新. _ 植 物 紀 ・ s e e d .

復活、新植物紀!!

富貴蘭

2019-09-22 09:24:25 | 日記
富貴蘭は滅亡する。

私のような熱心な趣味家がいうのだから、間違いない。

この滅亡のプロセスを興味深く注視している。

かつて、幾度となくブームを繰り返してきた松葉蘭、万年青も同じ道をたどったのか…

個人的には水草ブームの消滅が記憶に新しい。あれほど熱かったのに、一気に冷めた。

園芸文化には流行りすたりがつきものなのだ。

さて、富貴蘭。

現在は古典品種の投げ売りが始まりつつある。富貴蘭はどんな品種でも1本作るのにかなり手間がかかる。本来はそんなに安いはずはないものだ。

採算を度外視した投げ売りは、生産者や趣味家の棚が消失しつつあることを表している。

指標となるのは看板品種の富貴殿である。富貴殿を1本つくるには数年を要する。それが現在では1万円程度だ。ブーム絶頂のころは20万以上はしただろう。

この富貴殿が5000円を切ったら、終焉は近い。

富貴蘭の最後は熱せられたバターのように消えて無くなる。

そのとき、超絶高級品種も消える。これは今まで予想しなかったことだが、やはり、本羆、湖東錦、至楽など1本100万クラスの品種も、いずれは消える。

これらの品種が高値を維持しているのは、局所的にバブルが発生しているからである。このバブルが崩壊すれば、一気に価値は下がり、枯れていく。

バブル崩壊の要因は、たとえば、趣味家の高齢化。
ただでさえ、マニアックな小さなバブル。プレーヤーは確実に高齢化し、減少している。

ブローカーの減少もありうる。今現在、稼げているブローカーは10名以下である。

富貴蘭は棚から棚へと動くことで価値を生む。ブローカーがいなくなれば、価値を創造できずにバブルは崩壊する。

簡単に言えば、富貴蘭のすべての品種が後世に引き継がれずに消えていく。若い趣味家がいないからだ。

では、若い趣味家は何に没頭しているかと言えば、多肉やら、コーデックスだ。富貴蘭とは相容れないこれらのものが、台頭している。

羆、湖東錦など超高級品種が見出されてから、およそ150年経つ。

幾多の戦禍をまぬがれてきた木も、無関心という荒波には耐えられまい。

中途半端な木から値崩れを起こしていくだろう。

同じ芸を継承しながら増殖し続ける木はダメだ。

かといって、縞もダメ。

奄美系は温度次第でやたらと増える。建国系、黒牡丹系は有象無象すぎてダメ。

そう考えていくと、何も残らない。

まず、ありえるのが、専門誌の廃刊。これは富貴蘭に限らない。インターネットの台頭により、雑誌界全体が危機的状況なのだ。

専門誌がなくなると、富貴蘭趣味家にとってはダメージが大きい。

多肉、コーデックスの趣味家に比べて富貴蘭の趣味家は紙媒体主義者が多い。

次に都心部の専門店の廃業だ。都心部の高いテナント料や、資産税をいつまで払い続けることができるか?

もうすでに致命的な時期に来ているはずだ。

名古屋丸栄から、園芸店が撤退したとき。
銀座松坂屋から水草屋が撤退したとき。
梅田の阪急から、花屋が消えたとき。

どれも時代の移り変わりを感じさせた。

もう、富貴蘭は売れない。

これは時代の流れということもあるが、リーダー不在の時期が長すぎたことが原因である。

新たな展開を生み出せずに、腐敗が広がってしまった。

全体を語ることができるリーダー、世界観のあるリーダーがパタパタと居なくなった。

水草界でいう、山崎氏、天野氏のような存在だ。

水草ブームの終末期に、独自のルートをもつ採り子が何人か現れた。

ブームでチカラを蓄えたハイエンドマニアたちだ。

しかし、彼らでは精神的支柱にはなり得ない。

所詮は希少性を追求するハンターだからだ。彼らはブームという場がなければ活動できない。

いま、富貴蘭界でのさばる連中はハンター気質ばかりだ。

ハンター気質はブームの原動力になりうるが、これからの時代、それでは生き残れない。

これからは盆栽の時代だ。いつか、かならずブームが来る。しかも、そのブームは長期に渡るだろう。

様々な指標がすべてそこへ向かっている。震災、電力、国際情勢、流行りすたりも含めて。






青春

2019-09-17 01:23:50 | 日記
先日、高校の文化祭に招かれ、ダンス部の演技を見学

意外に健全で真剣な活動で、ホッとした


校舎があまりにボロく、我が母校を思い出した…

自分にはキラキラした青春がない。

スポーツとか、演劇とか、嫌いである。

美術室で油絵を描いたり、図書室でマニアックな本を読んだり…。

友人も変わり者が多かった。1人だけ、モテるヤツがいたっけ。今でも理科の教師が彼をほめたたえたことを覚えている。

中和滴定を理論的に説明してみせたのだ。あー、こいつにはかなわんなぁ、と思ったもんだ。

高校ではいろんな人に出会えた。数学者になったヤツ、政治家になろうとしたヤツ、変態なヤツ。ボクサー、サッカー選手などなど。

私の学園祭は悲惨なものだった。手作りでクーラーを作ろうとして、教室にプールを設置し、自動車のラジエーターを引っこ抜いてきて作動させた。

大失敗で蒸し風呂みたいになった。担任がギターを弾いてなぐさめてくれた。

次のとしは、起き上がるドミノを考案したが、これも大失敗だった。

…さて、ダンスが終わり、女子高生と2人で写真を撮った。

単体でお願いします、ってなんだろ。

最近は画像が拡散されるから不安である。

思えばいろんな縁がある。

なぜ自分が?とも思うが、それもまた、面白い。

いつか、そういう縁がつながっていくのだろう。

ダンスの衣装は手作りだった。きっと大塚屋で生地を購入したに違いない。

青春のキラキラ感がまぶしい。私には川本三郎氏のエッセイがジャストフィット。

刺激を受けたのか、プッチーニのトゥーランドットを研究し始めた。

あらすじや、歌詞の暗記など…面白い。パヴァロッティになったつもりで熱唱する。

もう一度、青春。

やはり、イタリア人と日本人は根本的に感性が違う。

使用人リューが拷問で死んでから、王子は姫に愛を告げるが、これが理解できない。私には理解ができない。

なぜ、そんな展開になり、あの歌が生まれるのか?

しかし、分からないから面白い。それにしても、荒川静香氏のイナバウアーは美しい。まるで劇中の中国の姫のようだ。

秋きたる

2019-09-16 17:51:25 | 日記
日差しの角度が下がってきた



植木にも直射が当たり皆、ご機嫌



建国殿。実幸園の園主は玉金剛と同じくらい強健だと言っていた。

たしかに、根も強いし、葉もちも良い



冬場に調子を崩したが、ようやく良くなってきた



夢中なころは1日に3度も水遣りをして可愛がっていたのに。



今思えば、やりすぎである



白牡丹は完全に調子を崩した



水苔が腐って落ちるので毎年コケ増しをする



白牡丹は建国殿より弱い。

ちょっと、ヤバい。いや、かなりヤバい。

やる気を出して、たくさん子吹いたのは良いが、皆、幽霊なので、体力を消耗している。しかも、世話人がやる気をなくして水遣りをサボった。

カトレア、カナイマ社のインディゴ



ダブルシースの奥に小さな花芽あり



葉の上に小さなクモ



うどんは冷に限る





船中八策といえば坂本龍馬か。


夏のおわり

2019-09-09 21:00:25 | 日記
晩夏には、ツクツクボウシ

焦っているような鳴き声に、夏のおわりを感じさせる

路肩に、ルリタテハの遺体が落ちていた…



持ち上げた途端に、パリパリ、と崩れた



精一杯に夏を生きた



この羽根で羽ばたいた



成虫になるまでに半年はかかっただろうか



この生命が地球に誕生して、わたしの生命と同じだけ継続し、いまここに、ゴールを迎えている

夏がそろそろ、終わろうとしている。


隠れ家さがし。

2019-09-06 17:04:55 | 日記
まったりとくつろげる店を探す

まったりとくつろいで、瞑想にひたり、普段の自分を捨てる

安い、旨い、混んでない



これは、地下鉄直結の店。

えっ?ここに店が?という感じ。なかなかに入りづらい。



店主の料理熱を感じる。



手作りの料理をともに贅沢な時間をすごす。

客は地元民ばかり。

次に、オシャレな茶店



客は女性ばかり。コーヒーは旨い。ハイローストは嫌いだが、ここのコーヒーは好きだ。



最後はやはり、



日本酒。



隠れ家さがしは難しい。旨い、安いが目立ちすぎると、混んでくる

昔、一社にうまいコーヒー屋があった。まるで寿司屋のように店主と対面し、店主が精魂込めたコーヒーをいただく。

世界各地のコーヒーを飲めるし、女将の手作りデザートも絶品だった。

ところが、みるみるうちに混雑して、瞑想できなくなった。そんな感じで、いくつかの隠れ家を失った。

覚王山の中国茶の店も…参道の定食屋も。

安くて旨いと、すぐに客が集まる。

安い、旨い、静か…という三拍子はなかなか難しい。

一つ、床が広い、というのは大事なこと。



床が広ければ客は来れない。また、店主の少数の客を大事にしようという姿勢が感じられる。

多分、床が広い店にハズレはないんじゃないか?