飛来飛去 ~風の吹くまま~

中国・遼寧省瀋陽在住歴十数年。
最近ネタぎれ気味ですが、何気ない、でも誰かに話したい日々の発見を綴ります。

開幕まであと3日

2013年08月28日 | 中国・瀋陽 暮らしの中から

今日は朝から雨が降り、夜の気温は20度を切っている瀋陽。

新学期の開始とともに、一気に肌寒くなった。

熱く照りつける日差しはピークを過ぎたが、これから瀋陽には“熱い戦い”がやってくる。

いよいよ全運会(国体)の開幕まであと3日となった。

瀋陽桃仙空港も新しいターミナルがオープンした。

陸の玄関口、瀋陽北駅の大改装もようやく終わり、ずっと封鎖されていた南側の出口も通行できるようになった。

正直、1ヶ月前ぐらいまで「本当に間に合うのか?」って感じだったのだが、あっという間に石畳の舗装がされ、街路樹が植えられ、バス乗り場も整備された。

今まで道路もあちこちが封鎖されて修理中だったが、だいぶ落ち着いた。

最近、南の方(空港へ向かう方)へは行ってないので分からないが、おそらくオリンピック村ならぬ「国体村」も完成したことだろう。たぶん。

それでも、未だあちこちで建設中の高層ビル。

初めて瀋陽に来た人は、「どこが完成したんだ?」って思うかもしれないが、これでも以前よりましだ。

 

さて、全運会は3日後に開幕する。

全運会は、中国ではオリンピックの次ぐらいに大きなスポーツ大会で、以前は世界レベルの選手権なんかよりも、よっぽど力を入れていたらしい。

日本の昔の国体と同じで、開催地の発展という狙いもあるかもしれないが、各省対抗で、それなりに賞金が出たり、名誉がかかっていたりで、選手や関係者のモチベーションも高い。

選手達があまりにも全運会に力を入れるので、最近はオリンピックや世界大会等の成績も全運会の点数に加えて、成績を出すそうだ。

この点数のシステムがまたよく分からない...

 

分からないことはまだまだある。

開幕式は3日後のはずなのだが、実は既に試合が終わった種目もある。

7月のある日。

私の携帯に「全運会のバレーボールのチケットが欲しい人は、○○営業所まで」という案内が来た。

私はこのお知らせを後になって気が付いたので、見に行けなかったが、1ヶ月も前から正式な試合が行われていたのだ。

昨日は、キャンパスを歩いていると、学内ラジオ放送から、跳び込みの成績を発表するニュースが...。

それぞれの競技で、他の大会との日程とかの兼ね合いがあるのかもしれないが、バレーボールも跳び込みも中国では人気種目。

それが開幕式の前にあっさり行われてるって、“全運会”とは一体何なのか?

 

我が家での注目は、やはりバスケット。

日頃のリーグ戦から地元チームを応援している我が夫は、相変わらず毎日スポーツニュースをチェックしている。

地元での開催だから、もちろん頑張って欲しいのだが、ここでもやっぱり謎なことが...。

地元チームを強化するために、全運会では他のチームから選手を借りてくるのだ。

もともと遼寧にいた選手が地元に戻ってくるのは、まだ理解できる。

しかし、全然関係ないよそのスターを引っ張ってきて、たとえ優勝しても、ちっとも喜べない。

応援するのも感情移入できないし。

このシステムは今回だけではないのだが、「中国らしいな」と思う反面、何だかしらけてしまう。

この国にとって「スポーツ」とは、純粋に国民の健康のためとか娯楽目的だけではないことは分かっているが、全運会を見ていると、ますます分からないことだらけである。

 

また、全運会もオリンピック同様、聖火リレーをやっているらしいのだが、一体どこでどのように盛り上がっているのか、こちらも謎である。

うちで地元のテレビが見られないこともあるのだが、実態がいまいち掴めない。

うちの大学では柔道の試合が行われる予定で、昔のゲストハウスを壊し、新しい体育館まで建設した。

“日本代表”として、是非、柔道の試合を見てみたいなーと思っているのだが、また知らないうちに試合が終わってたりして...。

とりあえず、開幕後の模様はまた次回!

 


ベスト3

2013年08月14日 | 中国・瀋陽 暮らしの中から

久しぶりにタクシーに乗った。

乗ったら、もちろん行き先を告げるのだが、その中国語の発音が不自然なのか、必ず運転手に質問される。

①→「あんた、どこの人?」 ----→ 私:「日本人です。」

②→「(瀋陽で)何やってるの?」----→ 私:「仕事です。」

③→「で、給料いくら?」----→ 私:

 

瀋陽暮らしも長いので、プライベートなことを悪気も無く、根掘り葉掘り聞いてくるのにも慣れたけど、やっぱり面倒くさいこの展開。

どうして3番目の質問はいつも「給料いくら?」なんだろうか?

 

これはタクシー運転手に限ったことではない。

学校の前にある露店のご主人もそうで、私が買いに行くたび、いつも給料を聞いてくる。

日本でも大阪の人は割と普通にお金の話をするというが、やっぱり私はこのズケズケ入ってくる感がどうも苦手

相手は二度と会う人ではないので、適当に答えればいいんだろうが、それでも何かイラっとくる。

結局いつも「普通です。中国人と同じ金額」と言ってやり過ごしている。(事実、本当にそれくらいの給料しかもらっていないのだが)

こう答えると、大体決まって次はこういう風に言われる。

「中国の給料は日本でどのぐらいの価値になるの?日本のほうが高いでしょ?なんで中国なんかにいるの?!」

金儲けできるチャンスがあるのに、金にもならんことをやってるのが不思議でしょうがないようだ。

私:「まあ中国も良い所だよ。みんな親切でやさしいし。」

とりあえず、おべんちゃらで相手のご機嫌をうかがいながら、適当に質問を受け流す。

 

人懐っこい東北人は外国人を見ると、面白がって結構いろいろ話しかけてくる。

日中関係が悪いと言っても、直接顔と顔を合わせれば、普通の人たちは親しみを持って接してくれる。

「俺は日本が好きだ。日本人は礼儀正しい。中国人はだめだ」と、ホントかウソか、お世辞を言ってくれる人もいるし、「うおつり島どう思う?」なんて微妙な質問をしてくる人も、最後は「日本人も中国人も俺たち庶民はいっしょだよ」とか泣けることを言ってくれる。

 

一般的に、日本人よりストレートに、ストレートな言葉で表現する中国の東北人。

「お金の話」にしても、彼らにとっては「今日はいい天気だね」ぐらいのあいさつ代わりなんだと思う。

(分かっちゃいるけど、ウザい)

うちの相方も職業病なのか、コストがどうのとか、1個当たりいくらとか、何かにつけ、お金の話をする。

お金は欲しいが、数字にはいまひとつ無頓着な私。そして、自分の事をぺらぺらしゃべるのが嫌いな私にとっては、この手の話題は本当に勘弁して欲しい。

“「給料いくら?」質問禁止”のロゴTシャツでも着て、口に×マークのマスクでもしとこうかな(笑)

 


スポーツの夏

2013年08月12日 | 中国・瀋陽 暮らしの中から

残暑お見舞い申し上げます。

日本では連日40度近くまで気温が上がる地域が多いそうで、たぶん「暑い」なんて言葉じゃ済まないくらいの暑さなんじゃないかとお察しします。

夜は夜で“熱帯夜”だろうし、もう一日中、人間がまともに活動できる環境じゃないですよね。

屋外でお仕事の皆さんはくれぐれも気をつけて、せめてお盆休みぐらいはのんびりお過ごしください。

 

さて、私は、今年は日本に帰らず、ずっと瀋陽で暮らしています。

瀋陽でも昼間に外に出ると、30度を超えて、めちゃめちゃ暑いです。

でも、日本の夏の暑さを知っている私にとっては、「これでもまだマシ」と言い聞かせ、クーラーの無いギューギューの満員バスで、ベトベトした隣りのオヤジの肌にくっつかないようにしながら、出かけています。

日本と違って、朝晩は涼しいのですが、この1週間ぐらいは天気が悪くて...

ザーッと雨が降ってくれればまだいいのですが、どんよりした曇り空だと、空気汚染指数がバカみたいに上がって、窓も開けられません。

部屋には新品のクーラーがあるので、ちょっとつければ快適なのですが、エアコン嫌いのくせに汗かきのダンナが「今日も窓開けちゃだめ~?」と聞いてくるので、複雑な気分です。

 

夏休みといっても、どこに旅行に行くわけでもなく、相変わらずの毎日をおくる私たちの楽しみは、これまた相変わらずのスポーツ観戦のみ。

プロ野球はもちろん、特にこの季節はいろいろな大会があるので、本当に大忙しです。

サッカーの東アジアカップに始まって、先日は世界水泳、今は世界陸上。

夜中の中継で、こちらも時差ぼけ気味ですが、毎日楽しんでいます。

世界水泳で言えば、男子400m自由形。荻野選手が銀メダルを獲ったことで日本では大盛り上がりでしたが、優勝したのは、中国の孫楊選手。

ロンドンオリンピックも制した絶対的王者の活躍に、こちらも大興奮でした。

 

しかし、大きな大会はこれだけではありません。

バスケ男子のアジア大会、バドミントンの世界選手権も行われています。

日本では高校野球が話題の中心ですが、中国ではバスケでまさかの台湾に敗北という結果に衝撃が走っています。

もちろん、バスケの試合もバドミントンの試合も日本は参加しているのですが、日本のテレビを見ていても、全くそんなニュースは流れません。

大会が行われている事実さえ伝わっていないと思います。

いつも感じる“競技格差”と、「報道って何なんだろう」というモヤモヤ感。

確かに、期待できる結果は望めないかもしれないけど、選手たちも頑張っているので、大きな大会ぐらいは、もうちょっと取り上げてあげてもいいのになーと思います。

それに比べて、世界陸上は、日本人選手以外にも有名人がいるせいもあるけど、いろんな国の選手を紹介してくれるし、予選からできるだけたくさんの種目を放送してくれるので嬉しいです。

試合を見るだけでなく、聞いたことの無い国のことを知れたり、その選手の人生ドラマに共感できたり、やっぱりスポーツはいいですね。

何より我が家のコミュニケーションツールですし。

 

そして、いよいよあと20日で、中国の国体(全運会)遼寧大会が開幕します。

中国ではオリンピックと並ぶ重要なスポーツ大会で、選手たちの意気込みもハンパありません。

先日男子バスケチームが負けたのも、このために力を温存したのではないかと言われるほど。

大会に向けて、瀋陽の街も急ピッチで工事が行われているし、「国体の謎」も色々あるのですが...

国体については、書き切れないので、これはまた次の機会に!