ぴよママの直腸がん日誌

2006年、40歳で直腸癌3bと診断、開腹手術。大動脈周囲リンパ節腫大の為、抗癌剤で延命しているぴよママの身辺雑記です。

僕はねッ!

2009-05-04 20:39:15 | Weblog

翌日、それほど傷は痛まなかったが、消毒と、用意されていたボルタレン座薬を使用した。ナースに傷をみてもらったが、驚いたように「きれいに縫われてる!」と言われた。確かに手術する前にA先生が見せてくださった他の患者さんのポートの写真(患者さんの承諾を得て)の傷よりもかなり小さい。これならブラジャーも着けられる。あと二年ぐらいの平均生存期間ではあるが、せめてもの慰めである。
 抗癌剤の話をA先生とした。初抗癌剤は三日後、そして二週間ごとに三日間行う。初回は入院中に行うが、その後は外来で出来るという。だが、私は抗癌剤には全く期待していなかった。抗癌剤は一時的に効くが、治るものではないはずだ。新薬と言えども、そこまでの効果は出ていないはず。
私は思わず「抗癌剤をやっても、結局治らないんですよね。」と言ってしまった。するとやる前からそんな事を言っている私にA先生はムッとしたのか、「僕はねッ!あなたの病気を治してあげようと思っているの!だからあなたも治ってやろうと思わないとダメだよッ!!」と言われた。ごもっともなんですが、トホホ・・、という気持ちだった。
「いつか薬が手放せる日が来るんだよ!」とも言われた。「本当ですか!?」と私。
結局、二年八ヶ月経った今でも薬が手放せないが、この時の私には一筋の光が見えたかのような瞬間であった。