アンティークとは、
100年以上の年数を経たもの。
ヴィンテージとは、
20~30年以上、100年未満の年数を経たもの。
では、1911年以前の時計だけがアンティーク時計と呼ばれるのかというと、そうではないです。だいたい、アンティーク時計とは
1960年代までの時計を指すことが多いようです。
しかし、最近
「ヴィンテージ腕時計」と言われたり、メーカーによっては1980年代のものを「
アンティーク腕時計」と言ったりと表現の仕方があいまいなのです。
さすがに1980年代のものをアンティークというのはどうかと思いますが、あと10年、20年経てばそう呼ばれれても違和感はないのかもしれません。
つまり、年代をどうのこうの言うのでは無く、その時計のデザインであるとか、雰囲気であるとか、そういうものが違和感なく「アンティーク」と呼ぶことができればそれでいいのです。だからアンティークとしての捉え方は人それぞれなのです。
下に紹介する2本の時計は、1950年代と1970年代の時計です。共にそれぞれの特徴が有ります。
1940年代~1950年代は腕時計製作の成熟期と呼ばれるほど、各メーカーより多くの機械式時計が作られ、この年代に時計は完成されたという人も多いようです。
また、1970年代は、1969年のクオーツ発売で、機械式時計の衰退期といえます。
ジャガールクルト 手巻き 18KYG 1950年代製 ケース径25mm
年代当時の良さを今に伝えてくれる上質な時計です。
ジャガールクルトは当時アメリカ市場むけにルクルトという名で販売を行っていました。「LECOULTRE」と文字盤に書いてあるのがそれです。アンティーク時計をみるとこちらの方をよく見かけます。機械はスイス製、ケースはアメリカ製それがルクルトです。そのため両者を比べると明らかにジャガールクルトの方が上質です。
当時、9K、14K、18KGF(金張り)、18KGP(金メッキ)が多い中、このモデルは18K無垢が使われています。その為小さいわりにずっしりした重みを感じられ、しっかりとしたつくりになっています。
文字盤には立体感があり、2トーンになっています。ここにもアンティークらしさがよくでています。
アヴィエーション 手巻き 18KPG 1970年代製 ケース径40mm
1970年代、スイスの時計産業はクォーツ時計の台頭によって、大きな打撃をうけました。ブライトリングもその中の一つでした。経営が悪化し、部品を売りに出すことになってしまいます。その部品を買うことになったのが、当時軍事時計などを作っていた、オーレッヒワイスという会社でした。そこがアヴィエーションと言う名で売り出したのです。生産期間は数年のみです。
この時計は、ブライトリングの部品で構成されており、ムーヴメントはバルジュー製が使われています。
特徴は、①未使用品である事、②ケースが18K無垢である事、③24時間表示のコスモノートである事です。
生産数は数十本と言われています。その中でも未使用の状態で残っているものはこの時計以外には無いと思います。
アンティークと呼ぶには新しい年代のものですが、文字盤はすごくいい雰囲気をだしています。
これら2本の時計は、それぞれの時代背景、特徴があり、アンティーク腕時計としてとても魅力的です。
つけた時のドキドキ感がたまらないのです。