事実は映画よりも奇なり

乳がんで余命2週の告知もキリスト教の27歳の裏千家師範は延命薬で百八夜を内鍵付きの病室にて戦うも・・・

花嫁

2009年10月01日 00時02分23秒 | 朝顔 「椿灰」 

 「六夜 ★病室」 から

≪形見なの穢れぬうちに升に落ち 永久に息づけ実践理性の≫
 

盆まえから危篤状態が続いていた。

映画みたいな花嫁(昨日の投稿)にはなれなかったが、
避けられない歴史に生きた。
暁にならない時刻、
精気窄める灰器に・・・

 八月二十五日、夜明け前、永眠。享年二十八歳と一ヶ月。
謙遜と服従の教義を貫いた。

 

 「許せん」
血潮は猛々しく煮えたぎる。
 「今になって・・・・・何を言うのか・・・・・

ふたつとない春花秋月、そうこう肝要な音域は天界に生まれ立ちそうになって聞き始める。
 「(こうして居る)」という映像化だけの入院中が消え入りそうになる真っ只中、

 「(彼女が私に)会いたがっていた」なる言葉を聞いた。

 何を言ってんのか、さっぱり分からなかった。

 「(哀れな妹)」呟いた。

彼女に対する同情っぽい言葉はこれだけだ。
が、これにしても真意が何処にあったのかは分からない。
私が思うに〝院長自身が彼女にした性犯罪〟を思い出したのだと考える。