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汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

夢幻の果てに

2017年07月17日 | 奇想の詩
射し込む 光に照らされて
眠る 今宵も宴が鎮まる頃 ふと思い耽る

穢れ 流れる雲 さんざめく記憶
波間に揺らめく星明かりに 手を掬う
満ちては引返す この胸の鼓動のように

堕ちて行く 夢幻の果てに
胸に添えた手 澄んだ瞳に護られていた
波は寄せては返し やがて果てる世界に

満月の透き通る 風は穏やかな声音
波に揺れて 漂う 蒼い波紋は宇宙に染み渡る
聴こえる この手に掛かる 水の残響が

反響して 更に奥へ
眠る 射し込む光を湛えて
静かな水面に浮かぶ 月に抱かれて

そして 深く

決して
眼を醒まさないように ずっと

夢幻の果てに 見た
あの世界へと 還って行くから

眠りに就いて 深く 沈む
滴り落ちる記憶
射し込む星明りを湛え
反響する水面
聴こえる 滲む輪郭 月影の夜に
満ちては引返す 波のさざめく声音が


今宵もきっと
眠りの刻は訪れるだろう

穢れ 流れる雲
さんざめく記憶に懐かれ
やがて 鎮むまで

深く 堕ちて行く
水面に写る 満月 滴り落ちる水に
滲む輪郭 波に揺られ
小さく震えている

そのときは きっと

また

今宵も きっと
眠りの瞬間は訪れる

夢幻の果てに見た あの世界に
還って行くまでは
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不協な跫音

2017年06月20日 | 奇想の詩
湧き上がる 海の深い 底から
波に揺られ 見上げれば 斜光が煌めいている
仄暗い砂地 無数の稜線が畝り 何処までも続く

消えて行く時間 身体が綻んで 波間に融ける
揺られて 静けさの裡へと 流されて

やがて見えてくる この世の無常さ
張り裂ける 心の亡き 表象の源へと

さざめく海は 何もかも 壊してしまう
振り出しの合図 記憶の陰に聳える 魔窟の跫音

留まらない 海原の時化に 怯えては
この胸に突き刺さる 痛み
不動の燈 見果てぬ宇宙へと 沈む調子

湧き上がる 海の深い 闇から
波は虚空の刻を掻き回し 撹拌する斜光

消えて行く時間 流れる海水に 呑まれた燈
さざめく暗闇は この世の涙で満たされるから

やがて鎮む 心の亡き 姿に怯えながら

流れる時間と 穏やかな海底
波は尚も揺れて 時間を掻き回す
それは 亡き姿の心を穿つ 夢の名残り

満ち溢れる潮の流れ 迷走する跫音
複雑に入り乱れた 海流に染み渡る 不協和音

此処にはもう 還らない

湧き上がる聲
この世に澱む 不協な跫音に 怯えている
それは亡き心の魅せる 世界の陰

此処にはもう還らない
湧き上がる跫音 海水の冷たさが沁み渡る

あの世界に流れる 水流は途絶える事もなく
亡き心の聲と共に やがて海底へと沈む
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静かな海辺

2017年04月29日 | 奇想の詩
流れ着く 大きな海辺に 独り
鮮やかな夜空が 星々の聲に煌めいている
吸い込まれそうな宇宙 流れる悠久の唄

揺れる波に身を任せ やがて沈む
もうあの唄は聴こえない
虚ろになって行く意識に語り掛ける

此処は何処

世界が暗闇に閉じられてしまう
独り 寂しさに懐かれながら
宇宙に吸い込まれた ベールに包まれし命

ただ 待っている
眠りに就くまでは 誰か
透明な海辺に 彷徨う 独り
鮮やかな夜空に 暗闇が打ち寄せて 閉じられて行く

此処は何処

世界が 星々の聲に彩られて 沁み渡る
虚ろになった意識 ただ 待っている
透明な宇宙に吸い込まれて
霧消して行く この命も何もかもが

鮮やかな海辺に 横たわる
悠遠なるこの路は 星々の輝きに彩られ
果てしなく続いて行く 何処までも 何処までも

終わらない さざ波の揺蕩う聲が 寄せては返し
戻れない 時間を刻む 刻々と
あの宇宙へと 沁み渡るように 深々と降り積もる

此処は何処

静かな海辺 独り 彷徨う
さざ波の揺らめく音が 寄せては返す ただ静かに
星々の明かりがきらきらと燈る 夜空

此処は 一体...
浜辺に打ち上がった 貝殻
虹色に光る その亡骸に
燦々と輝く宇宙の聲を聴いた ような気がした

虚ろな意識の最中 ふと見上げた夜空
さざ波の中に煌めいている 星々の陰
聴こえた 宇宙に沁み渡って行く 悠久の唄が

そう あの場所には きっと
何かが...



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眠りに就くまで

2017年04月04日 | 奇想の詩
眠りに就く しんしんと深く沈むような
光を纏い 永遠の夢を見ながら

琥珀の月が 高く昇り 柔らかに微笑む
「此処においで」
今に 琥珀の光が 帳を迎える

此処は夢の満ちる 渚
そして満潮を迎える時刻 やがて その優しさが
凡ゆる世界の愛を焼き尽くすのだろう

静かに消えて行く 焔
この世界を照らす琥珀の陰は そうして
穏やかなその眼を 優しく殺めて来たから
もうこの世界に 安かな居場所など無い

此処は夢の満ちる 渚
朧な光 蒼穹を照らし 月影がふるふる嗤う
写し出される破壊の影 優しき眼が可憐に散り
ばらばらになって やがて消えて行く

光の海に揺蕩う 姿亡きあなた
琥珀の輪郭に反響する 聲が聴こえる
もうすぐに その瞬間は訪れるのだろう
夢の鼓動が充ちる刻 扉は今拓かれた

遠く揺らめいて 煌々と水面に浮かび上がる
何もかもが崩れて行く その膨大な光景に
優しく微笑む あなたの姿が
それは深い眠りの最中に 爆ぜる 遥か永遠への光

此処にはもう既に あなたは居ない
水面に浮かぶ優しき旋律 流れ行く時の夢路

海中を昇る気泡 今にも消えてしまいそうな
優しい瞳をした あなた
それは悲しげな夢を辿る 月の軌跡
傷を抱えたままの運命に 翻弄されるがまま
やがてその瞬間は 訪れるのだろう

「此処においで」

滲む月影 冷たい風に吹かれ 翳む世界
海中を昇る気泡 永遠を夢見て ゆらゆらと彷徨う

そして 安らぎを求めて 眠りに就く
今宵も 琥珀の光に照らされながら
深く もう二度と此処から醒めないように
ずっと 永遠に


・纏い まとい
・翳む かすむ
・揺蕩う たゆとう
・蒼穹 そら
・聲 こえ
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眠りに就くまでは

2017年03月25日 | 奇想の詩
さざめきの聴こえる 波打ち際で
寄せては返し 星の煌めく夜に あの聲が響いている

滑らかな素肌に 映る仕草
甘い香りのする髪に 振り撒く 砂の結晶
その輝く瞳が 夜風を寂しい色に染める

流れる水脈の奥深くに 吸い込まれるような
深い眠りへと 融けて行く

ねぇ... 此処は何処?

波間に打ち上がる 萎びた樹木
そっと触れても 静かに壊れてしまう
ぼろぼろと零れ落ちる 破片
それはあの頃の記憶のような 儚さを描く

眠りに就くまで 一緒に居て
触れては 脆くも崩れてしまうもの
記憶の片隅に沈殿する 想い出
さざ波に揺れて ただ ゆらゆらと浮いているから

甘い香りの髪に 仄かな夢の気配がした
眠りに就くまでは ずっと一緒に居て お願いだから...
けれど触れても すぐに崩れてしまう

ねぇ... 此処は何処?

記憶の片隅に降り積もる もの
ぼろぼろと零れては 崩れ去る 枯れた樹木のように
この眼に映る景色も 何もかもが いずれ......

眠りに就くまでは 一緒に居て
滑らかな素肌に 伝う 夜風 寄せては返す波

此処は何処? ねぇ どうして...

甘く香る髪が 夜風に揺れて
まるで夢の気配のように 沈黙している
ねぇ... 一緒に居て?
この瞳が やがて深い眠りに就くまでは
ずっと... このまま......
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降り止まぬ空

2017年01月28日 | 奇想の詩
吹き抜ける 風に手を当てる
仄かに香る 花の鼓動
触れれば消えてしまう
花の文様に掛けた 想い

あなたの背中に 掛けた唐傘
見果てぬ空へ 滴る花弁は 微かに鼓動して 震えている
雨露に写る 無数の影 花の色彩に 揺れて
この掌に交差する 感情の色に惑う

あなたの背中に 掛けた唐傘
降り止まぬ空 仄かに薫る 花の胎動
咲き誇る瞬間を 待って あなたを呼ぶ
止まる時間 かすむ表情に 濡れた髪が冷たく 揺れて
この心誘う 紅い唇を象る

小さく頷いて 再び歩き出す
降り止まぬ空は 心拍を乱す鏡
この掌に滲む 感情をもてあそぶ
あなたは行く 雨脚の早る 空と共に




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また廻り逢える季節まで

2017年01月27日 | 奇想の詩
せせらぐ季節の風
花の目醒める頃 未明の空に 咲き誇る

夢現な静寂が 冷たく波及して 震える花弁
朝露に煌めき 花の命 鼓動を打つ 闇に灯る 旋律よ

闇を照らす 未明の空は 静寂を彩る
夜闇を染める花の繚乱 泡沫の波紋が 奏する命を湛えて
やがて 言の葉を生み出すのだろう

この耳に聞こえる 風の囁き
舞い上がれ 花弁の散る 無明の瞳が 欲している
この胸に色めく 季節の聲よ

夢現の最中に 聴こえた 在りし日の面影
朝露に震える 百花の影移ろう 絢爛の風が染み渡る

鼓動を打つ 確かな音
季節を廻り 一時の離別の後に 遺した言葉

「さよなら」

やがてあの聲も この掌に帰り着くのだろう
いつか時間の果てた その先で 待っているから

「さよなら」

もうこれ以上は この掌の温もりさえも 悲しいから
永遠にさよなら
在りし日の面影 聴こえた 愛しき季節の聲よ
もうそれ以上 その優しい瞳で見つめないで
季節は廻り 訪れし離別の時に 流した涙

「さよなら」
「さよなら...」

この耳に聴こえる 風の囁き
舞い上がる この花々も きっと散り散りになるのだろう
百花繚乱の夜明けは 朝露の明かりに震えている
ふと見上げた空 紺碧の闇に染まる

もうあの聲は聴こえない
永遠の離別 季節は廻り 枯れては咲き誇る 花々の影
あの聲は きっと この掌に帰り着くのだろう
この耳に聴こえた 季節の囁き
散った花々はきっと この掌に返り咲くのだろう

その時までは 永遠に
また廻り逢える季節まで
「さよなら」
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知られない居場所

2017年01月26日 | 奇想の詩
遠く声の響く砂浜に 彷徨う
打ち寄せる白い波が 音を立てて崩れる
揺らめく海 穏やかに心を掠める風

見上げれば あそこは 最果てを映す宇宙

安らぎは遥か ぼやけたあなたの表情が 海を移ろう
薄明の風は 風花を散らし この宙を優しく染めるだろう

海風の揺蕩う 悠久の路を見失わないように
ここから更に遠く この手を導いておくれ

揺れている 時間の刻む音が あの景色に溶け込んで
あなたの表情が 分からなくなる
判別するあらゆる隙間に
感情が滲み 跡形も無く 消してしまうから

もうすでに この手には何も残っては居ない
沈んで行く 舟にはもう 届かない光
再び包んでおくれ その優しい手で もう一度
きっと この波の行く先で あの声に出逢えるから

波に掻き消えた 文字
失った記憶を 手繰るように 来た道を引き返す
穏やかな空 波は寄せては返し 永久を唄う

ここまでおいで
振り乱した髪は 心に架かる螺旋模様

見果てぬ宇宙は 永遠を行く

あなたの心に 呑み込まれて
この海の奥深くに 沈んで行く

あなたはもうすでに居ない
拡がる紺碧の宙に
誰にも知られない 居場所を
見つけたの

だからもうさよなら
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言葉は失われた

2016年12月16日 | 奇想の詩
聴こえる さざ波に揺られる 靴音が
こちらに向かって 吹き抜けて 身体を塞ぎ込む

話を聞こうと 耳を澄ませて
零れ落ちる言葉を拾い集めた

振り向きざまに あなたは言った
口元からひらひらと出て行く
鳥のさえずりのような 声音を

甘い夢を見る夜に 抱き合った
不可思議な刻を 打つ時計が 壊れるまで
永遠を交わし合いながら

遠い海原を過ぎ行く 嵐の吹く夜に
星々が泣いて 明け方の空に消えて行く

もう既に 言葉は喪われた
遺る体温は 生きていた証を燈す
心地の良い唄を奏でる あの指先は
あなたの声さえも 届かぬ場所へと 消えてしまった

いつまでも あの海原で揺蕩う
話を聴こうと 耳を澄ませて
零れ落ちる涙に指をすくめた

甘い夢を見る夜に 抱き締める
もう既に 言葉は喪われたのに どうして?

不可思議な刻を打つ 永遠に身を沈めた
遠い海原を過ぎ行く 嵐の荒ぶ夜に
こうして身を閉ざしている
もう既に 喪われた言葉に酔い痴れて 沈むだけ

甘い夢に翻弄されて 泣いている
話を聴こうとして 耳を澄ませた 零れ落ちる涙に
指をすくめたまま 刻が不可思議な音を打つ
もう既に 喪われたのに どうして?

甘い夢を見る夜に 抱き締める
星々が泣いて 明け方の空に消えて行くのに
こうして 永遠を抱き締めていた

もう既に 言葉は喪われたのに
さざ波に揺られ こちらに向かって来る
あの靴音が聴こえる
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悠遠なる都

2016年10月15日 | 奇想の詩
風の音がそよぐ その聲の響く方へ 渡す舟
葉の上で小さく震える水滴は 遥かを映す鏡

あなたはまだ眠りの途上
歪曲した花の像に 幽かに波及する花弁の紋様
唇なぞり想い重ねる 淑やかに逸らす瞳に 円弧を描く風花

此処は黄泉の流れる国
それはまるで誰そ彼の夢路 この想い辿り 揺ら揺られ彷徨う
時間は色褪せ 葉の舞う宙に聴こえる あなたの声

小さく震える水滴に 写る花の像 此処はまだ暁を知らぬ 都
鮮やかなる花々 風に揺られ 風光を散らす
葉から零れ落ちる水滴 それは死相を染める 明媚なる輝き

あなたの翳す手 温もりに満ちた 安らかな瞳
風になびき悠久の揺らぎかすめる その刹那 この胸を血脈が打つ

斜交う金魚の群れ 水紋を辿り夢現の路を廻る この世の儚さ
水は流れ 遥か万象を映す 森羅は咲き乱れ 鷹揚の時を刻む

遥かな時間の流れに 身体は静かに沈んで
その冷たい水の中 記憶の影を覆う 気泡に触れた

身体中を跳ねる水滴 重ね合う唇のように 波状の記憶に 心絡まる
あなたはまだ眠りの中
静かに呼吸して その眼は まだ生きる事を知らぬ

風がそよぎ あの聲に導かれる方へ 辿り着く舟
葉の上で震える水滴 一瞬の風になびき 脆く落ちて行く
心 融けて 喪う 重ね合う唇 もうあの場所には戻る事もない

此処は黄泉の国 遥かなる花の紋様を映す 悠遠なる都
風がそよぎ その聲の満ちる方へ 行く舟
安らかな刻が流れ まるで誰そ彼の夢路
あなたは眠り その眼はまだ生きる事を知らぬ

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