吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

韓国国立博物館

2005年05月27日 14時55分05秒 | Weblog
 初訪問の韓国タクシー乗り場で…国立中央博物館まで…(クンリップ パンムルガン カジ カプシダ)と言ったが一台目、二台目、三台、四台…。どの運転手も妙な顔して首をふるばかりだった。
 ホテルへ戻ってフロントの日本語が出来る係に訊ねた。
 フロントマンは景福宮(キョンブククン)と言えば行きますヨと教えたくれた。
 再び、タクシー乗り場で行き先を告げたらドアを開けてくれた。 発音が悪いのか、クンリップなんて場所は一体どこにあるのか?と思ったに違いない。あるいはクンニパンムルガンカジ…と言えば通じたかもしれないし、博物館と分かってもどの博物館か分からず、結局理解させるのは無理だった。
 アメリカ式の、ザット オーライはザッツオーライ。水はウォーターではまず通じない。ワラーで済む。子音から子音の連続なんてなんでも母音をつける日本人には無理だろう。ソウル ヨク カジ カプシダ(ソウル駅まで行きます)はソウル ヨカジで通じる。 苺(タルギ)もタ!は喉の奥から、吐きだすようにタ!ルギィ!と言わねばならないが、目の前にある苺は指差すだけで済むのに、知ったかぶりのタルギで店の者は、こやつ何者?と首かしげる。
 国立中央博物館に移転する前は、国宝の金銅弥勒菩薩半跏思惟像は旧博物館にあり、金色の縄で囲っていたが、手の届く距離なので、私は通算、四十七回もその足指にふれた。
 しかし景福宮に移転してから台座まで七、八米の距離になってその後足指にふれる機会を失った。
 広隆寺の半跏像は顔の表情は同じく不思議な微笑だが木造である。 ここに陳列してある三島(粉青…プンチョン)から象嵌青磁に変化する過程はやきもの好きな方にじっくり見学するよう薦めたい。 年月とともに(高麗王朝末から李氏朝鮮王朝初期まで)次第に変化してゆく有様がじつによく分かる。
 遠くから見て青磁象嵌と思っても、近くで見ると十六世紀とあり、微妙な釉技術の時代変化がよく分かるのである。

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