怠惰なひな菊

漫画家・萩原玲二(はぎわられいじ)の怠惰なブログ(2006~2019)

キング・クリムゾン@渋谷オーチャードホール十四日目(2018/12/19)

2018-12-20 12:52:36 | 音楽







クリムゾン2018、日本場所十四日目

↓セトリ



King Crimson Concert Setlist at Orchard Hall, Tokyo on December 19, 2018 _ setlist.fm

※ロイヤルパッケージQ&A~メルさん

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12/19は、告知直後にあわてふためいて重複して応募してしまったロイヤルパッケージの日で、イオナさんからの招待メールも当日ちゃんと届いてしまったのだった。

一応、今般のクリムゾンのロイヤルパッケージは、一人一回かぎりという建前があるとはいえ、別会場ということでもあり、図々しく参加しても問題はなかったろうが(複数回参加のファンがツイッターでぞろぞろ観測できる)、―――それより自分としての問題が12/19のQ&Aのゲストはメルさんの可能性が高く、それは自分が参加した仙台のロイヤルパッケージとかぶりすぎでは?と、自分自身にバツが悪く結局、遠慮?というか、辞退?というか、不参加だったのだった。

案の定、ゲストはメルさんだった!

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冒頭のフリップ先生のトークがやたらに長かったようで、制作中のドキュメンタリーの撮影が入っていた関係だろうか?、わかるようなわからないようないつもの抽象的で示唆に富んだ高話が30分近く?も聞けた模様である(素直に羨ましい!と思えないのがフリップ先生の話術!である)。

そもそも先生は3期のライヴ音源の「グッドイブニング、ヒッピーズ」からはじまる「これからインプロをやります」という「RFアナウンスメント」を聴けば察せられるが、観客へのおしゃべりはどちらかといえば好きなのだろうし、3期のそれはブルフォードさんに「インプロをやる前にインプロをやりますと言うな」と注意されてもいる。

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ところで、このロイヤルパッケージをリーフリン氏がたまさか見学していたらしく、昨年11月にクリムゾンのフィラデルフィア公演のロイヤルパッケージに参加して、今般の日本ツアーの日程を最速でリークしたリーフリン氏ファンの女性レッシャーさんもたまさか参加していたらしく、リーフリン氏にプレゼントを渡せたというツイートがあり、昨年のUSツアーにリーフリン氏が不参加だったことを考えれば、これはすごくよい話(いいね!を押さざるをえない)。

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その時分小生は、センター街の「やんばる」でゴーヤ定食をいただいており(ポーク玉子定食と迷った)、ふつーに開場6時ちょっと過ぎくらいにオーチャードホールに到着。

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最初、トニーさんがスティングレイ5を持っていたので、「はいはい、冷たい街、冷たい街」と踏んでいたら、「地獄犬」の後、あの「キャー」という悲鳴SEが聴こえて「パート2」!

素で「ふあ?」と声が出てしまった。

『USA』かと!

74年のUSツアーは「パート2」はじまりが多く、実は自分が一番好きな3期クリムゾンのライブ音源のプロヴィデンス公演(1974/6/30)もそうで、俄然わくわくしてしまった(この日のインプロの抜粋が『レッド』に収録されたライブ音源)。

「フ、フラクチャー」演リマスカ?みたいな。

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「TCOL」がしれっと7公演連続。
突っ込んだら負けのレベルとなった。

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12/19の最大の注目は「カデンツァ」でのトニーさんのパフォーマンスでいつものアポヤンドからボウイングに変えたと思ったら、突然ベースのフレーズとユニゾンでスキャットをはじめて、場内はざわめき、最後に「コンバンワ」としめる。
場内爆笑、拍手喝采。

メンバーも笑っていて、フリップ先生の破顔大笑には驚いた。
フリップ先生のステージ上でのあんな表情はレアすぎる!

トニーさんの即興はおそらくキリスト教圏クラスタには、もうクリスマスモードに入っているという意味での無礼講なのでは?と想像した。
クリスマスモードに入っているということは演奏が厄介で面倒臭い「パート4」と「フラ…」は今夜セトリ入りしていないのでは?と予想させるに充分であった(!)。

続くフリップ先生のソロはサウンドスケープ風のロングトーンの抒情的なところから、いきなりジミヘンのインプロ?みたいな歪ませたコードワークを聴かせてくれ、あらためてフリップ先生が60年代のヒッピームーブメントのアーティストなのだと、意識させてくれた。

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2部もトニーさんがスティングレイ5をかかえていたので、「冷たい街…?」と思っていたら「悪魔犬」の後、「冷たい街の情景」だった。
レア曲!といえる。

レア曲といえば「ケイデンス&カスケイド」につづいて日本公演2度目の「ブレスレス」!
2度とも観れて、感激!
難易度からいえば「息もたえだえ」はフリップ先生は居眠りしながらでも演奏できるだろう。

これほどゴキゲンでノリノリの7拍子の曲もまれでないか。

ミドルパートは4分音符×18でひとつのリフだから、18/4拍子というべきなのか、しかし演奏は11拍子+7拍子という区切りが強調されてるように聴こえる。

そのミドルパートでトリプルドラムが順番に叩くのは、まるでビートルズの「ジ・エンド」のトリプルギターのリード合戦のようでもある。

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密度がやたら濃かったので、今夜は「スターレス」がアンコールかなと思っていたら「パート5」の後、メンバーは立ち上がらず、リーフリン氏のメロトロンの前奏が!

ひょっとしたらクリムゾンのライブを観れるのは最後かもしれないのだな……と気づくと、2番と3番の間のフリップ先生の主旋律の響きに嗚咽レベルで泣きじゃくってしまい、困った。

3年後の来日予定?までバンドが健康に存続しますようにと、祈願しながらの帰宅であった。







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