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全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

金剛バス東條線代替路線の詳細・・・甘南備地区の便数が減った背景など

2023-12-31 21:43:33 | 金剛バス廃止関連

2023/12/20限りで廃止となった金剛バス東條線の代替バスですが、時刻表にあるように、甘南備地区については南海バスは経由せず、レインボーバス(近鉄バスの富田林市コミュニティバス相当で、小型ノンステップバスで運行)のみが経由します。金剛バス時代は大半の便が経由していたのにここだけいきなり大幅減便となったため<毎日新聞のサイトに2023/12/19付で掲載された記事参照>、地元が問題視したわけですが、先日実際に乗車してみてその謎が解けました・・・

富田林駅前のもと金剛バス本社屋。「金剛バス」の文字だけ消されていますが、今後ここで代替バスの回数券や定期券が発売されることはありません。 

南海バスは富田林駅付近に待機場がないため、バスターミナルに横付けのまま次の便まで休憩中。

東條線に充当される南海バス(亀の井ホテル富田林への登り口付近にて撮影)。普通の大型バスです。

「府立こんごう福祉センター前」の1つ手前の蒲中央バス停の標柱。南海バス担当便が運行する区間なので、老朽化した金剛バスの標柱(2022/11時点のストリートビュー参照)を撤去して南海バスタイプに置き換えました。

一方、レインボーバス便のみが経由する甘南備地区のバス停の標柱は、すべて金剛バス時代のままでした。

こちらは、甘南備バス停のすぐ近くにある済生会富田林病院の無料送迎バスの標柱。日祝日と第3土曜日は運休ですが、路線バス同等の1日4便が確保されています。

実は、甘南備バス停と東甘南備バス停の間の道路の一部が非常に幅が狭くなっており(ストリートビュー参照)、伝統ある金剛バスは大型バスでこの道を通り抜けていたのに対し、代替バス企画の段階で「現行の安全基準では大型バスでは通行困難」と判断したもののようです。レインボーバス用の小型バス(以下の写真参照)は普通に走れるのを実地確認しましたが。なお、この区間以外は交通量の多くない2車線道路であり、大型バスでも何ら問題ありません。

ちなみに、府立こんごう福祉センターのバス停は、完全に施設内にあります。施設内の道路は公道ではなく、入口ゲートの門柱脇には「一般車両の通り抜けはご遠慮ください」と書かれた看板があります<関係者以外立入禁止とは謳われていません>が、東條線代替バスは最終便を除き「西側のゲートから入り、施設中央部の同バス停に停車した後、大阪府立富田林支援学校の前を通って東側のゲートから出る」一方通行の経路となっています。次の府立こんごう福祉センター東口バス停は施設の外の公道上にあります。

府立こんごう福祉センター付近のGoogleMapはこちら

府立こんごう福祉センターのバス停の全景。富田林駅に行く金剛バス代替路線ののりばと、河内長野駅に行く南海バスののりばが向かい合っています。

金剛バス代替路線のバス停の標柱。毎日新聞のサイトに2023/12/19付で掲載された記事内にある「市側は夜の2便については近くのバス停から同地区のバス停まで平日は乗合タクシーで往復するとして、通勤客らへの配慮を説明した」に相当する乗合タクシーに関する掲示があります。

河内長野駅への路線は、2023/10/6付ブログ記事「金剛バス撤退直後の太子町・河南町・千早赤阪村のバスはどうなるか?」で紹介したように2023/6/1に新設されたばかりで、バスベイ自体も路線開設に合わせ新設されており、標柱も当然真新しいです。

こちらは純粋に施設関係者のための路線<関係者以外乗車不可とは謳われていません>で、路線図にあるように他のバス停は河内長野市内の「河合寺」1か所のみです。そして、終点はさらに1つ先の「府立こんごう福祉センターかんなびのさと前」です。

 


日田彦山線BRTのICカード対応は電子マネー扱いだった

2023-12-31 07:41:02 | 交通系ICカード

2023/7/9付ブログ記事「日田彦山線BRTがモバイル型決済端末によりICカード対応になります」の続報です。

この「モバイル型決済端末によるICカード対応」ですが、実は交通系ICカードの電子マネー機能を活用したものであり、ポストペイのPiTaPaは対象外です。

12月の平日の朝にBRTひこぼしラインに乗車してきましたが(新年早々に当ブログで報告予定)、BRTで運用されるバスの運賃箱に「電子マネー使えます」のステッカーが貼られていたことにより、このことをようやく認識しました。

試しに、降車時にモバイル型決済端末(リリース文のイメージよりももっと簡易なもの)に手持ちのPiTaPaをタッチさせましたが、エラーになりました! もっとも、実際には青春18きっぷで乗車したので実害はありませんでしたけど。

改めてBRTひこぼしライン公式サイトの「ひこぼしラインの乗り方」のページを見ると、確かに小さな字で「※PiTaPaはご利用になれません。」と書かれています。また、当初のリリース文をよく読むと「※SUGOCA 以外の交通系 IC カード(一部を除く)もご利用いただけます。」と明記されていました。その「一部」がPiTaPaを指すわけですね・・・

 

 


事業が30年近く滞ったままの国道18号野尻バイパス、その理由は?

2023-12-31 00:01:00 | 幹線道路(中部)

2023/11/29に開催された令和5年度第4回関東地方整備局事業評価監視委員会で、長野県の北端にある信濃町内の国道18号を改良する事業「一般国道18号野尻IC関連」が審議対象になりました。

https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000869014.pdf

このあたりの国道18号は上信越道とともに長野県北部と新潟県上越地方を結ぶ重要な交通路であり、特別豪雪地帯ということで冬期には上信越道が通行止めになることが少なくなく、その際には代替経路となります。しかし、歩道の未設置区間があり、冬期にはさらに道路端に除雪した雪が積み上げられて歩行者は車道の通行を強いられてしまいます。町の観光スポットである小林一茶旧宅はそんな国道18号に直接面しています(ストリートビューはこちら)。このため、現道拡幅およびバイパス建設により走行環境を改善し安全性を高める事業が進められています。

延長8.7kmは1990年度までに都市計画決定・事業化されました。上信越道の信濃町ICと接続する前後の区間は1997年度に開通し、その北側の現道拡幅区間・バイパス区間の延長計2.5kmは2003年度末に開通しています。そして、南端の古間地区の線形改良区間も2017年度に開通しました。他は完成の見込みが立っていません。

全体の用地取得率は2023/3/末時点で約46%となっていますが、実は2012年度・2015年度時点での再評価でも「約46%」となっており、用地買収は10年以上全く進捗がない計算になります。

https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000633004.pdf(11ページ目参照)

南側の現道拡幅区間に関しては歩道設置の地元要望があるため2023年度から一部工事を行っていますが・・・

小林一茶旧宅のある信濃町中心部のバイパス区間に関しては、2015年度から地元調整に着手しているにもかかわらず、用地買収はほぼ手付かずです。今回の再評価資料では、理由として「雪の多い地域特有の堆雪場を含む代替地の確保、土地所有者との調整に多くの時間を要している」ことが挙げられています。つまり、バイパス予定地に堆雪場が含まれ、その代替用地を確保しないと買収にかかれないわけで、特別豪雪地帯ならではですね。堆雪場の条件は「ある程度の広さの平地があること」「豪雪直後でも雪を満載したダンプカーがたどりつけること」なので、盆地内で不要な農地がまとまって出てこない限り確保は難しそうです。


阪神バス一般路線撤退間際の野田阪神前バス停の様子

2023-12-30 22:05:34 | 路線バス

2023/12/27付ブログ記事「阪神バスは2024/1/8限り大阪市内一般路線から事実上撤退など」の続きです。

年明け早々に阪神バスの一般路線が発着しなくなる野田阪神前バス停(阪神電鉄野田駅の高架下)の様子を紹介します。なお、大阪シティバスは多数の便が発着していますし、隣接地に阪神バスの空港リムジンバスの車庫があるので阪神バス自体は引き続き姿を見ることができそうです。

2番のりばは阪神バスの阪神杭瀬駅北行<国道2号経由>専用ですが、土休日の朝に1往復するのみ(野田阪神前発は9:00)です。2024/1/13以降は完全休眠状態となるはずです。

3番のりばは大阪シティバスの58系統(大阪駅前行、1時間あたり概ね2便運行)用で、そこに土休日の朝に1往復するだけ(野田阪神前発は8:08)の阪神バス北大阪線の天神橋筋六丁目行が間借りする形です。阪神バス北大阪線のこれまでの歴史についてはトラベルWatchのサイトに2023/12/27付で掲載された記事に詳しいですが、1989年に実施された大阪市の区域変更の影響のくだりは、正確には「北区と大淀区が統合されて新たな北区になり、天六にあった大淀区役所がなくなったため需要も消滅した」ですね。現在の北区役所の最寄り駅はJR大阪環状線天満駅・地下鉄扇町駅です。

阪神バス北大阪線がまともな本数が維持されていた頃は、隣の4番のりばから発着していました。のりばは廃止されましたが、柵の切れ目と点字ブロックに名残があります。


レトロな阪急タクシー本社建物が消滅→本社機能と営業所の移転先は?

2023-12-30 20:47:07 | タクシー

関連ブログ記事・・・2021/3/7付「豊中市を南北に縦断するバス路線がなくなります

上記ブログ記事で「バスの墓場」と紹介したJR東西線加島駅近くのもと阪急バスの車庫ですが、2023年末時点では阪急タクシーの大阪営業所になっています。

この看板の白い部分には、かつて(2018年時点のストリートビューにあるように)「阪急バス 加島出張所」と書かれていました。改めて「阪急タクシー 大阪営業所」と書いてもよさそうな気もしますが、いろいろと事情があるのでしょう。

この営業所ですが、2022/8/8付で豊中市服部南町(阪急タクシー本社と併設)から移転してきたものです。

http://www.hankyu-taxi.co.jp/upload/topics/183/file.pdf

阪急タクシーの本社は国道176号に面した1950年代テイストのレトロな建物(2022/9時点のストリートビュー=このブログを書いている時点では最新のもの=参照)でした。建物に掲げられている阪急タクシーの社章は、1992年のコーポレートアイデンティティ導入以前の阪急電鉄の社章(京都市・大阪市・神戸市の市章を組み合わせたもの)を継続使用しており、さらにレトロ感を醸し出していましたが、本社のほうもその後いくばくもなく移転したようで、2023/3/8付で建設ニュースのサイトに掲載された記事によれば、この時点で7月中旬までの予定で解体中だったとのこと。したがって今頃は更地のはずですが、跡地は阪急バス本社跡地(豊中市庄内西町の国道176号沿い)のように商業施設になるのか、はてさて・・・

さて、阪急タクシー公式サイト上には、現時点で本社移転に関するアナウンスは見当たりません。「阪急タクシー 本社 移転」と検索すると、2022年末(つまりちょうど1年前)に移転した旨の内容が記載された個人ブログが引っ掛かるだけです。Wikipediaの記載も未だ更新されておらず、移転の件は公式サイトでは特段告知せず会社概要のページの所在地をしれっと書き換えたのみだったのかもしれませんね。

2023年末時点の阪急タクシーの本社所在地は、公式サイトの会社概要によれば「大阪府池田市空港1丁目9番10号」となっており、電話番号は豊中市時代と変わっています。この場所は実は空港リムジンバスがたむろする阪急観光バス(旧大阪空港交通)の本社営業所の敷地の一角ですが(GoogleMapはこちら)、営業所内に豊中市と池田市の境界線が通っており、阪急観光バスの本社事務所は豊中市側にあるため一見全く違う場所のように見えますね。該当箇所のストリートビューによればずっとニッポンレンタカーの大阪空港営業所でしたが2020年以降に別の場所に移転し、その跡地の建物を改装して阪急タクシーの本社機能を持ってきたものです。2022/10時点のストリートビュー=このブログを書いている時点では最新のもの=では、ちょうど改装工事中の模様が記録されています。