敗荷
2010-11-07 | 蓮

蓮池は今、敗荷の時です。絵の具で表すと金黄土・栗皮茶、そして落葉茶という色でしょうか。直径60cmにもなる蓮の葉は季節とともに色・かたちと変化します。その変化のプロセスが俳句や短歌に詠まれ、絵画の題材となり、また、先にご紹介した彫刻の味わい深い作品となって人々を魅了するのでしょう。6月の緑、みどりは「瑞々(みずみず)しい」の意がある通り、蓮葉の水を含んだ葉は重みを感じます。7月、観蓮会の折の碧筒杯の葉は注いだ日本酒が染まってしまう程の青緑色です。そして枯れ色の10月、11月に入ると雨、風で穴があき、敗れた荷(蓮の葉)に夕日が当たって黄金土色に輝く時、蓮池は静かな聖域に変わります。