日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 9月17日】

2006-12-11 07:23:49 | Weblog
《阿賀野川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備   考
24 阿賀野川 210(内約10) 発電所 道の駅「阿賀の里」  易 ダム間なので、比較的水量もあり、景観を楽しめる

 高田橋の290号線側を南下、途中、7号線に合流し、新発田市でまた、290号線に入り、阿賀野川へ近づき、道の駅「阿賀の里」へ行く。何と、ここが「阿賀野川ライン舟下り」のゴール地点。川面を見ると、雁木風になっていて、舟下りの舟以外にも舟をつけるところはいっぱいある。よ~し、ここへ上がろう。キ・メ・タ!
 だが、不思議なことが有る。どうして、「阿賀野川ライン舟下り」なの?と、聞きたい。「ライン」は「ライン川」を下るから「ライン下り」なのだが、阿賀野川を舟下りするのだから、「阿賀野川舟下り」でないとおかしい筈だが、阿賀野川とラインと二つの川の名が重なっている。変なの?!それもドイツ語の片かな。他所の川でも単に「ライン下り」となっている所がある。日本の「ライン」ってどこだ?と、日本国中の川を探さなければならない。ここのように、阿賀野川と付いていればまだ「阿賀野川」流域だと分るのだが・・・。
 昔から、「日本人の物まね上手」と、言われる筈だ。でも何だか真似の仕方が間違っているぞ~!

 出発地を求めて、上流へ。先ずは、舟下りの出発地へ行くと、丁度、高校生の団体が出発する準備中。川面へ降りてみるが。カヌーを下ろすのは少し難しい。それとよそ様の敷地を通ることになるので、やはり躊躇(ちゅうちょ)する気分があり、別を探すことにした。
 そこから500mほど上流に、発電所があり、その変電所に向ってやはり立派な道がついている。下っていくと小さな(失礼!)村落があり、若いお母さんが子供と遊んでいた、中々の美形、お聞きすると『この道を右へ曲がって行くと階段があり、それを降りると川面へ行かれます。もう一つは、変電所の方から下りて行って、釣りをしている人がよく降りているから、そこも下りれる筈です。私は行った事無いけど…。』

 すぐさま、階段の方へ行ってみるが、長らく人が通った形跡も無く、細いし草も両方から襲ってきて歩きにくいので、一寸厳しい。
 では、釣りの方はと行くと、かすかながら、けもの道のようなのがついているけど、草に覆われている。草を掻き分け、掻き分け、行ってみると、岩場に出て、川面へ行けれる。少し距離は有るけど、困難ではない。
草地を分け入り運ぶ
こんな坂を降ろして行く
 よし、スタートはここに決まり。早速、カヌーを降ろし、70mくらい運んでおき、車をゴール地へまわす。途中トンネルがあり、点灯。実は、これが後で問題になった。

 ゴール地の大きな駐車場に車を置き、昼ご飯を木影の涼しい所で食べ、自転車で上流へ。このコースはそれほどきつい瀬は無いので、自転車をカヌーに乗せて帰ることにする。
 1250:スタート、すぐに発電所の吐き出した水が流れ込み、気持ちよい流れを作ってくれる。
発電所を川から見る
 それに乗って、楽チン楽チン。舟下りの出発地の前を過ぎると、可愛い瀬。
 ここ阿賀野川はダムが多く、「阿賀野川ライン舟下り」もダムとダムの間を運行しているのだそうだ。
 ここも、下った舟は強力なエンジンでそのまま川上りして帰る方法を取っている。
 お客さんを乗せた観光舟が私を追い抜いていく、手を振って挨拶、お客様も奇異な目で?またはうらやましそうに?見てくれている。今朝、スタート地へ来たときには、高校生のグループ、バス2台分がお客さん、そして今も・・・。キットその間にも何度も下ったことだろう、結構忙しく、次々とお客さんが舟遊びを楽しんでおられるようだ。川下だりが如何に楽しいかを堪能(たんのう)していただきたい。尤も、自分でやるカヌーの方がもっともっと楽しいのだけどなぁ。

 カヌーと言っても、カナディアンは比較的誰にでもできるカヌーだと、私は思っている。カヤックで、エスキモーロールをしなければならないと言うと、誰にでもできるという代物ではない。私もカヌーに長年乗ってると言ってもカヤックはほとんど乗っていないから、当然ながらエスキモ-ロールなんかできない。チャレンジはしたけどまだできないでいる、その内マスターしよう。
 カナディアンはその点でも非常に楽に、その気さえあれば、誰にでも即できる。そして、より安全なカヌーなのだ。色々な舟の中で、カヌーと言う舟は一番沈しやすい舟。中でも、カヤックは特にバランスが難しく沈しやすい舟。それは楽しみでも有るのだけれど、それだけに、エスキモーロールと言う方法が編み出された訳だが、これは練習が必要だ。最も、カナディアンカヌーでエスキモーロールする方法があり、アメリカでは、上級技術の一つに加えられているのだが…。カヤックでは体を舟の中に滑り込ませているので、沈すると、カヌーの下敷きになるので、エスキモーロールで起き上がるか、ロールができない人は、体を抜け出させなければならない、これが少し難しく、時間も掛かる。が、カナディアンは舟に乗ってるだけだから、もしひっくり返っても、体は舟の下敷きにならないで、顔は水の上に出ているから安全だ。また、ひっくり返ること自体、滅多に無い、カナディアンはオープンデッキなので(カヤックのようにクローズドデッキもあるが)、上から水が入って水舟になることはある。が腰辺りまで水が入ってもまだ沈没しないで浮いているので、漕いで岸につけることもできる。それと、度々あったけど、カヤックは瀬の所から出発するときにポンと飛び乗ることはできないから、スタート地点も制約されるようだ。また、途中で岩などに飛び降りることができないからそんなときにはどうするのだろうか?そんなことでもカナディアンはずっと、便利だし、安全なカヌーだ、と私は愛用している。

 「御前ケ鼻」「米倉石」「コッパ岩」など過ぎると、帰り船が下から上がってくる。ここも左側通行らしく、ぐっと左へ舵を切られた。深いところへ進んだだけなのかもしれないけれど、合わせてこちらは右へ寄り、すれ違う。手を振るとクルーが手を振った。
 深い所でのすれ違いのときに出来る引き波はそれほど大きくはならないのだが、浅瀬のさざ波が立っているような所では、結構大きな引き波になるので、クルーが『波が大きくなるよっ!』と、大きな声で知らせてくれた。船にとって、元来、横波はうれしくない代物、特に、カヌーにとっては横波は大敵、避けるようにしないとヤバイ。川下りでも横流れはヤバイ!小波は大丈夫だけど、中波以上は横転の原因になりやすい。引き波に直角にカヌーを向ける。

 またまた、帰り舟が上って来る。やはり、お客さんは多い様で、この商売、中々流行っているようで結構なことだ。
 この阿賀野川、予想通り、大きな、厳しい瀬は無いけれど、まあまあの瀬がいくつかあり、初心者には持って来いの川下りゲレンデと言えるだろう。
 いつも船がエンジン音をならして通っているので、鳥の姿も非常に少なく、残念ながら、その点が一寸、寂しいし、物足りない部分はあるけれど、舟下りのお客さんと手を振り合ったり、できることも楽しいものの一つだ。
 そんなゆったりした気分で進んでいると、ゴールが近づくが、それはダム湖に入るようになり、流れが無くなる。
 下見の時、上からは気が着かなかったけれど、水辺から見ると、丁度、水面への坂道が見え、予定より、100mほど手前だが、その場所へ付けた。
 1440:着岸。その坂道は車が下りれる幅も十分だ。ありがたい。

 車のエンジンを掛ける。回らない?『あれ?ウンもスンも言わない』もう一度スターター。駄目!ふと見ると、前照灯のスイッチが入っている。『やったー!バッテリーがあがった~、やれ困ったの~。トンネル通った時、消し忘れたんだ。』すぐに引っ張ってもらえるように、バックさせて、車を前向きにしておこうと、一人で車を押してバックさせ、ハンドルを切って、何とか目的通りにできた。と、簡単に書いているけど、少し坂になっているので、力いっぱいバックに押しても、車は前へ進もうとする。それに抗してやるのだから、そうは言っても大変なことだったのだ。

 そのすぐ後に、丁度、ここ「阿賀の里 楽市じぱんぐ」のじいちゃんの軽トラが通りかけたので、お願いし、引っ張ってもらった。今度はロープを切らないようにちゃんと説明し、引っ張っていただき、一発で掛かった。やれやれだ!しっかり充電できるまで、うっかりエンジンを切らないようにしなければならない。
 無事、カヌーも自転車も積み込み、次の魚野川へ向けて出発だ。

 途中、道路端に「大沢清水」「大沢鍾乳洞」等の看板、早速水を汲み、これで当分、大丈夫だ。
 ほとんど目的地へ到着する前に、食事の準備にとスーパーへ寄る。『さて、今夜は寒そうだから、出てから始めてだけど、おでんでも作ろう。』と、材料の仕入れ。近所のおばちゃま『福山から?広島でしょう?!遠くから来てるのね~?』 『え~、良くご存知でしたね。福山が広島県だって?』 『この近くに福山と言う地名があるのでね~。』 『日本一周ですか?今、どれ位になるんですか?』 『家、出てから、100日過ぎましたね。』 『え~、それで、いつ帰られるんですか?』 『もう、一ヶ月くらい先ですね。』 『で、この魚野川へ来られたんですか?』 『そうです、ここが素晴らしい川だと知ったもので、来させていただきましたよ~。』 『魚野川来てくださって、うれしいわー!』お店のご主『何か車が違うと思ったら、そうなんですか?川下りで日本一周されてるんですか?』 『ハイ、そうなんですよ。こうして、各地で色々な人とお話しが出来るのが、この一期一会がすごく楽しいです。それと、各地の食べ物、福山で手に入らないものを見つけた時が嬉しいですよ~。』帰るとき、バックミラーを見ると二人のご夫人が外へ出てじっと見送りしててくださり、手を振ると高く手を上げて大きく振って下さった。

 それから、5分もしない内に、「旅本」に出ていた、堀の内町の「宇賀地橋」へ到着。先ずは、テントの場所確認、上陸地の確認、どちらもOK!早速、テントを張る。おでんを作る。美味しく出来るまでの間、冷奴と大根の千切りでいっぱいやっていると、もう秋の虫の声が始まった。あぁ、もうこんな時節になったのだ。テントのすぐ外で鳴いている、綺麗な可愛い響き。家では絶対に聞くことの出来ない音色、少々「感傷的に・・・!」は、ならないかっ!
 空には星がいっぱい出ている。これも美しい!目が悪いから、残念だがぼんやりとしか見えてないけど…。

 9時頃、体の方は酒が回り半分出来上がっており、おでんも美味しく出来上がった。今日も幸せな一日であった。『ありがとう。』誰に言うともなく、独り言だが、思わず声が出た。
《魚野川宇賀地橋泊》

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