傷を見せて、両手をベッドのふちにしっかりとかけて、ぎゅっと強く握る。痛い!痛すぎる!!涙がにじむ。脂汗が噴き出す。
「構えないで!」と、ちょっと怒り気味の先生。構えるから痛いんだよ、と言いたげ。
が、こちらとしては構えようとなかろうと、どちらにしても痛いのだ。
「あと○本!」とか言いながら非情にも抜糸していく先生。「ま、まだ○本もあるの~!?」と思いながら、必死に痛みに耐えた。
やっと終わった。「・・ありがとうございました。」涙ながらに言ってその場を去った。
翌日、今度は副院長に半分残った糸を抜かれた。やはり同じように痛かったが、優しい先生という印象のせいか、少し痛みが和らいだような気がする。
それにしても、手術後約一週間で、パックリと切ったお腹がふさがり、糸を抜いても大丈夫なんて、不思議だと思った。