オリンピックが終わって、なとなく気が抜けた感じがするのは私だけではないらしく、今朝の新聞には「オリンピック後遺症」「オリンピック後症候群」などと題した中国人の心理面を心配する記事が載っていた。
まだまだ名残惜しい気もするので、今日はオリンピックで気になった選手の記事を勝手に紹介することにする。
(記憶違いのところがあったら、ごめんなさい。)
一番心に残っているのは男子射撃のエモンズ選手(米国)。
この選手、決勝の10発のうち、第9発目まででダントツのトップ。
“よほどの事”がない限り、金メダルは確実という最後の1発。
その“よほどの事”が起きてしまった。
彼が打った玉は、なんと4.4点。10点満点の4.4点だ。
決勝に残る一流選手は、大体的の中心近くの9点台、悪くても8点台。
「4.4」なんて、あり得ない!
彼はこれでメダルを逃し、4位になった。
実は、彼、アテネ五輪でも同じ失敗をやっている。
優勝目前の最後の1発。
彼が打った玉は的にマークされなかった。
なんと彼が打ったのは、隣りの的だったのだ。
「射撃王」と言われながら、2大会連続のこの失態。
わざとじゃないかと思うぐらいあり得ないこの状況に直面した彼のことを思うと、言葉がない。
試合後、観客席で応援していた奥様と抱き合う姿、奥様の優しい微笑みが印象的だった。
次に挙げるのは、女子競泳で3種目金メダル、しかも、全て世界新記録を出したオーストラリアのライス選手。
フェルプス選手の8冠ばかり騒がれているが、この人、もうちょっと注目されてもいいんじゃないの?っていうぐらいすごい記録。
ライス選手は「オリンピックに専念するため」、恋人と別れたそうだ。
別れた相手もオーストラリアの競泳五輪代表。
その結果、彼女は金3つ。彼(サリバン選手)は銀2つ、銅1つ。
う~ん、やっぱり女性はたくましい...?
更に、フェルプス選手との恋の噂まで出てるんだから、只者ではない。
確かに、美人だけど。
次にドイツのチュソビチナ選手。女子体操・個人種目別跳馬の銀メダリスト。
彼女は33歳のママさん選手。
中国の女子選手を見ても分かるように、「まだ子どもじゃん!」っていう選手が金メダルを獲っちゃう体操競技で、どう見ても彼女は異色の存在だ。
ウズベキスタン出身の彼女。
92年のバルセロナ(その時は旧ソ連合同チーム)、96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネと16年現役。
スゴすぎる!
ドイツに移ったのは、難病を抱える息子の治療のため。
息子のためにも賞金をかせぎ、戦い続ける母。
尊敬に値する。
女性アスリートばかりに目が行って申し訳ないが、もう少しお付き合いを。
アフガニスタン唯一の女性選手、ルビナさん。
陸上100メートルに参加した。
イスラムの戒律が厳しい国なので、スカーフを巻き、長い黒のパンツを履いて。
(余談だが、陸上の女子選手のユニフォームはいつからあんなに露出が多くなったの?やっぱりあっちの方が記録が出るのかな?イスラム圏の人達はあれをどう思っているんでしょう?水泳は露出が減ってるのにね。)
ルビナさんのオリンピックは命がけ。
もし派手に注目されたら、旧タリバンの武装勢力に狙われるかもしれないからだ。
アフガニスタンなどでは、まだ女性が表に出ることを良しとしない人達がたくさんいる。
現に、ルビナさんが代表に決まったのは、開催2週間前で、本来出場するはずだった選手は突然失踪した。
よくスポーツ選手は「命がけで戦う」とか「死に物狂いでがんばる」とか言うけど、スポーツをやるだけで本当に命を狙われる国があることを知った。
同じように、戦争の続くイラクからやって来た選手たち。
「次のオリンピックまで生き続けられるかと思っていたので、参加できて嬉しい」
この言葉は重過ぎる。
中古の靴でも、おそろいの綺麗なユニフォームが無くても、堂々とした姿にオリンピックとは何かを考えさせられる。
確かに、お金がなければ、いい環境でトレーニングができない。優秀なコーチも雇えない。海外遠征も回れない。
じゃ、たくさんお金をかければ、金メダルが獲れるのか?
裕福になれば、ハングリー精神が無くなったと言われる。
(日本の野球や男子柔道のようにね)
一体どうすればいいのか?
日本はスポーツに対して国の援助が少なすぎる。私もそう思う。
でも、“国”が力を入れて育てた選手が良い結果を出せなかった時、みんな不満を言わないだろうか?
“国”が育てた選手が一躍有名になり、スポンサーから多額の収入を得るようになったり、海外へ移籍したりしたら、みんな不満を言わないだろうか?
それはそれで、問題がありそうだ。
最後に、各国メダリストがもらった(もらう予定?)おもしろ副賞。
北朝鮮・・・車1台。
(ガソリンも付けてくれるのかなー?)
ベラルーシ・・・ソーセージ一生分。
(どうやって支給されるんだろうか?毎月送られてくるのかな?一生って、誰が管理?)
ドイツ・・・ビール毎月50リットル無料。
(ん~、うらやましい。でも、これもどうやって支給されるの?チケット?)
インド初の金メダリスト・・・列車の1等席、生涯乗り放題。
(地球何周分乗れるのかな?)
モンゴル初の金メダリスト・・・電話番号(?)
(携帯電話じゃなくて“番号”。ちなみに、9999-9999。皆でお祝いメッセージを!)
日本のフェンシング・銀メダリスト、太田選手のインタビューでの一言。
-メダルを獲って変わったことは?
「協会が車で家まで送ってくれました。いつもは日暮里経由なので」
(これが現実です。)