・イン・タイム
4. ミュール (Drum Solo)
5. ストレンジ・ウーマン
6. レイジー
7. スペース・トラッキン

Disc 2 (CD) 大阪フェスティバル・ホール 7曲(1972年8月16日)*2013リミックス
1. ハイウェイ・スター
2. スモーク・オン・ザ・ウォーター
3. チャイルド・イン・タイム
4. ミュール (Drum Solo)
5. ストレンジ・ウーマン
6. レイジー
7. スペース・トラッキン

Disc 3 (CD) 日本武道館 7曲(1972年8月17日)*2013リミックス
1. ハイウェイ・スター
2. スモーク・オン・ザ・ウォーター
3. チャイルド・イン・タイム
4. ミュール (Drum Solo)
5. ストレンジ・ウーマン
6. レイジー
7. スペース・トラッキン

Disc 4 (CD) コンサートのアンコール集*2013リミックス
1.ブラック・ナイト Osaka 15/08/1972
2.スピード・キング Osaka 15/08/1972
3.ブラック・ナイト Osaka 16/08/1972
4.ルシール Osaka 16/08/1972
5.ブラック・ナイト Tokyo 17/08/1972
6.スピード・キング Tokyo 17/08/1972

Disc 5 (DVD) ライヴ映像&ドキュメンタリー集(日本のみ日本語字幕付き)
1.ライヴ・イン・ジャパン - ライズ・オブ・デープ・パープル・マークII
2.スモーク・オン・ザ・ウォーター(オフィシャル・クリップ)
3.レヴォリューション
4.ドイツ1972(ドキュメンタリー:1972年2月10日 シュツットガルト ベーブリンゲン体育館)
5.スモーク・オン・ザ・ウォーター(ライヴ・クリップ:(ライヴ・クリップ:1973年5月29日 ホフストラ大学)

ワーナーミュージック・ジャパン


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