バラ色の夕映え

タニウツギ。白と淡ピンクの花が混ざって咲いている。
去年私の背くらいまで一気に伸びて、
今年はたくさん花をつけた。

永井荷風が『ふらんす物語』で、
フランスの夏の夜のことを、
薔薇色の黄昏時に天地が酔っているよう、とか、
甘美な時間、というようなことを、
何度か書いている。
最近は日が伸びて、
フランスのサマタイムほどではないけど、
昼でも夜でもない明るい時間が長くなった。
花たちは、昼間の光が残ってるみたいに、
しっとりと輝くので、
できることならこの時間は、
何もしないでじっと花を見ていたい。

兄妹

	お兄ちゃん、大好き。 ずっとビーのそばにいてね。 ああいるよ。 俺もビーが大好きさ。
	本当ね？ もうアホのところにはいかないわね？ いかないよ。 あいつが勝手についてくるだけさ。
	お兄ちゃん。 ビー。
	アホ？

連休のはじめ頃、殿が窓を開けて脱走し、
耳の裏まで真っ黒になって帰って来た。
布団に入れるのが憚られるほどだったので、
ダーがお風呂に入れた。
殿はドライヤーをあててもそんなに嫌がらない。
こうしてシルクのようにきれいになった殿だけど、
翌日、私のいない日、また脱走。
明け方まで帰らなかったそう。