二人のピアニストに思う

gooニュース、注目のトピックスで「フジ子ヘミングがNHK斬り」を見て自分でもブログを作り、発言したくなった。

日本の技術者評価

2012-10-04 03:30:42 | 歴史

追い詰められた産業立国」という新聞の特集記事があって、
その冒頭の、 「技術者評価、日本は不当」
という話題の部分だけが、9/26日の朝刊一面に掲載されていた。

その内容は、サムスングループの薄型テレビの部材開発部門
  をほぼゼロから育てた森脇健(61)の紹介、である。
日本の大手素材メーカーで開発部門の担当者だった森脇は
  薄型テレビの画面表面を処理して画質を高める
  「フィルター」開発の第一人者。
  世界初の日本メーカー製大型プラズマデイスプレイに
  技術が採用されるなど、薄型テレビ開発の貢献者
  として知られた存在。
その森脇が、24年間働いた日本の会社を
  定年も迫っていた2005年に退職して、渡韓した理由が、
  この記事に述べられている。

退職する一年ほど前から接触してきたサムスンが
  社長や幹部が来日して口説いたり、
  5年契約で年俸が大幅に増え、専属秘書と運転手が付き、
  住居や帰国費用はすべて会社が負担、などの
  条件の良さも魅力があった。
例のY君にも現役時代に似たような話があって、提示された
  「王公貴族の暮らし」を彼が独断で断ったのを
      後に知った細君が怒った経緯は、
       以前にブログに書いた通りだが、
  欧米と異なり、少し前までの日本では
    ある程度の年齢になって外国に移るのは
  一般的でなかった。

しかし、森脇の場合は、サムスンの引力に対して、
  引きとどめようとする引力に大差があったことが、
  この新聞記事に書かれている。 つまり、
「森脇には、技術者が正当に評価されない日本企業
  への不満があり、それが渡韓へと背中を押した

         経緯が、この記事にある。
その結果、サムスンは僅か3年で、日本企業に頼っていた
  基幹部品の内製化に道を付けた。

開発部門出身の役員が居なかった森脇の会社に限らず、
  日本では科学・技術者に対する評価が不当に低い
  のは、折に触れ、書いてきた:
   ▲ 日本人四人のノーベル賞受賞:[A-90]
   ▲ ノーベル賞受賞者と文化勲章 :[A-91]
   ▲ 日本の非理系風土:[A-99]
   ▲ ノーベル賞と文化勲章:[A-120]

開業医、弁護士、証券、金融などに比べて、科学・技術
  の分野で働く人は、日本では社会的処遇が低い。
  此処半世紀の間に日本の経済的優位を築いてきた
  働き蜂が最も処遇が悪いのだ。
大分前から、学校では出来の良い生徒は理系に行かない
  のが常識になった。 当然の成り行きとして、
  産業技術のレベルも低下して、韓国企業などでも、
  最近は日本の電気メーカーからの引き抜きは急減
  していることが、この新聞記事に書かれている。
  人材会社によると、韓国企業の人材引き抜きの対象は
  日本にまだ競争力のある素材分野に絞られているらしい。

すべては、我々が心配していた通りであり、
  メデイアにもその通りに書かれるようになった。 しかし、
  政治家、官僚達には未だ事態の深刻さが
  理解できない
、ようだ。

これは言うならば、一つの事故である。 キャズ君が
   ▲ 事故の「日本文化原因説」:[C-290]
              に言う通り、
この事故を引き起こしたのは、「日本文化」、である。
第三次内閣改造で野田政権の文科大臣が田中真紀子
  となったのにも、それが良く現れている。

嘗ては人類文明の頂点に立っていた、メソポタミア、
  エジプト、ギリシャ、などの現状を見ると、
  日本の未来がどうなるのか、まことに心配である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。