年末になると、やっぱり見たくなる音楽番組。
以前のように毎週決まった番組を見たり、好きな歌を集めて日常的に聞いたりすることは少なくなったが、それでも今年のヒット曲とともに人気アーティストが一堂に会する番組を見ると、「あー年末だな~」としみじみする。
最近は、幅広い年代の視聴者を取り込むためか、アラフォー世代の懐かしの曲も間に入っているが、昔の曲の方がすらすら口ずさめる自分に年を感じたりもする...
さて、今年も2012年間シングルヒットランキングが発表された。
なんと1位~5位は全てAKB48、6位と7位が嵐で、8~10位がSKE48というこれもAKBの姉妹版。
なんじゃ、このランキング?!
AKBの歌も嵐の歌もとても良い曲が多くて大好きだが、ここまで独占されると、他の歌手はどこへ行ったの?って感じ。
しかも、このCDが売れない時代に、AKBの曲は5曲とも全てミリオン(100万枚)超え!
(もちろん、いろんな特典が付いているので、1人で何枚も必要以上に買っている人もいると思うが)
シングル以外にアルバムもDVDも売れているわけだから、レコード大賞2連覇も納得である。
アルバムのランキングになるとどうなるかと言うと、やっぱりミスチルが強い。
あとは、桑田佳祐、松任谷由実、山下達郎などの名前も入ってくる。
しかし、売れているのはやっぱりベスト盤ばかり...
愛しのコブクロもこの強豪ぞろいの中で7位にランクインしているのは嬉しいが、休養明けということで、やっぱりベスト盤。
来年はドームツアーも行なわれるし、また素敵な新曲を期待している。
ところで、日本語教師というのは、本当に“厄介な”職業だ。
というのも、目にする、耳にするあらゆる言葉にいちいち反応してしまうという“職業病”を抱えているので、好きな歌を聴く時さえもおちおちしていられない。
「これは良い曲だな~」と思った次の瞬間、「あっ!これは“て形”の勉強に使えそう」とか、頭の中を文型がよぎって邪魔をする。
実際は、授業でそんなに歌ばっかり聞かせられるわけではないのだが、「いざという時」のために常にアンテナを張っている。
そういう意味で、最近聞いた歌の中で良かったのは、AKB48の「GIVE ME FIVE!」。(やっぱりAKBかいっ!)
1番の歌詞だけ見ても、動詞の活用オンパレード。
「て形」はもちろん、「意向形(信じよう)」「可能形(また会える)」「受身形(風に吹かれ)」「禁止(言うな)」等など。
その他にも「比較」や「~ながら」「~んだ」等の初級文型がいっぱいだし、単語も初級で習ったもので大体いける。
歌詞の内容も前向きな卒業ソングで、メロディーも明るくて覚えやすい。
私も先日、夜の初級クラスの最後の授業で、この曲を使ってみた。
このクラスはほとんどが男性で、しかも中に熱狂的なAKBファンがいるので、食いつきもよかった。
1年前はひらがなさえ読めなかった彼らだが、歌詞もほとんど自力で理解できるようになり、本人達も満足感があったみたいだ。
年明け3月ごろの初級クラスの締めにおすすめの1曲である。
今年AKB48は中国で公演するはずだったが、残念ながら中止になってしまった。
中国にはこういうタイプのアイドルグループがいないので、若者は韓国や日本のアイドルに夢中になっている。
ヒットランキングが示すように、日本の昨今の“総アイドルオタク化”もどうかと思うが、みんながライトやうちわを振ってキャーキャー言えるのは平和なことだ。
そんな日々が来年以降も続きますように。