高校入試と「多角形の定理について」
角度についての重要な性質(=定理)について、説明の仕方を学習します。
定理についての説明とは、それが正しいことを証明することを意味します。
「対頂角は等しい」 ということについては前回説明したので今回は、
他の角度についての重要な性質について説明(証明)していきましょう。
◎ 定理: 三角形の内角の和は180°である
〈証 明〉
図のように、△ABCの頂点Aを通りBCに平行な直線EFを引く
このとき、 ∠EAB=∠ABC であり、 ∠FAC=∠ACB である (平行線の錯角) ―― ①
∠EAB+∠BAC+∠FAC=180° (直線の角度は180°) ―― ②
①②より、 ∠BAC+∠ABC+∠ACB=180°
である ・・・ 証明終わり
◎ n 角形の内角の和は 180×(n-2)° である
〈説 明〉
図のように、多角形に対角線を引く
すると、
四角形には三角形が2つ
五角形には三角形が3つ
六角形には三角形が4つ できる
また、 三角形はそれ自体で1つ と考えられる
このことから、それぞれの多角形の内角の和は
三角形 ・・・ 180×1=180°
四角形 ・・・ 180×2=360°
五角形 ・・・ 180×3=540°
六角形 ・・・ 180×4=720°
つまり、多角形の内角の和は 180°×(多角形内にできる三角形の数)
で表すことができ、さらに
(多角形内にできる三角形の数)=(多角形の辺の数)-2
で表すことができるので、
n 角形の内角の和=180×(n-2)
となる・・・ 説明終わり
◎ 多角形の外角の和は360°である
〈説 明〉
図のように、多角形の内角と外角との間には
「1つの内角とそれにとなり合う外角との和は180°になる」
という関係があることから、四角形では
「1つの内角とそれにとなり合う外角」の組が4つあるので、すべての組の角の和は
180×4=720° ―― ①
そこから内角の和を引けば四角形の外角の和を求めることができる
720-180×(4-2)=720-360=360°
同じように、五角形では、
「1つの内角とそれにとなり合う外角」の組が5つあるので、すべての角の和は
180×5=900°―― ②
そこから内角の和を引けば五角形の外角の和を求めることができる
900-180×(5-2)=900-540=360°
「1つの内角とそれにとなり合う角の組は多角形の辺の数に等しい」 ことがわかるので、
七角形では、
180×7-180×(7-2)=1260-900=360°
よって、n角形の外角の和は
180×n-180×(n-2)=180n-180n+360=360°
となる ・・・ 説明終わり
◎ 三角形の外角はとなり合わない内角の和に等しい
〈証 明〉
図のように、△ABCにおいて、頂点Cを通りABと平行な直線を引く
このとき、 直線とACがつくる角=∠a (平行線の錯角) ―― ①
また、 直線とACの延長線がつくる角=∠b (平行線の同位角) ―― ②
①②より、 x =a+b であり、このことは頂点A, B についても成り立つ
よって、 三角形の外角はとなり合わない内角の和に等しい ・・・ 証明終わり
このように、 「定理」は決まりごとではないので、正しいことを説明、または証明します。特に、
証明問題ではこの作業を行い、どうしてこのような答えを導き出したかがわかるようにしなければなりません。
〈演習問題の答え〉
2直線と平行な補助線を引くのがポイント!
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