臺灣と瀬田で數理生態學と妄想

翹首望東天, 神馳奈良邊. 三笠山頂上, 想又皎月圓(阿倍仲麻呂). 明日できることは今日しない

Debate

2009-07-22 22:55:00 | 研究
20年前に、日本の進化(生態)学者の間で熱い議論があったんですね。

戦略概念に対する量的遺伝理論からの再検討(pdf)
田中義成 v.s. 秋本信一/可知直穀/松田裕之/嶋田正和/曽田貞滋/杉山修一/高田壮則/山村則男

こんなにはっきりある理論やコンセプトを批判できるほどの「信念」、というよりも、「見通し」を持っている研究分野の引き出しがはたして自分に何個あるのか、なかなか厳しいところです。1、2個ですね。最近、自分の見通しの悪さに気付き、ひとつ減りました。

10年以上のスケールで起きる大きな流れを理解するのはとても難しいけれど、それがある程度分かると(自分でちゃんと理解できるかか、年配の人から教えてもらうか)、自分がすべきことがわかってくる。逆にそれが分からないのに適当に研究を始めると、よくて誰にも引用されない研究、最悪、どこにもアクセプトされない研究になってしまうのが怖いです。

ちなみに20年後の今の議論は、これですね。
エコゲノミクスは進化生態学をどう変えるか? 矢原徹一

しかし、自分の研究テーマとして関係するのはむしろ次の問題です。

「環境ゲノミクス(群集ゲノミクス)は海洋微生物生態学や生物地球化学をどう変えるか?」

みんな分かりやすい問題に流れますからね。一つの遺伝子と生物地球化学過程をつなぐことには成功しても、群集が集合として持っている遺伝情報を単に相加的ではなく、どうやって使ったらいいんですかね。

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