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汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

夕間暮れの刻が暮れて行く

2015年12月19日 | 愛の詩
懐かしさに包まれた 夕陽が注ぐ
川面は風に揺れている 畦道は遠く 陽の妖艶なる暖かさに連れられて
どこまでも沈んで行こうと 握り返した手は
冷ややかなる夕間暮れの微風に吹かれて そっと力が入る

仰ぎ見た蒼空は 幽遠なるその先を映しはしない
麗らかなる 黒色の背中が導いてくれた
もう戻れないあの時間は 掛け替えのない想い出と
握り返した手の冷たき感触に彩られている

鮮やかなる早雲は 風になびく 一抹の不安を写す鏡
艶やかな景色が 夕陽の優しき眼差しに揺れて
もう二度と振り返らない 背中をぼかしてしまう

何一つ変わらない 風景は まるであの頃に抱かれていた感覚のよう
懐かしい その笑顔が もう帰らないあの瞬間を 哀しく染めてしまうから
だからもう泣かないで
流れ行く川面に煌めく光が こんなにも淋しいものだとは思わなかった

幸せだったよ
あの時見せてくれた 涙に 架かったこの想いが こんなにも切なくて
不意に抱き締めていた 風に煽られ舞う枯葉が夕陽に輝いて
その明媚なる瞬間が とても愛らしく想えたから

蒼空が高く舞い上がる それでも時間は移ろい
あの時 傷つけ合った事が 切なくて塞ぎこんでしまった
この想いが 壊れてしまうのが怖くて 云えなかった感情は
未だにこの胸の裡にしまっているから

ねえ どうして こんなに時間が経つのが早いんだろう
あの時 何一つ云えなかった言葉が 今でも蟠ったままで居るから

夕間暮れの刻が徐々に暮れて 暖かな色彩が褪せていく中で
もう振り向く事もない あの瞬間を想い描く
それでも伝えたかった
そう願う 心から云えたい想いが この胸の裡に確かにあったから


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