ぴよママの直腸がん日誌

2006年、40歳で直腸癌3bと診断、開腹手術。大動脈周囲リンパ節腫大の為、抗癌剤で延命しているぴよママの身辺雑記です。

同室の患者さん

2009-05-10 14:13:35 | Weblog
それからずっと、ほぼ二週間ごとに3~4日の抗癌剤治療を入院で受けている。
ある時、50代半ばの女性と同室になった。A先生が大学病院から連れてきた患者さん。大学病院の給食の仕事をしていたという。40代で胃がんになり、余命半年だったが薬が効き、延命。その後乳がんになり、また抗癌剤で延命。今は大腸癌でストーマになり、癌は骨にまで転移して痛みもあるという。「抗癌剤治療は辛くはなかったか。」と私が訊くと「昔は抗癌剤は半年しか使えなかったから、半年の我慢だったのよ。」と言う。「あと半年、と言う時に大学病院でのカンファレンスで、他のお医者さん達がそのままにしよう、と言うのにA先生だけが新薬を使おうと言ってくれて、それでその薬が効いて、助かったの。」と言う。「そのまま治ると思っていた。でも次は乳がん、その次は大腸癌、しかも骨転移なんて。こんな事ならあの時、A先生に助けてもらわなくても良かった。あの時死んでしまえば良かった。」と言う。私はショックを受けると同時に「それは違う。」と思った。その人が言うのは結果論だろうが、余命半年だったのに、十数年生きられたのだ。その間、楽しい事や嬉しい事も沢山あったはずだ。それは死んでしまえば味わえない事だ。だから、A先生に感謝するべきであって、「助けてもらわなくても良かった。」とは言うべきではないと、この時思った。
私も今では時々切羽つまったような気持ちになり、時々「こんなに周りに迷惑掛けるならあの時死んでも良かった。」と思う事はある。が、この時の事を思い出し、「それは違う。」と考えを転換するようにしている。