図書館の新着書展示棚に、
「形の生物学」(本多久夫著、NHK出版)、
を見て、パラパラと立ち読みしているうちに、興味が募り、
借り出してきて読んだ。
実は今までは、新着書は一定期間は貸し出さぬものと
独り決めに思い込んでいたので、その場で借りることが
出来たのも、受付係に一声かけたお陰で、付いていた。
何時もは、書評などでひと様の意見を読んで、未知の本を
知るのだが、この様な次第でこの本に出会ったのは、
図書館を覗く癖があるお陰であり、
図書館を覗く癖がついたのは、豪邸に住めない
貧乏暮らしは自宅に本を置くスペースが無いためであり、
こうして辿ると、この本に出会ったのは、
ある種の必然性というか、運命的というか、の流れ
の中で生じた出来事だった。
★ ★ ★ ★ ★
何故、冒頭から、こんな話をしたかというと、今までに
私の仲間たちのブログには、何か人間の知恵を超えた、
「神の意思」とでもいうのか、若いころに信じていた
唯物決定論的な思考法と反する感じ方が、
時折書かれている。
常識では考えられないような、 不思議な人との出会いとか、
実生活の中での、稀有な出来事の体験を通じて、
老齢に向かうと共に人生観が変わってきたことが、
共通して書かれている。
ところが、この本は、その様な考え方に水を掛ける本で、
久しぶりに、その辺を考え直す機会を得たのだが、
その本との出逢いも、運命的と感じたのだ。
私は学生時代には生物学は嫌いだった。
動植物の名前を覚えたり、分類法を暗記したり、
ということが苦手で、
論理とは無縁に只管記憶するだけ、という学科目
として、 博物学と地理学は嫌悪していた。
著者の本多氏は1943年生まれで、京大物理学科卒業だから
キャズ君の分類では、戦後派である。
(▲65年間の回想(10)世代論:[C-226]、参照)
著者は間違いなく生物学者であるが、
この“物理学の基礎がある、”ことと、
“団塊の世代以前の戦後派”であることが、
私らのような、元技術屋老人に納得のいく話を展開
するうえで、本質的に作用しているように感じる。
★ ★ ★ ★ ★
本書では、生物体の内外を分ける境界の袋構造に着目して、
その作用を解説し、地球上に現存する多様な生物種が
どのように進化してきたかの歴史を説明している。
進化というのは何か神秘的な現象で、例えば、昆虫の擬態
などは偶然の進化の結果とは、とても思えない。
しかし、この本を読んで、その様な事実を
どのように理解できるか、 が良く分かった。
生物学は、「価値観を内蔵する自然科学」で
進化は、「行き当たりばったり」、である、
とする、この著者の主張は、大変に説得力を持つ。
この様な「自然科学的説明」で、驚くべき多様な生物の姿が
説明できるのだとすると、私らの仲間が駆け込んだ、
「神の意思」、とでもいう感じ方、
には、問題があるのではないか、・ ・ ・
と考えながらこの本を読んだ。
但し結論的に、私は、この著者も、私らの年齢になった時に、
現在の私らの仲間の言うことを納得するのではないか
と思うのである。
「形の生物学」(本多久夫著、NHK出版)、
を見て、パラパラと立ち読みしているうちに、興味が募り、
借り出してきて読んだ。
実は今までは、新着書は一定期間は貸し出さぬものと
独り決めに思い込んでいたので、その場で借りることが
出来たのも、受付係に一声かけたお陰で、付いていた。
何時もは、書評などでひと様の意見を読んで、未知の本を
知るのだが、この様な次第でこの本に出会ったのは、
図書館を覗く癖があるお陰であり、
図書館を覗く癖がついたのは、豪邸に住めない
貧乏暮らしは自宅に本を置くスペースが無いためであり、
こうして辿ると、この本に出会ったのは、
ある種の必然性というか、運命的というか、の流れ
の中で生じた出来事だった。
★ ★ ★ ★ ★
何故、冒頭から、こんな話をしたかというと、今までに
私の仲間たちのブログには、何か人間の知恵を超えた、
「神の意思」とでもいうのか、若いころに信じていた
唯物決定論的な思考法と反する感じ方が、
時折書かれている。
常識では考えられないような、 不思議な人との出会いとか、
実生活の中での、稀有な出来事の体験を通じて、
老齢に向かうと共に人生観が変わってきたことが、
共通して書かれている。
ところが、この本は、その様な考え方に水を掛ける本で、
久しぶりに、その辺を考え直す機会を得たのだが、
その本との出逢いも、運命的と感じたのだ。
私は学生時代には生物学は嫌いだった。
動植物の名前を覚えたり、分類法を暗記したり、
ということが苦手で、
論理とは無縁に只管記憶するだけ、という学科目
として、 博物学と地理学は嫌悪していた。
著者の本多氏は1943年生まれで、京大物理学科卒業だから
キャズ君の分類では、戦後派である。
(▲65年間の回想(10)世代論:[C-226]、参照)
著者は間違いなく生物学者であるが、
この“物理学の基礎がある、”ことと、
“団塊の世代以前の戦後派”であることが、
私らのような、元技術屋老人に納得のいく話を展開
するうえで、本質的に作用しているように感じる。
★ ★ ★ ★ ★
本書では、生物体の内外を分ける境界の袋構造に着目して、
その作用を解説し、地球上に現存する多様な生物種が
どのように進化してきたかの歴史を説明している。
進化というのは何か神秘的な現象で、例えば、昆虫の擬態
などは偶然の進化の結果とは、とても思えない。
しかし、この本を読んで、その様な事実を
どのように理解できるか、 が良く分かった。
生物学は、「価値観を内蔵する自然科学」で
進化は、「行き当たりばったり」、である、
とする、この著者の主張は、大変に説得力を持つ。
この様な「自然科学的説明」で、驚くべき多様な生物の姿が
説明できるのだとすると、私らの仲間が駆け込んだ、
「神の意思」、とでもいう感じ方、
には、問題があるのではないか、・ ・ ・
と考えながらこの本を読んだ。
但し結論的に、私は、この著者も、私らの年齢になった時に、
現在の私らの仲間の言うことを納得するのではないか
と思うのである。