GreeneryPark日記

-おとなし おっと@管理人の日々のつれづれ-

名探偵ポワロ5

2017-01-07 | ミステリー雑記
間取り図じゃなくてストーリーから気になったことを。 (ネタばれ含む。)


『杉の棺』や『白昼の悪魔』で出てきた死刑制度。
当時(第二次大戦前)のイギリスには死刑制度がまだあって、判決が下ったら絞首刑になる。
(段階を踏んで1998年に完成廃止になったらしい。)

『白昼の悪魔』では浮気した夫1人殺したという容疑だけで死刑の判決が降りていて、
判決の厳しさに唖然とした。
無差別にたくさんの人を殺したというならまだしも、原因が夫にありすぎて納得できなかった。
奥さんも長期の服役になるだろうとは思っていただろうけど、死刑になるとは思っていなかったんじゃないかな?
(奥さんはある人をかばって罪を受けたので、本当は無実だった。)

それに死刑判決が出てから執行されるまでの期間が短すぎる。
『白昼の悪魔』は事件から1年後には処刑されたらしいし(20年ほど前の事件)、
『杉の棺』の時は裁判から1週間後に処刑と言っていた。
早く無実を証明しないと本当に助けられない状態だった。


『三幕の殺人』で、離婚の条件について語られていた。
現在はわからないけれど、当時は配偶者の状態によって離婚できないことがあるとのことだった。

1、配偶者が終身刑に服している場合。
2、配偶者が精神病などで療養施設に収容されている場合。

これ、かなり厳しくないかな?
日本の場合、1は「婚姻を継続しがたい重大な理由」となって離婚できると思う。
2は回復の見込みがない重度の精神病患者の場合は裁判官が決定するらしい。
軽度の場合は協力して助けあう義務がある。

犯人の配偶者が2だったのだけど、ポワロにそれを暴かれていく様は気の毒だった。
まあ、3人も殺す理由にはならないけど。
目標の人物だけこっそり殺しておけば、ばれなかっただろうに。


『オリエント急行殺人事件』のポワロ。
このシリーズ、特に後期のポワロは犯罪に対してかなり厳格で、時には犯人に対して激昂することがある。
だから、『オリエント急行』ではどうするのかなと思っていた。
原作ははるか昔に読んだのでちょっと忘れてしまったのだけど、
映画だと敵討ちに対して称賛しているようなところがあったから。
(前に日本で作ったドラマ(野村萬斎が探偵役)でも称賛してた。
 日本だと赤穂浪士の話があって敵討ちに理解があるだろうけど、軽すぎだと思った。)

やはり激昂していた。
うん、このポワロだったらそうなるよね。
でも、最後には自分の信念を曲げて、敵討ちを容認する。
その時の険しい表情が何とも言えない。
これが最終話の『カーテン』のポワロにつながってくるのかなと思った。



http://gyao.yahoo.co.jp/p/00569/v08532/



post a comment