日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月20日】

2006-11-12 06:26:51 | Weblog
《釧路川 Ⅱ》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備  考
12 釧路川 154(内約20) 開運橋 細岡カヌーポート  易 動物に遭え、丸々自然、初心者にグー

 今日も長距離だから、夕べの残りのおかずやご飯を弁当箱に詰め、お茶も積み込み、昨日着岸した所から、800:スタート。
 カヌーポートの所で、テントを片付けているお方の姿が見えたので、パドルを振って挨拶、手を振って下さり、『早いですね!』と、お声まで戴いた。キット彼らも今日ここから下りられるのだろう。

 今日は長い距離だし、強烈な瀬はなく、穏やかな流ればかりだろうから、パドリング中心になりそうだ。少し向かい風なのが気になる所。
 ゆったりと下って行く。倒木が所々に有るけど、両側ばかりで、中央部分には障害物はほとんど無い。だが、中央はどちらかと言うと浅く、流れは遅い、岸寄りが深くても、流れが速い。特に、カーブのところは外側が流れが速いので、流れが変わるたびに右へ行ったり、左へ行ったりと、流れの速い方を求めて動き回る。
近寄ってきた牛達
 そんな中、五十石地区の牧場で乳牛の姿が見えた、近寄っていくと、牛も珍しいものが来たとこちらに2頭も近寄ってくる、パチリ!
 普通、昨日の鹿のように人間から離れたがるものだが、牛は賢いからなのか、好奇心が多いからなのか、近寄ってくる、人間に慣れているからだろう。楽しい出会いだ。
 おっと、鶴の顔が見えた。いや、鶴が首を伸ばして、こちらを見たのだ。20mほど先の木陰の向こう側、二羽見えた。その木陰の方へ進んで行くと、3羽の鶴が舞い上がった。頭のすぐ上を優雅に飛んで行く。昨日に引き続き、今日も鶴に出会えた。やはり釧路では夏でも鶴がたくさん生活しているし、それだけ自然が保たれているのだ。素晴らしい!鶴の飛び方はゆったりと羽ばたき、優雅で、実に美しい。満足!満足!
草を食む馬
 そこから暫く下ると、今度は馬の姿が見えた。近寄って行く、が、牛と違って、馬はそ知らぬ振り、子連れの母親であるにもかかわらず、こちらをちらと一瞥したけど何ら動じない。立派なものだ。
曇天の空の下、流れに任せてお弁当
 11時頃、空腹を感じたので、川幅は広いし、流れはゆったりだし、瀬もなさそうだので、座り込んで、昼にすることにした。カナディアンはこれが出来るから楽だ。カヤックだと、多分陸へ上がらないと食事もトイレも難しいだろうけど…。流れに任せて、回りを眺めながら、鳥の声を聞き、姿を見ながらの食事は真に楽しく、至福の幸せ感を感じる。

 鳥と言えば、この界隈には、シギのような鳥が割りと多く飛んでいる。見たことの無い鳥で、また調べておこう。写真も取れないので、記憶に留めないといけない。体色は雀、腹が白、翼は湾曲し、硬い感じ、大きさはヒヨドリ程度、これで分かるかなぁ?
水に埋っている木々
 釧路湿原の中を通っているのだが、今日は水が多いので、それが良くわかる。まるで、マングローブの様に木の根っ子の辺りは水の中、魚が木の幹をつついているかも知れない。
こんな所へは近づかない方が良い
 大分ゴールが近づき、岸が垂直に切り立ってて、今回の雨でも崩れ落ちたもよう、土も木も川に落ち込んだと思われる跡地を見て、崖に近づくと、崩れ落ちると危ないので、距離を置いて通過。
 そのすぐ後、頭の上から、可愛い女性の声で、『ヤッホー!』 『ヤッ~ホ~!』と、こだま返しをする、『楽しそうですね?』 『は~い、楽しいですよ~!最高で~す!』 『写真撮らせてください。』 『どうぞ、どうぞ!』と、少しポーズを作る。流れているので、彼女の居る橋の下をくぐる。『ここはどこら辺ですか~?』 『この向こうが、塘路駅ですよ~!』 『そうですか、ありがとうございます。』と、流れながらの断片的な会話。 

 昨日、自転車を置きにゴール地の細岡カヌーポートへ行っていた時、親子カヤックが到着したけど、彼らが塘路から来たと言っておられた。細岡より一駅、北側だ。やはりゴールは近い。暫く進むと、「塘路:細岡まで6km」の表示板。釧路川は所々にこのような案内板があり、カヌー人口の多い証拠、そして親切心の表れ、ありがたいことです。
兄弟のキタキツネ
 そのすぐ後、岸辺に茶色いものが見えた、『あっ、犬だ!』と、思ったけど、いや違う!『キツネだ、キタキツネだ!』何と、良かった、キタキツネにも出会えた。近寄っていく、カメラを出す。パチリ!
 また近寄る、一匹は眠っている。一寸大きい方はこちらを見ているが警戒心は余りなさそうだ。まだ、近寄る。何と、岸にバウをつけてもまだじっとしている。パチリ!
これほど近づいたが彼らは逃げなかった
 手を伸ばすとついに逃げた。もっとゆっくり眺めれば良かったと、手を伸ばし、恐れさせたことを反省!彼等は犬じゃない、手を出しても餌をくれるんだとは思わないのだから…逃げたんだ。

 その場から、500mほど下ると人の声、ゴムボートに数人乗っている。『こんにちは~!』と、近づいていく。『こんにちは!どちらから?』 『今日は標茶から、』 『早いですね?』 『朝早く、出ましたから、釧路川は素敵ですね!すぐ向こうでキタキツネを見ましたよ!何釣ってるんですか?』『ザリガニ!』 『えっ~!』
 2時○○分の列車に乗りたいので、早々とお別れし、ゴールへ向う。
細岡カヌーポート
 そうなんです、昨日、自転車をゴールへ置いてはいるけど、車への距離は30km余り、これを自転車で帰るのは、登り坂も多く、高低差も大分あったので、列車で帰ることにしようと思っているので、数少ない列車、2時○○分に何とか間に合いたい。○○を覚えていないので、早く着かねばいけない。ただ、記憶の中には○分ではなかった。
 おっ、ゴールが見えた。やれやれ、付いたぞ~!

 1405:着。急ぎ邪魔にならない所へ上げ、駅へ急ぐ。駅はすぐ近く。水の入った靴をぐちゃぐちゃ言わせながら、急ぐ。
 時刻表を見ると、○○は15だった。『おー、良かった、間に合った。』靴の水を流し出し、ずぼんも濡れているけど、仕方ない。駅で待ってるお嬢さんに『どこから来られたの?』 『奈良です』 『おー、遠くですね!』 『おじさんは?』 『私はもう少し遠いいんですよ。広島県の福山です。カヌーで川下りしながら、日本一周しているんです。』 『あぁ、それで、靴から水が…』そこへ列車が入ってきた。何といっぱいの人、満員だ。デッキまで立っている。

 大きなおなかを抑えている妊婦さんがデッキで立ち座りしていた『大丈夫ですか?』 『ええ、大丈夫です。』隣の駅「塘路」まで、結構長い時間、川は6kmだったが線路も大体並行して走っている。このあたりは無人駅に、ワンマン列車で、1両だけの可愛い列車。
 塘路着、奈良の女の子も降りる、『もう降りるの?』 『ええ、「ノロッコ」に乗るためにここへ来たので…』 『では、楽しい旅にしてください。』 『おじさんも気をつけてね。』 『はい、ありがとう。』と、別れた。その後、お客さんが降りるは、降りるは、何と団体さんがここで全員降りてしまった。キット同じトロッコ列車に乗って、釧路へ帰られるんだろう。どんなトロッコ列車なのだろうか?

 ようやく、がらがらになり、全員が座れた。4つ目が標茶駅。駅前の地図を見ると、まっすぐに300m進むと、車が待っている「開運橋」だった。列車のお陰で早く、楽に帰れた。
 すぐ、車にエンジンを掛け、出発。ナビで細岡へ。

 大分近づいたとき、歩いているお二人、何となく似ている、少し行過ぎたけど、車を止めて待つ、が、彼らは車の50mほど後ろの道を左に曲がろうとされた。降りて小走りし、『一寸お尋ねしますけど、先ほど橋の上からお声がけ戴いた…』 『あら、あの方?』 『あぁ、やっぱりあの時の?ピンクのシャツが何となくそうじゃないかと思って…』 『まぁ、奇遇ですね。』 『そうですね、この広い北海道で、また、お会いできたなんて…、』ご主人もニコニコしておられる。10分程度話し合い、名刺の交換、東京は中野のヨーガをやっておられる子松さんご夫婦だった。まさか、お会いできるとは思っていなかった。でも、会えたら写真戴けるかも、と、わづかながらだが、期待はしていたのが実現した。うれしい限りなり。やはり「思いは通じるもの」をまたも実感した。

 ナビに任せて走る。所が、昨日、そうだったので、分かっているのだけど、ナビは細岡駅辺りをセットしているけど、少し手前の「達古武キャンプ場」へ導いてくれるので、無視しなければいけない、が、もしこれを無視したらどうなるか楽しみにした。「次を右へ」と、案内されるが、細岡はまっすぐだから、そのまま進む。ナビはリルートする。それを見てた。右へ行けば3kmで達古武なのだけれど、少し通り過ぎてリルートしたものは「残り50km」と、出た。よく見ると一度釧路へ行きそれから大回りし、もう一度達古武へ行くルートになっている。余り面白いので、笑ってしまった。ナビはUターンはできないようだ。余りにおかしいので、笑っている内に、実は細岡へ右折する場所を通り過ぎて、暫く走ってしまっていた。おかしいなぁ、おかしいぞ~と、思いつつ走り、「遠矢」の文字、『おっと、やっぱり通り過ぎた!』と、Uターン。車はUターンできるのだぞ~!何と6kmも行き過ぎていた。ナビへの笑い、実は自分への笑いだったかも…。

 カヌーの所へ帰り、積み込みしていると、3人の若者。網を持っている、釣りをすると言っている。『何が釣れるんですか?』 『ザリガニ!』 『えっ、ザリガニ?何するんですか?』 『子供達に釣りをさせるんです。』 何と彼らは幼稚園の保夫母さんたち、子供達のためにやってきたようだ。ご立派、ご立派!この方法、戴き!だ。
 それにしても、さっきもザリガニ釣ってたし、ここでも…。ここはキット、ザリガニの宝庫なのだな。

 釧路へナビをあわせ、向う。さて、今夜はどうしようかな?もう、4日分書き込んでない、忘れそうだから、何とかしなくては、が、温泉はなさそうだし、釧路川の橋の下は、入れなかったし、今夜は大枚払って、民宿にしようかな?と、PCで電話帳を調べると、7軒ほどの民宿が表示、一軒目は満室、二軒目も満杯、3軒目は『今から?まあ、良いでしょう。おいでなさい。いつ頃になりますか?お名前は?』等など。PCの地図を見るが分かり辛い、まあ近くまでナビに任せる。
 近くまで行って、コンビニで訪ねる、丁度「福山通運」のトラックが止まっていた。その人が「民宿ファミリーハウス」はこれこれです。と、教えてくれた。『あなた福山通運、私、福山から来ています。』と、礼と共に話して、急ぐ。

 その民宿は一寸分かりにくく、すぐ前まで来て、玄関の前の路上で、焼肉家族パーティーやっているお家の人にお聞きする。『そこです。』と斜め前を指差された。看板には「佐藤工業」と大きく書かれていた。実は、この二階が民宿になっていたのだ。分かりにくい筈だ。
 もう、暗くなっていたが、食事も作ってくださっていた。ありがたいことだ。

 この日は釧路の花火の日、『ここの駐車場から花火が見えるのよ!』とのこと。音がどんどんと聞こえてくる。おっかさんにお聞きした『この辺は玄関先で焼肉パーティーする習慣があるんですか?』 『あれは花火を見るためなんです。』 『やっぱり、そうか!』と、納得。でも、北見市でも同じ光景を二ヶ所も見た。これも面白い、楽しい簡単な喜びの方法だぞ!これも戴き!だ。
 全国、どこででも、こんな楽しいこと、されれば良いだろうなぁ。庭が無くても、表へ出れば良いのだ。実に簡単だ!
《民宿ファミリーハウス泊》

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