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怠惰なひな菊

漫画家・萩原玲二(はぎわられいじ)の怠惰なブログ(2006~2019)

戦国人物伝 斎藤道三 (日本の歴史 コミック版 73) その二

2019-12-31 11:53:24 | 萩原玲二作品

 

「時代劇」は、高校くらいに小さなブラウン管TVで黒澤の『用心棒』〔1961〕を、当時は珍しいレターボックス放送の、ますます小~さなサイズで観たにもかかわらず、衝撃をうけすぎた自分なので、常在執筆?というか、隙あれば手掛けたいジャンルなわけです。

(もっとも『用心棒』は時代劇というよりは、「ハードボイルド探偵小説風西部劇」と呼ぶべきかもしれませんが‥‥‥)

 

といいつつ今回の『道三』、実は戦国ものをがっちり描くのははじめてで、これまた表象のお手本として黒澤映画の鎧もの3部作?とでもいうべき『蜘蛛巣城』〔1957〕『影武者』〔1980〕『乱』〔1985〕が非常に参考になったのであります。

ことに「マクベス」翻案の『蜘蛛巣城』は鉄炮伝来以前の16世紀前半が舞台と思われるので、甲冑や衣装、建築様式が参考に!

 

自分は日本の甲冑に興味がある向きなので、戦国期に当世具足がどのあたりから普及したのか、それ以前の大鎧、胴丸、腹巻からの過渡期にはどのような甲冑があったりしたのかとか、想像するといろいろ想像できるので、胴丸と当世具足の両方の特徴をもたせた甲冑なども描いてみたりしました。

戦国漫画の執筆に、現在最強の資料のひとつといえるのが↓

 

‥‥‥
ところで、ブログの引っ越し先、「pixivFANBOX」より「note」の方が、この先自分のやってみたいことと相性がよいのでは?と気づいたのであります。

なんとなくnoteはライターさん向けというイメージが強かったのですが、pixivFANBOXはやはり継続的にコンテンツをがっちり更新する漫画家氏向きで、たま~に課金コンテンツでもあげてみようかという怠惰な向きはnoteなのでは‥‥‥

「マガジン」というのはよいですな。

 


戦国人物伝 斎藤道三 (日本の歴史 コミック版 73) その一

2019-12-24 14:07:32 | 萩原玲二作品

 

『戦国人物伝 斎藤道三 (日本の歴史 コミック版 73)』(ポプラ社刊)であります。

 

ぜひ、お手にとっていただき、ご一読を!

発売日をいまひとつ把握しきれてなかったのですが、すでにリリースされているようであります。

 

描き下ろし100P!―――自分は基本的に作画のみ担当しました。

 

いわゆる「学習漫画」の括りの作品でして、本作の新規な点は、「斉藤道三伝説」とされる説話が実は父子二代にわたるもの、という近年のほぼ定説にのっとっていることだと思います。

 

仮に自分のオリジナル作品であったら、コッポラの『ゴッドファーザー PART II』〔1974〕をなぞって、デ・ニーロとパチーノの父子二代にわたる道三伝説を時系列をカットバックさせて構成してみたくなりますが、それは機会があればいつか‥‥‥

(つづく)

 


弁天さま2019

2019-10-04 04:55:01 | 萩原玲二作品
筒井漫画瀆本ふたたび (実業之日本社文庫)
筒井 康隆,高橋 葉介,明智抄,いがらしみきお,伊藤 伸平,折原 みと,雷門 獅篭,菊池 直恵,鈴木 みそ,大地丙太郎,田亀源五郎,竹本 健治,萩原 玲二,畑中 純,みずしな孝之,Moo.念平,山浦章
実業之日本社


2010年初出時の当ブログ該当エントリ↓

弁天さま

萩原版『弁天さま』解題(1)

萩原版『弁天さま』解題(2)

萩原版『弁天さま』解題(3


萩原版『弁天さま』解題(4)



↑読み返したらけっこう細かいところまで…というか、完全に自分も忘れていたこだわりが解題されており、そうだったんや!となりました。

今回なぜ『弁天さま2019』なのかというと、実は加筆?修正を施したからであります。

それが、表現の不自由!のアイコンであるところの「×」で、
萩原版『弁天さま』解題(4)
でうんぬんかんぬん言及してますが、昨年の世田谷文学館での先生の「展」で『弁天さま』の生原稿を拝見し、「×」が原稿用紙何枚にもわたって丁寧に書かれていたことに感銘を受けたからであります。

「ここからここまで全部バツ」とかでも原稿として成立する気もしますが、さすが先生、きちんと××××××××××××××××××××‥‥‥今回の再発にあたって漫画化も××××××××××××××××××××‥‥‥せねば!となったのであります。


編集氏から製版しなおすかどうかという相談があったことも一因ですが。
(2010年当時でも印刷のモアレが心配で初出はグレースケールのまま入稿したのでした)

ところで今回再発の『弁天さま』の3ページと5ページがダブって?印刷されたようなにじみがあり、これは自分の送信したデータを確認すると普通なので、製版時?印刷時?の不具合のような気がするのですが、はて???




越後口泥濘戦記

2019-08-29 02:37:05 | 萩原玲二作品



8/27発売のコミック乱10月号(リイド社刊)に

『越後口泥濘(ぬかるみ)戦記』(1C・30P)

が掲載されています。

ぜひ、ご一読を!(拝)


このシリーズ、「時代劇」という枠の中で「戦争漫画」を描く―――というのがコンセプトで、今回はことさらに「戦争漫画」への傾き加減が強い回となっているのでは。

『史上最大の作戦』〔1962〕のパロディ?的な演出さえ……


作中に、なにやら象徴的な案配でオオサンショウウオを出しましたが、おそらく長岡にオオサンショウウオはいない……
睡眠中のトキとか出すべきだったかもしれず……

花輪先生の漫画で例の少女が森の中で「ハンザキ」をみて怖がる場面があって、それをふまえてしまいました。


で今回、幕末を舞台に武士階級を主人公とした場合、およそ主題は「武士の面目」しかないことを確信しました。

その同じテーマを、キャラクターの造形によってどんな角度から切断するかにものかきのアティチュードが示されるといいますか。


コミック乱 2019年10月号 [雑誌]
さいとう・たかを,ちさかあや,とみ新蔵,崗田屋愉一,八月薫,大島やすいち,山田参助,山崎峰水,萩原玲二,じゃんぐる堂,みなもと太郎
リイド社


蔵出し選集!!コミック乱 創刊20周年記念特別編集~刀之巻~

2019-07-02 03:00:52 | 萩原玲二作品


↑の6/27発売「蔵出し選集!!コミック乱 創刊20周年記念特別編集~刀之巻~」(リイド社刊)のほうに、拙作『回天の血[BLOOD]』(2015・30P)が再録されています。

当ブログ該当エントリ ~ 回天の血[BLOOD](1) (2) (3)

ぜひご一読を!


軍師・蔵六先生の初陣といってよい、第二次長州征伐の益田戦争に取材した作品です。

同日発売のコミック乱8月号では創刊20周年記念で作家直筆色紙プレゼントという企画がありまして、自分も↑の『回天の血』に登場するイネさんを描いて参加しています。

鳥羽ミニエー(エンフィールド銃)をフルコックで構えるイネさんなのです。

最初、水彩で色を塗ったところ、色紙の表面がボロッボロ!になってしまい、筆圧おとなしめに色鉛筆で描き直しまして、もはやすっかりアナログ恐怖症なのであります。





コミック乱 2019年8月号 [雑誌]
さいとう・たかを,塩川桐子,ちさかあや,八月薫,高浜寛,大島やすいち,山田参助,崗田屋愉一,荻野真,とみ新蔵,じゃんぐる堂,植木金矢,倉島圭,みなもと太郎
リイド社