メメント・モリ

このブログでは司法試験関連の受験日記・講座・書評について色々掲載していきたいと思います。

テキスト:憲法判例百選1

2004-12-11 13:58:06 | 司法試験:テキスト
 有斐閣のジュリスト別冊、受験を始めてその存在を知り、本屋で探してもらって発見したときは、その外見のしょぼさにびっくりしました。内容を見てもびっくり、実は大学の教養課程で受講した、法学基礎の授業で使われていた教材だったのです。その授業を受けてあまりのつまらなさに、司法試験受験を一度は断念しかけただけに「相性の悪い教材だな」と思い、購入しても一年使いませんでした。

 いくら最近の択一が判例重視の傾向だからといって、この本を一から読んでいてはただ憲法が嫌いになるだけです。「つまみ食い」を繰り返し、最終的にはほとんどの判例を検討していた、という使い方が理想的ではあります。くれぐれも、頭から読みつぶそうと思わないように。また、掲載判例について、ある程度疑問点、予備知識などがないと、上滑りの読み方しかできないでしょう。初期段階では無理して背伸びせず、基本書・テキストの判例を読んでおけば足ります。

 また、よく言われているように、解説は本当に質がばらばらです。その目的とするところも掲載判例によって違ってきますので、自分の求めている情報が載っていない、と判断した場合には遠慮なく読み飛ばしてください。私が求めていた情報は、当該判例の先例的意義や射程、応用可能性や重要な判断要素の指摘でした。

 なお、みなさんが欲している情報は「どの判例をしっかり読めばいいのか」という点でしょう。
 これは、その人の学習到達度、必要とする理解の程度によって異なるので一概には言えません。ただ、「これは試験でメインに聞かれることはないだろう」と思われる判例もあります。また、個人的に解説を読んでためになったものもあります。そこで、今回はそれらの番号についてご紹介いたします。学習の一助となれば幸いです。

 およそメインとしての出題可能性が考えられない判例:16.19.29.51.55.89.90.106
 参考になった解説:7.12.14.15.27.30.32.33.76.96.97.102.
 なお、ためになる、といっても記述の一部ですので、すべてを目を皿のようにして読む必要はありません。
 また、判旨を読む前に、その事件がどのような利益状況の下、誰がどのような主張をしたために出てきたものなのか、をしっかり把握しておく必要があります。ここは必ずやってください。すべての科目で重要なことです。

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
質問なのですが・・・ (junk)
2004-12-12 02:17:49
GM様



いつも興味深く読ませていただいております。

教科書ガイドの件ですが、刑訴はいつごろ仕上がる予定でしょうか?いや、プレッシャーをかけるような質問で申し訳ないのですが、完成を楽しみにしておりますのでよろしくお願いいたします。
返信する
ありがとうございます (GM)
2004-12-13 01:03:59
JUNKさま。ありがとうございます。刑訴に関しては現在証拠法総則まで完成しています。この土日に立て続けに催促のメールを複数いただきました。こちらの想像以上にご期待を寄せていただいているようで、本当にうれしい限りです。時間の許す限りガイド作成に時間を費やし、今週中にはなんとかよい知らせをいたしますので、もうしばらくお待ちください。
返信する
初めまして (山下)
2004-12-16 00:37:49


初めまして (山下と申します) 2004-12-16 00:28:32



 初めまして、山下と申します。22歳の学生です。こういった形でサイトの運営者の方にコメント出すのは初めてなので、なんか失礼があったらすみません、指摘してください。

 僕は今年二回目の受験で、徐々に…徐々にですが受験上の成果が出始めました。択一、論文講座を含めて、いちお、合格レベルといったものに達してきました(下回ることもありますが)。ただ、どうしても尽きない不安があります。それは、確かに毎回の答練で合格点に満たないことも、もっと反省すべきで、もっともっと勉強しなきゃならないということに結びつくものなのかもしれませんが、それ以上に不安にさせるのがベテラン受験生の存在です。ベテラン受験生の日記などをみていると、とにかく近時の判例を網羅していて、択一50点を超えても満足していないように思えます。基本書も何冊も読み…。司法試験に受かるためにはそれが必要なのでしょうか?司法試験が相対評価であって、そもそも法律自体が深いものであることを考えれば、やらなきゃならないようにも思えます。ただ、実際の答錬では参考答案をみても僕には「あっさり」したもののように思えてしまいます。このベテラン受験生の存在が怖くて仕方ありません。悩みです

 長々とすみません。もしよかったら、簡単なコメントでも嬉しいのお願いします。

返信する
丁寧な質問をされる方ですね。 (GM)
2004-12-16 19:28:26
山下さん。はじめまして、ブログ作成者のGMです。文面から、あなたの逡巡する胸の内が見て取れるようです。

おそらく、あなたは自分の今の学習到達度に対して、一応の自信を持っているのだけれど、ベテランの人がたくさん知識をもっているのがなんとなく怖い、という心理状態にあるのでしょうね。



おっしゃる意味はよくわかります。

私も、受験時代は自習室に通っていたのですが、そこには朝から晩までずーっと毎日休まず勉強しているような人がたくさんいました。彼らを見て戦々恐々としていたこともありました。



しかし、ベテラン受験生がいくら知識や方法論を持っていたからとしても、長年受からないということは、何らかの「弱点」を抱えているからに他なりません。「知識」は勉強量に比例して増えても、「弱点」は勉強量によって克服できるものではありません。だからただのベテラン受験生はおそるるに足りません。ごくまれに知識があって弱点補強も怠らない、本当の実力ベテラン受験生もいますが、そんな人が1000人もいるわけありません。



 本当に怖い存在であるのは「本試験」です。実力ベテラン受験生はあなたの合格を妨げることはありません。勝手に受かっていくだけです。しかし、本試験は実際にあなたを落とすのです。山下さんは、本当の敵である本試験だけを見つめ、彼がどうすれば自分に肯定的な評価を下してくれるのか、を常に考える努力をしてください。
返信する
うわぁ~ (山下です)
2004-12-17 00:38:42
ほんとにありがとうございます!なんか嬉しかったです!こういう風に作成者の人にコメント出すの初めてだったんで、妙にきんちょうしてしまいました。ただ色んなサイトを見ていく中で、もしかしたら、この人なら、僕の相談を受け止めてくれるのではないかって思って、思い切って書き込んでみました。

 やっぱり自分を信じていくしかないですよね!!正直、この不安は最後(いつ??)まで続くような気もしますが、僕なりの勉強方法が確立してきて、実際結果もそこそこ出るようにはなってはきているので、これからも頑張りたいです。慢心することはなく、独りよがりになることもなく、でもベテランさんがやっていることで、何か自分の参考になりそうなことはやっていきたいと考えています。

 ホントにありがとうございました。サイトの方は時間があるたびにブックマークさせてもらっているので見ています。またもしかしたら、コメントすることがあるかもしれないので、その時はよかったら。なんかホントに気さくな方で良かったです!…なんか終始改まってしまいました。今日は遊んでしまったのでもう少しやってから寝ます。ありがとうございました!!
返信する