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全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

阪神尼崎駅前広場相当の公園のリニューアル工事の様子(2024/8/10現在)

2024-08-11 01:01:37 | 都市交通全般

2024/6/29付ブログ記事「阪神尼崎駅前広場の役割を果たす公園、リニューアルのため西半分が2025/3まで封鎖中」の続報です。

この阪神尼崎駅前の中央公園のリニューアル工事の様子ですが、前回ブログ記事から1か月以上を経ても、状況が分かるインターネット上のページは見当たりません(X<旧Twitter>の単発のポストはあるかもしれませんが)。

ということで、2024/8/10時点の様子を報告します。

公園東側のバスターミナル上の人工地盤から、リニューアル工事真っ最中の西半分を見下ろした様子。

囲いの中には多数の重機が休んでいます。巨木の多くが刈り払われてすっかり見通しが良くなりましたが、これは市民の願いです(後述)。

店舗や休憩施設の基礎部分が一部できています。

「うわさプロジェクト」は2024/6/29時点から全然広がっていませんでした。

ちなみに、中央公園のリニューアルについては、尼崎市から遠く離れた愛知県知多市の公式サイトで公開されている「建設経済委員会行政視察報告」内に有益な情報が存在します。現地視察日は工事が本格化したばかりの2024/5/14となっています。

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2014013000047/file_contents/0605kensetu.pdf

2023年度の利用者アンケートの結果分かった課題は、
・巨木が多く見通しが悪い。
・うす暗い。
・樹木やモニュメントが乱雑で、空間として活かされていない。
・公園灯が少なく暗い。

であり、その課題を解決するための整備ポイントは以下の5つとなっています。

① 開放された芝生広場やベンチの設置、園路の舗装
② 樹木を一定更新することによる、見通しのよい空間形成
③ イベント等で柔軟に活用できるスペースの確保
④ 利便性向上施設(飲食店舗)の設置(2か所)
⑤ 尼崎駅高架下店舗前の駐輪ラック等の撤去、歩行・滞在空間の創出

このうち④については、周辺商店街の事業者からやや反発の声があがったものの、駅周辺の活性化が目的であることを説明し、現在は事業者からおおむね理解を得られていると考えている様子。店舗収益のうち、借地代をまちづくりの財源として活用していくそうです。そして、整備にあたっては既に存在する石碑やモニュメントなどの移設が課題となっているとのこと。実際にどう移設されるかは関係者以外にとっては皆目不明ですが、北西側の交番近くで埋もれていた「鉄鋼戦士の像」が市立歴史博物館に移設されたことについては神戸新聞が取材して記事になっています。

https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/202407/0017952948.shtml


阪神尼崎駅前広場の役割を果たす公園、リニューアルのため西半分が2025/3まで封鎖中

2024-06-29 21:43:40 | 都市交通全般

阪神尼崎駅の北側にはそこそこの広さのある都市公園「中央公園」が高度成長期に整備されており、事実上の駅前広場としての機能を果たしています。公園東側3分の1は「地上はバスターミナル・屋上が公園」という立体公園(人工地盤)になっています。

https://amagasaki-area.jp/facility02/

しかし、時代とともに都市公園の役割は変わってきており、民間活力の導入により魅力を高めるべくリニューアルを行うこととなりました。関西で初めての「都市公園リノベーション協定制度を活用した公園整備」で、飲食店等の設置などによる利便性・滞留性の向上や、様々なイベントにも利用可能な交流空間の形成などを図ります。阪神電鉄および阪急阪神不動産がそのプロジェクトに参加することとなり、2023/3/31付で協定を締結し、2023年度いっぱいで計画を練った上で、2024年度に工事を行い2025年3月ごろに完成の段取りとなっています。

https://www.hanshin.co.jp/company/press/pdf/20230405_ensen_amagasaki.pdf

そして、2024/5/7からリニューアル工事に着手しました。以下はその前日の様子です。公園の真ん中にある石碑には「尼崎に緑と青空を」と刻まれており、高度成長期に発生した公害問題を後世に伝えています。

ただ、リニューアル工事中の公園がどうなっているのか(どの部分が封鎖され、それに伴いどのように迂回することが必要かなど)については、尼崎市公式サイト内でそれらしき情報を見つけることができず、それどころかネット全体を探しても全貌が分かる情報がなさそうですので、今般こちらで公開することとします。

2024/6/29時点の様子です。

駅北側にどっかとそびえているシンボリックな噴水は、工事用の囲いの向こうになり近づけなくなりました。もっとも、上記リリース文にある完成予想図でも現在と同じ場所にそびえており、撤去はされませんのでご安心を・・・

2024/5/27に工事範囲を封鎖し、それ以降周囲に順次仮囲いを設置したようです。さらに、観光案内所の南側にも2024/6/19に新たに仮囲いが追加されています。

追加された仮囲い。神戸市内ではすっかりおなじみになっている「うわさプロジェクト」<きっかけはこちら>が尼崎にも進出しました。本件については尼崎市からリリース文が出ています。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/038/205/240529-03.pdf

背後に見えるのが人工地盤(1階はバスターミナル)です。

他の面にもこれから広がっていくのでしょうか? 仮囲いの中は完全に工事現場になっています。

駅とアーケード商店街を一直線に結んでいた通路も封鎖の対象となり、南側への迂回を余儀なくされています。

以前の通路はもはや跡形もありません。上記リリース文にある完成予想図によれば、以前木立のあった左側(北側)に飲食店などが入る店舗ができ、右側(南側)に広場や休憩施設が整備されるようです。

公園の北西側と駅を一直線に結ぶ通路も封鎖され、駅から交番に向かうには大回りが必要となりました。リニューアル後も交番は現在のまま残り、通路は復活します。


移転後の名鉄三河知立駅に南口駅前広場ができない件について

2024-06-25 21:37:51 | 都市交通全般

愛知県知立市では、市の中心部を分断する形になっている名鉄線(東西方向に名古屋本線・南北方向に三河線が通っている)を高架化して、都市交通の円滑化・踏切事故の解消を図り、ひいては市街地の一体化を実現する「知立駅付近連続立体交差事業」を進めています。

https://www.city.chiryu.aichi.jp/soshiki/toshiseibi/toshikaihatsu/gyomu/1450765040076.html

完成の暁には4階建て(2階が名古屋本線、3階が乗り換え通路、4階が三河線)の巨大な高架駅になる予定ですが、それだけに長い工期が必要で、2000年度に事業を開始したものの、現時点で完成しているのは全体の3分の1程度(名古屋本線上り線と乗り換え通路の一部)だけで、完成予定は2028年度となっています。

https://www.city.chiryu.aichi.jp/soshiki/toshiseibi/toshikaihatsu/gyomu/1445314325554.html

そのため、北側の地平にある駅舎から名古屋方面の電車(名古屋本線下り線)に乗るには、いったん3階まで登ってから再び1階に降りる必要があり、かなりの時間と手間を要します。

<2024/6/23時点の工事の様子はこちら>

そして、三河線豊田市方面の隣の駅である三河知立駅は、駅勢圏の調整(知立駅にあまりに近すぎる)と工事費節減のため、高架化区間から外れる約900m東側に移設することとし、2024/3/16に移転しました。

https://www.city.chiryu.aichi.jp/soshiki/toshiseibi/toshikaihatsu/gyomu/1525222239252.html

移転後の三河知立駅は以前と同じく無人駅ですが、朝から夜まで15分間隔で電車が走っているため利便性は高いです。ただ、下りホームと上りホームは完全にセパレートされており、連絡地下道のようなものはなく、上記ページの下のほうにある図を見ればわかるように駅前広場は北口側にしかない(今後整備する予定もない)ため、南側からのアプローチによる自動車での送迎はできません。

この図だけ見ると「南側に家が建て込んでおり、立ち退かせることがおぼつかなかった」ように取れますが、現地に行ってみると全く的外れでした。

完全にセパレートされた上下ホーム。

改札口は終日無人で、ゲート付きの自動改札機が設置されています。

上り電車に乗るのに間違って下りホームの改札を入ってしまった場合は、インターホンで問い合わせてリモートで自動改札のゲートを開けてもらい、一旦改札を出て踏切を渡り、改めて反対側のホームの改札を通る必要があります。

そして、駅の南側には広大な駐車場が広がっています。この場所に60年以上前から存在する産業機械メーカー「株式会社FUJI(旧富士機械製造)」の本社<工場併設>への来訪者および勤務者のための駐車場です。

おそらく、「同社から平面駐車場部分の一部を買収し、南口駅前広場として整備する」という選択肢もあったはずですが、諸事情でお流れとなったのかも。周辺自治体の多くは自動車関連の企業の本社や大工場が立地し財政的に豊かですが、知立市域には残念ながらほぼ立地していません。

ちなみに、移転前の三河知立駅の跡地は、既に線路もホームも駅舎も取っ払われ、通路跡が残るのみです。もうすぐ、ここでも高架橋の工事が始まるのでしょう。


奈良~王寺間バス代行(2024/4/13夜)の所要時間は1時間10分かかります

2024-04-11 00:04:40 | 都市交通全般

2024/2/26付ブログ記事「 京奈和道奈良IC付近のJR大和路線、2024/4/14始発から仮線切り替え」の続報です。

上記ブログ記事で

>これに伴い、切り替え区間を含む奈良~王寺間では4月13日の20:45頃から終電まで全面運休となり、バス等による代行輸送や近鉄への振替輸送を実施するとのこと。

と書きましたが、JR西日本がインターネットで提供している情報は運休3日前になっても列車の運休に関することのみで、代行輸送の詳細(発着場所、運行ダイヤなど)は公開されていないようです。

ただ、関西地区の主要駅で配布されているチラシの内面には奈良~王寺間バス代行の運行ダイヤなどが記載されているので、エッセンスを紹介します。

<発着場所>

奈良駅、郡山駅、大和小泉駅、王寺駅については駅前に発着するとのこと。但し、各駅とも駅前バスのりばは複数あります(駅の南北or東西)が、そのいずれかは明示されていません。おそらく現地に配置された係員が案内する段取りになっており、当日の道路事情により変更される可能性があるので敢えて事前に公開しないのかも・・・

但し、法隆寺駅のみは道路事情の関係で駅前に代行バスが発着できず、北西に5分ほど歩いた県道5号大和高田斑鳩線沿いのコミバス用のバス停(2023/12/10付ブログ記事「2023/12時点のいかるがパークウェイ予定地<法隆寺駅北西側>の状況」で紹介した場所のすぐ近く)に発着します。

<運行ダイヤ>

奈良駅では、列車ダイヤと同じ時間に発車します(20:50~0:00の間運行)。

一方、王寺発は天王寺方面からの列車との接続を取る必要があるため、「本来奈良方面まで行く列車が王寺駅に到着する時刻の10分後」に発車するようになっています。具体的には、「21:00、21:15、21:30、21:45、22:04、22:18、22:34、22:49、23:03、23:18、23:34、23:55、0:20、0:40」です。

<所要時間>

奈良~王寺間は電車ならば15分程度しかかかりませんが、この区間には直接並行する幹線道路がなく大回りを余儀なくされ、さらに大回りで経由するであろう道路も一部を除き片側1車線のため、代行バスの所要時間はその4倍以上の1時間10分を見込んでいます。駅間の所要時間は以下の通りです。

 奈良~郡山間=20分 郡山~大和小泉間=20分 大和小泉~法隆寺間=15分 法隆寺~王寺間=15分

もちろんバスの収容力も限られていますし、ICカードは一切使えないので、やはり「列車が運転している間に移動する」のが無難ですね。奈良駅・郡山駅の場合は1km弱の距離に近鉄の駅があるのでこちらも利用できます。

ちなみに、通常の王寺発天王寺方面の最終電車は23:46発ですが、この状況を鑑みて、当日に限り王寺発0:10のJR難波行を臨時に運転します。天王寺着は0:40です。


ひたちBRTの第3期計画の変更(日立電鉄の残る廃線跡は活用せず?)について

2023-09-03 23:13:44 | 都市交通全般

「ひたちBRT」は、茨城県日立市の市街地において、2005年に廃止となった日立電鉄線の廃線跡を活用してバス専用道を整備し、道路状況に左右されないバス高速輸送システム(BRT)を構築するものです。まず、2013年3月に第1期区間(久慈浜駅跡から大甕駅の南方までの約1.3km)が開通しました。

https://www.mlit.go.jp/common/001020740.pdf

次いで第2期区間(大甕駅から河原子駅跡付近まで)の専用道整備に着手し、まず2018/3/26に大甕駅北方~河原子駅跡付近の区間の専用道が供用開始となり、

https://www.city.hitachi.lg.jp/shimin/014/001/003/p065897.html

次いで大甕駅の駅舎整備や常磐線との交差部分(駅の南北それぞれに存在)の工事完了に伴い2019/4/1から対象全区間の専用道が供用開始となりました。

https://www.city.hitachi.lg.jp/shimin/014/001/003/p075012.html

残る第3期区間は、当初計画では(上記資料にあるとおり)河原子駅跡付近から北上して、日立電鉄線の終点だった鮎川駅跡(JR常磐線の常陸多賀駅と日立駅の中間部の線路東側)までの廃線跡を整備し、さらに新規ルートで日立駅付近まで運行するものでした。ImpressWatchのサイトで2023/8/29付で公開されたレポートでもそう結ばれています。

しかし・・・

このブログを書いている時点でGoogleで「ひたちBRT 第3期」と検索すると、日立市公式サイト内の「日立都市計画における道路の変更に係る地元説明会を開催しました」のページがトップに出てきます(説明会は2023年3月17・18日の両日に開催)。

https://www.city.hitachi.lg.jp/shimin/014/010/p113391.html

こちらによれば、ひたちBRTの第3期ルートは、「新たに整備予定の常陸多賀駅東口を経由し、駅北側に新たに整備する都市計画道路(多賀停車場間々下線)でJR常磐線を高架構造で跨ぎ、常磐線の西側を日立駅方面に向かう」ように変わっているようです。つまり、常陸多賀駅を経由せず日立グループの多賀事業所・国分事業所の東側を通る廃線跡は活用しないことになります。

付近のGoogle航空写真はこちら

日立市公式サイトにはこれ以上の情報はありませんが、日立グループ議員団ホームページ日立グループ労働組合出身議員の活動を紹介するサイト)内に存在している「日立市議会だより2021年4月号」によれば、

http://hitachi-gr-giindan.jp/report/files/202104-aoki-146.pdf

第3期ルートは「BRT利用者の需要見込み、現行バス路線との統合など、効率的な再編が可能と考えられる中央線ルートを基本に検討を進めることとしました」となっており、多賀停車場間々下線で常磐線を跨いだ先は多賀高校・茨城大学日立キャンパス付近を経由して日立市民運動公園に至り(ここまで5~10年程度の短中期整備区間)、さらに日立グループの海岸事業所の西側を経由して日立駅に至る(このあたりは10~15年程度の中長期整備区間)となっています。確かに、河原子駅跡~鮎川駅跡の区間の沿線には人口の集積も目ぼしい公共施設もなく、BRTのルートとして活用するメリットはほとんどありません。

おそらく、現段階では第3期ルートの概要レベルの設計を業者に委託する形で固めている最中と思われますが、正式な形で公開されるのが待ち遠しいですね。