日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 7月28日】

2006-10-18 04:41:57 | Weblog
《北上川 Ⅱ》
 
番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備  考
17 北上川 249(内約15) 紫波大橋 銀河大橋  

 朝、ゆっくりと起きだし、夜中に雨が降っていたが、止んだ。明るい、今日も晴れそうだ。
 すぐ近くの、紫波町総合体育館へトイレを使わせていただきに、行く。入り口に大きな白い雌雄の鹿と小熊の剥製が飾ってある。側にいたおばちゃんに『昔はこの辺にこんな鹿が居たんですね~?』と、問いかけると
 『昔じゃない、今も居ますよ。これはカモシカで、里にも時には出てくるし、山へ行けば幾らでも見れるよ!』驚いた。そうなんだ。この辺には、今でも、こんな素敵な野生動物がいるんだ。『へー、見たいもんですね!』 『その辺の山へ行けば見れるよ!』 『そうなの!残念だなあぁ、私は川へ来ているで、山へは行けないな~!』
カモシカの剥製
 今日はゴールへMTB置かないで、カヌーに積んで行こう。昨日の調子では、それほど難しい所は無いだろうと高をくくり、自転車を簡単に積み込み、簡単にロープをかけて、一安心?

 さあ、出発。1105:
 すぐは、トロ場なので、一寸早いけど昼弁当にした。今日のお昼は、いわしの缶詰め、きゅうり一本、ナス一個に塩とマヨネーズで丸かじり。ご馳走じゃないけど、栄養は大丈夫だろう。今の日本人はグルメグルメと言って、ご馳走ばかり食べている。栄養を取りすぎて、肥満になっている。病気の元なのに…。昔から言われている言葉に「腹八分目 医者要らず」と。今は、「グルメグルメで腹いっぱい、ご馳走食べて、医者通い」だ。
 今日は昨日と違って、向かい風が吹いている。これはきついし、時間がかかるぞ~!瀬は余り無い、だからどうしてもパドリングが多くなり、時々、向かい風のブローが来る、中々きつい。手を休めると、ほんの少~しは下っているけど、泡や木の葉などはどんどん追い抜いて行く、昨日はそれらを軽く抜かして、下ったものだが、やはり風の影響は大きい。

 皆様はよく『雨が降っていかんでしょう!』とか『雨でいけませんね~!』など、気遣って下さるのだけど、実はカヌーにとっては、初めから濡れることは当たり前、ドライでは居られない遊び、それだから、雨が降っても何ら問題ない。が、風は違う、特にカナディアンは、風の影響をモロに受けて、バウ(船首)を風に振られ、まともに進めない。だから、雨よりは風が大敵。でも、私のカヌーは風があるときはセーリングが楽しめるので、超便利なのだけれども…。浅い・狭い川ではそれはできないけれど…。
 そうこうしている内に、3時になった、もう4時間近く漕いでいる、が、まだ、ゴールが来ない。左岸でご夫婦らしきお方が、水の中に入って、スコップで何か仕事しておられる。『こんにちは、何しておられるのですか?』 『畑に水を汲み上げるために…』 『あっ、そうですか?ところで、銀河大橋はまだ先ですか?』 『いんや、もう少しだ~!』 『ありがとうございます。』

 それから、しばらくすると、最初のオレンジの橋が見えた。『やれ、近づいたぞ!』その後ろにピンクも見える。間違いない。もうすぐだ。所がグリーンの下、結構、波立っている。『おっ、楽しそうな瀬!ど真ん中、行ってやれ!』と、突っ込む。と、大きな波に、カヌーは大揺れ、ガタッ!と言ったかと思うとMTBがグラッと傾き落ちかけた、ヤバイと瞬時に身体を前にやって、タイヤを掴んだ。かろうじて、落とさなかったけど、半分落ちかけている。舟はまだ流れや波に翻弄されている、ヤバイ!カヌーが横向きになった。右手でパドルを操作するが、片手では、この流れの中、ほとんど効果が出せない、流されっぱなし、翻弄されっぱなし、なすすべも無い、何とか重心を下げて、翻弄を少なくするのが精一杯、MTBから、手は離せない。もし、MTBが落ちたら、絶対沈する。MTBがアンカーになり、カヌーを掴んではいても、波にもまれ、もし手を離すと、カヌーは波間に残り、私は流される。近くの岸に着いたとしても、そこへカヌーや自転車を取りに行く手立てが難しい。絶対に、自転車を落とせない。沈もさせられない、片手ではコントロールも難しい。運を天に任せて、川の流れに身を任せるしかなかった。暫く流されて行き、少しづつ、波が小さくなり、激流から遠ざかり、トロ場に入りかけた、ようやくセンタースオートを超えれる穏やかさになり、バウ側へ移り、落ちかけていた自転車をきちんとカヌーの中央へ納め。『やれやれ!の、ほっ!』

 また、定位置へもどり、やっと正常なカヌーイングが出来るようになった。
 「フー!」と、大きく息をついて、『危なかったな~、危機一髪だったな~、昨日の調子で行けると、舐めてかかり、自転車をきちんと収めないで、ロープもいい加減にしか使っていなかったから、こんな危ない目にあったのだ。馬鹿やろー!』と、自分に言い聞かせた。

 その超ヤバかった瀬が過ぎると、目の前にブルーの銀河大橋が見えた。やれやれゴールだ。
 1602:着岸。4時間57分の川下り。今までで一番長かったのではないだろうか?さて、これからMTBで20km近くの道のりだ、頑張るぞ!

 所が、今まで、川は向かい風だったから、帰りは追手の風、それほど吹いていないけれどやはり楽、スイスイ~のスイだ。少々の登りも、トップギヤのまま登れる。ほとんど毎日自転車に乗っているから、少しは脚が強くなったのかな?
 前から、自転車の高校生がやってきて、会釈した。こちらもすかさず『こんにちは、お帰り!』と、挨拶した。犬の散歩の人や自転車ですれ違う人、歩いている人にはできるだけ私は声を掛けているが、向こうから先に会釈されたのは初めてだ。素敵な高校生だ!
 自転車では、結構早く帰れて、67分程だった。

 今夜も紫波大橋の下で寝ることにした。三日目だ。今まで同じ所で、二晩はあったけど3晩は初めてだ。
 今日は遅くなったのと、草も無く土の上なのだけれど、ほとんど平らで、寝心地が結構良いし、もし雨が降っても大丈夫だし、すぐ近くに総合運動公園もあり、スーパーなども割りと近いし、環境も良い。ここはすごく良い場所だ。

《紫波大橋下泊》

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