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「あみん」再探訪~初々しさの中にも上手さとパワーを感じさせる女子大生デュオの歌声~(続き)

2012-08-02 | Weblog

★これは、あみん」再探訪~初々しさの中にも上手さとパワーを感じさせる女子大生デュオの歌声~(1) の続きです。こちらからお読み下さい。


 

 「夢みるころを過ぎても」(TOKYO FM出版)という、岡村さんがソロデビュー10年目ぐらいの時に本にするための集中的なインタビューをまとめた本があります。これに、「あみん」時代についての感想などが載っていまして、非常に面白いですね!

 その中で、強く印象に残っていることに、前述したとおり「オリジナルな曲でアルバムを作りたい」という「歌に対するこだわり」の強さでしょうか。特に自作曲「待つわ」でデビューした訳ですから、当然その後に出していく「アルバム」も、自分たちが作った曲でという、「プロのシンガーソングライターとしてのプライド」みたいな部分が、この「こだわり」としてすごく意識されている。逆に言えば、他人の作は、100%理解ができないため歌に関して責任が持てないということを言っていることにもなりますね! ※そのせいもあり、ソロデビュー後の岡村さんのアルバムは、ほとんど(1stアルバムを除く)がご自身がプロデューサー(共同プロデューサーが大半)としてクレジットされていまして、実際プロデューサー的な立場からアルバム制作に携わり、「岡村孝子の世界」を上手く描くことに成功していると思います。

岡村孝子著「夢みるころを過ぎても」

 そんなこだわりがあったため、あみんのファーストアルバムとして他の歌手のポフコン入賞曲を歌わせたいというスタッフと真正面から衝突したことで(結構収録スタジオとかで泣き叫んだり、ボイコットに近い行動をとったりと、このレコーディングに対して抵抗しています!)、結局デビューから半年以上延期されて、つまり1983年4月にあみんオリジナル曲をメインとした1stアルバム「P.S.あなたへ...」を発売しています。ただ、全曲オリジナルとはいかなかったようで、11曲中3曲が他人の作でした。また、この時のスタッフとの衝突が「あみん」の活動休止(停止?)を早めたとも、本の中で岡村さんは語っています。

 その後、1983年をもって「あみん」は歌手活動休止になりますが、もう一枚作ってからと言うレコード会社などの要求もあり、まったく他人の作った曲をカバーした2ndアルバム「メモリアル」が、1983年12月20日に発売されました。これは、ポプコン入賞曲などをカバーしたものを網羅したものでして、当時ヒットしていた名曲がずらりと並んでいます。ちなみに、レコードジャケットには本人達の写真が使用されず、白を基調としたシンプルなジャケットとなったようですが、当方は、これは1曲目の「白いページの中に」をイメージしたものかなぁと思っています。また、初版はアナログレコードでの発売でした(NIPPON PHONOGRAM 型番28PL-72。その後CDでの発売は1988年、型番32LD-116)。

「メモリアル」の収録曲11曲の出所を列記しますと(※ウィキペディアを参考にしました)、※ヤマハポピュラーソングコンテストは、ポプコンと略しました

 

  1. 白いページの中に (4:56) 作詞・作曲: 柴田まゆみ、編曲: 瀬尾一三 ※岡村メイン、加藤ハモリ                                                                                                                                                                                                                                                                                 ⇒ オリジナル:柴田まゆみ(1978年/第15回ポプコン出場作・入賞)                                                              
  2. (4:46) 作詞・作曲: 坂本忬誌子、編曲: 瀬尾一三 ※加藤メイン、岡村ハモリ                                                                           ⇒ オリジナル:坂本忬誌子(1982年/第23回ポプコン出場作)
  3. 来夢来人 (4:36) 作詞・作曲:大友裕子、編曲:平野孝幸 ※加藤メイン、岡村ハモリ                                                                        ⇒ オリジナル:大友裕子(1980年/アルバム『傷』に収録)、1978年/第16回ポプコン、「傷心」で優秀曲賞受賞。(尾崎亜美が歌うもの(『GOLDEN☆BEST 尾崎阿美』参照)、小柳ルミ子が歌うもの『来夢来人』と、同名の曲が数種類存在するが、すべて別の曲である)
  4. ボヘミアン (4:42) 作詞・作曲:安田慧子、編曲:瀬尾一三 ※加藤メイン、岡村ハモリ                                                                       ⇒ オリジナル:安田慧子(1980年/第19回ポプコン出場作)(当アルバム発売の同年に大ヒットした葛城ユキ歌唱のもの(作詞:飛鳥涼、作曲:井上大輔)とは別の曲
  5. リベルテ (4:29) 作詞:服部裕見子・松永千鶴、作曲:服部裕見子、編曲:飛澤宏元 ※岡村メイン、加藤ハモリ                                                       ⇒ オリジナル:松永千鶴(1979年/第17回出ポプコン場作・入賞) (岡村孝子がソロ転向後に発表した『リベルテ』(1987年7月5日発売の3rd アルバム『liberte』のタイトル曲)とは別の曲)
  6. 追想 (3:50) 作詞・作曲:城山清一、編曲:瀬尾一三                                                                           ⇒ オリジナル:セシル(1981年/第21回ポプコン出場作・優秀曲賞)
  7. 青いクレヨン (3:31) 作詞・作曲:菊池弘子、編曲:飛澤宏元                                                                      ⇒ オリジナル:菊池弘子(1976年/シングル曲) 菊池弘子のシングル盤では、曲名が『青いくれよん』と表記されている(「クレヨン」が平仮名)(1974年/第8回ポプコンで、「髪」で川上賞受賞)
  8. そよ風の妖精 (4:17)  作詞・作曲:後藤美喜子、編曲:飛澤宏元                                                                  ⇒ オリジナル:トゥインクル(1979年/第18回ポプコン出場作・入賞
  9. (4:56) 作詞・作曲:藤田久美子、編曲:飛澤宏元                                                                           ⇒ オリジナル:藤田久美子(1981年/第21回ポプコン出場作・入賞
  10. サルビアの花 (3:56) 作詞:相沢靖子、作曲:早川よし夫、編曲:萩田光雄                                                             ⇒ オリジナル:早川義夫(1971年/第3回ポプコンオフコースが歌い入賞。1969年/アルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』 収録)もとまろによるカヴァー(1972年)で有名になり、現在に至るまで数多くのカヴァーが発表されている
  11. 六月の子守唄 (4:25) 作詞:あだちあかね、作曲:野田幸嗣、編曲:平野孝幸                                                           ⇒ オリジナル:みにくいあひるのこ(1973年/第5回ポプコン出場作)レコードとしての初出は、ウィッシュによるシングル(1973年)
  • コーヒーはきらい (4:50) 作詞・作曲: 松宮恭子、編曲: 萩田光雄 ※加藤メイン、岡村ハモリ                                                                 ⇒ 1978年/第15回ポプコンで田中真美さんの歌う「裏切り者」を作詞・作曲。
  • 心を開いて (3:30) 詞: 清水義明・松井五郎、作曲: 後藤美喜子、編曲: 萩田光雄 ※岡村・加藤デュオ                                                      ⇒ 1979年/第17回ポプコン(1979年)でトゥインクルが演奏した出場曲のカバー。
  • (3:34) 作詞: 戸次真理子、作曲: 木戸泰弘、編曲: 萩田光雄 ※加藤ソロ                                                                  ⇒ 1980年に八神純子が発表した曲のカバー。加藤のソロヴォーカル曲。1977年/第13回ポプコンで安松 幸子&ACCバンドの歌う「お熟いのがお好き」を作詞・作曲。

 これと、「P.S.あなたへ...」の3曲(・で示した最後の3曲です)、計14曲が、「あみん」としては他人の作ということになります。ただし、オリジナル曲や何か関連する曲を作っているポプコン出身者であることは、注目に値することといえます。

 

 何度か、この彼女たちのオリジナルでない14曲を、ちょっとずつ聴くにつけ、若かりし頃の「あみん」の歌の持つ活き活きとした生命力に感動して、思わず目頭が熱くなることもしはしば。若いときにしか出来ないこと、というのは、やはりあるんでしょうか?加藤晴子さんの声は、岡村さんが声質が似ていると言うことで、デュオに引っ張っただけのことはあります。まるで最近発売されたと見紛うばかりの高音質化を達成したデジタルリマスタリングなったCD音源でも、まったく区別がつかないぐらいに、似通っています。ただ、若干の歌い回しが岡村さんよりストレートで、低音が太く出るため(それと、やや鼻に掛かるハスキーボイスかな)、多少は区別できますが、まったく分からない部分の方が多いといえましょう。

 あと、岡村さんが「ソロ」になってご本人が言っている「クールな(涼しげな)女性」というのは、この時の歌い方の特徴から来ているものなのでしょうか?合唱などで鍛えた透明で柔らかな声と少し慎み深い歌い方が、時としてクールな感じに聞こえたりもするんですね。その点、加藤さんは、歌にもよりますが、若さ爆発と言いますか、ストレートで見事に感情を込めた歌い方は、当方も聴いていて、その歌にものすごく感情移入ができて、これはちょっと凄いなと思いました!何曲か歌を聴いていますと、歌の前半は岡村さん、後半は加藤さんと分けて歌っている場合が結構ありますが、ひょっとしたら「デュオあみん」としての立ち位置は、微妙に加藤さんの方がちょっと上?だったりもしていたんでしょうか? ※その後幾度となく聴いていて、岡村、加藤どちらかがメインの歌声、もう一人がハモリを担当していることが分かってきました!曲の米印の後に付加しています。ちなみに、二人でメロディを歌った曲も(ハモらないで同じメロディをデュエットした)何曲かあります。また完全にソロでの歌唱した曲も少ないですがあります。(13/9/6日追加)

 それにしても、歌った経験の少ない加藤さんが、よくぞここまで岡村さんにピタッとついて、短い期間(若い時の「あみん」についてですが、)でしたがデュオとして歌ってきたもんだなぁと思いました。そう考えますと、このCDはとても感慨深いものがあるとともに、大変貴重な記録でもあるんですね。であったからこそ、女子大生ディオ「あみん」は、岡村孝子、加藤晴子の二人以外では成り立たないがために、岡村さんは、24年もの間加藤さんが「カムバック」するのをじ~っと待っていたんでしょうか!

 

わたし、待~つ~わ!!

 

 つまりは、これがご本人たちの歌手としての原点そのものなのでしょうか?「待つわ」の作者、岡村さんは、さすが徳川家康の生誕の地「岡崎」のDNAを色濃く引き継いでいると言うことなのかも知れません! ※「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス(機が熟するまで辛抱強く待つ)」というのが、徳川家康の性格だそうで、結構岡村さんも似ているところがあるような、、、?ふんふん?!また本当は、岡村さんは、長い時間の経過とともに「あみん再結成」を諦めていたのかも知れませんが、、、?

 

 この他人の作14曲はどれもバラエティーに富んだ、中には現在まで色んな歌手に歌い継がれている曲もあります。つまり、これらを十二分に歌って、さらには「あみん色」を出しているというのは、現在でも、なかなか簡単には出来るものではないと思うんですが、、、。実に、爽やかで、生き生きとして、生命力に溢れていますが、若いときにしか出せない「青春の感覚・感性」がいっぱいに詰まっていて、聴いていて、本当に泣けてきます!

 と言うことで、若いときの「あみん」には、オリジナル曲にこだわらず、もう少し「ポプコン」の名作・名曲を歌って欲しかったなぁ、と残念に感じるのは当方だけではないと思いますが、、、。ただ、そうやって「あみん」を続けていたとすると、「ソロ 岡村孝子」は、あんな風に「あみん」活動休止後、わずかなブランクはあったものの、ほどなくデビューして成功したのだろうか、と言う懐疑的な気持ちにもなりますし、、、(ソロ活動が大成功した背景の一つとして、20代前半の若い時にデビューできたことも挙げられるかと、、、)。結局、もう過去には戻れないし、変えられないので、こんなことを考えても、それは「野暮なこと」なのかもしれません!

 

 このまま「ジ・エンド」では面白味に欠けます!つまり、この項は「終わり」があります。完成しましたら、またアップしますので、それまでお待ち下さい。

乞うご期待!

一目惚れでした!