新. _ 植 物 紀 ・ s e e d .

復活、新植物紀!!

理想のパンジー

2017-12-25 15:35:32 | 雑感
歴代のパンジーのなかでとくにレアだったのが、白散り斑のものと八重の咲き分けのもの。どちらも、累代は困難だったし、2度と見かけることもなかった。
今回、咲き分ける株を発見した。

咲き分けの歴史について。まず、1番ポプュラーなものは褪色系。始めは白や黄色で咲いて、日光により色素のフラボノイドが破壊されて、基質の青色が見えやすくなる。そんな株は新しい花が白、古い花が青にみえる。厳密にはこれは咲き分けではない。
次に、パンジーの性質を生かした咲き分け。パンジーには5枚の花びらがあるが、上の2枚が色違いになっていることがある。青と白、黄と赤…などなど。この色わけが枝ごとに狂うことがある。ある枝は赤のみ。ある枝は黄色。ある枝は混じり。など。これはかなり稀な現象で、八重咲き種に見られる。
第3は、まだらの変化である。近年、不規則なまだら花が普及しているが、このまだらが花全体に回ったものと、まったくないもので咲き分ける。
パンジーは実生生産が主流なので、たまにすごい株がある。
ここ数年見かけるようになったマダラ花

茶色にバイオレットが入る

バイオレットが濃くなると…

そして咲き分ける


同じタイプの株を2つ見つけた。どちらも生産者は同じ。品種として確立しているのだろう。

富貴蘭について

2017-12-22 19:47:39 | 雑感
若い人から、きかれることが多い。
富貴蘭は近々、絶える。
理由は、若い趣味家がいないからである。入門者がいない限り、初級中級品種、あるいは旧来の古典品種に需要がない。つまりは価格が維持できない。一生懸命集めても、いずれは二足三文となる。
10年前は、富貴殿の素立ちが5万円で売れたが、現在では1万円を切る。この価格の低迷はスピード感があり、もはや暴落とも言える。
では、今が底値かというと、それも違う。
…まだまだ下がる。
なぜならば、これから新たな需要が見込めないばかりか、ベテランたちが確実に引退していくからだ。
彼らの引退により、需要が減り、棚を解体することで新たな供給が生じる。無論、供給の受け手はない。
富貴蘭界はベテラン1人の引退により、多大なダメージを受ける。

あとは少ない趣味人口で内輪の取り引きを続けていくわけだが、無理がある。新品種はそう簡単には出てこない。出てくるとすれば、それは交配種だ。交配種ならば、簡単に改良できるわけだから単価を下げざるを得ない。過当競争である。富嶽と豆葉の掛け合わせなどが良い例だ。あとからあとから、いくらでも出てくる。

無理やり、系統をたてて購買意欲をかりたてようと必死だが、よく考えて欲しい。その木には良い柄が出ているか?系統が良いなら地味柄や青はないはずだ。クズのようなゴミをつかまされてないか?

新規の趣味家は期待できない。富貴蘭以外にも魅力的な植物がたくさんある。ネットをあさればザクザクと…。
あと10年待てば10分の1に下がる。待てば待つほどお得なのだ。
古朝鮮、紫電龍と呼ばれていた頃は高かった。それが今やどうだ?匂威しかり大観しかり。

まずは古典園芸の専門誌が廃刊となる。次に大棚のブログが停止され、啓蒙がより困難になるだろう。あとは専門店の閉店である。都心部の店がテナント料を支払えなくなり、閉店していく。名古屋ではいち早くこの流れが起こっているが、大阪、東京なども同じことだ。郊外に店を移し、ネット通販に切り替えるという手もあるが…。実店舗の衰退は富貴蘭の滅亡を印象づけるだろう。

ただ、韓国にはまったく別の流れがある。バイオテクノロジーが発達しているので、今まで通り春蘭、富貴蘭の実生交配種を大量に生産し続けるだろう。バイテクなので低価格化しても対応できる。

杭州寒蘭の香り

2017-12-17 22:43:45 | 雑感
昼間は香りを感じない。

一度、朝まで外に出しっぱなしたら、花が傷んだ。たしか、去年も似たようなことがあった。
初ゆめ は寒さに弱い。翠晶はなんともないのに。不思議だね。実は別種の蘭だったりして。

夜、部屋に取り込んで灯の下に置くと香り始める。鼻を近づけたらわかる。なんとなく清らかで上品。

ニオイエビネなどは部屋中に香りが充満するが、この初ゆめは近づかなければ分からない。

強いわけではないが、確実な香りをなんと表現したら良いか。開花期中、ずっと香る。

もう一つの翠晶はまったく香らない。

本当に別種の蘭かも知れない

寒蘭に、これ以上はない。
たとえば、真砂系白牡丹や、建国殿などは自慢の蘭だが、残念なことに他の人も持っている。
しかし、初ゆめ は私だけの品種だ。

今日、鳥の本を買いに書店に寄ったら園芸ジャパンの新刊が3冊陳列されていた。いつもは4冊だが…。一冊売れたのか。
趣味の山野草は一冊だけ陳列されていた。
私はオウムの本を購入。オウムのことを考えるとワクワクする。
先日、常滑の飼い鳥専門店を訪問。初めてアオメキバタンやクルマサカオウムと触れ合った。
とくにアオメキバタンがカワイイ!
カゴから手を出して、「あくしゅ〜」と話しかけてくる。握手すると「アオチャン、カワイイでしょ〜?」と言う。ビックリした!
なでたり、抱いたりすると嬉しそうにする。トサカを立ててハネを開くとメチャきれい。…しかし、その場を離れようとすると「グギャー!」と雄叫びをあげる。それが耐えがたい。飼えない。
容姿の美しさではクルマサカオウムである。羽毛が繊細で整っている。アオメキバタンより一段美しい。
はじめて人なつこいヨウムに出会えた。まず、「ヒューイー」という独特の鳴き声で歓迎してくれて、低い声でハッキリと何かを言った。ちょっと意味がわからなかったが、嬉しかった。
なんども頭を撫でた。
ミヤマオウムという原始的なオウムにも出会えた。喋ることはできないが、道具を用いる類いの賢さはピカイチだという。雪山に生息する幻のオウム。
なんと言っても、スミレコンゴウの話は印象に残った。お世話をしたことがある店員さんによると、ズルイくらいカワイイとのこと。どうやら、オウムの王様はスミレコンゴウのようだ。私も触れ合ってみたい。一羽700万円から800万円なので無理かな。1万円払うから、1時間おさわりさせてほしい!

追伸 杭州寒蘭の香りは、日に日に強くなっている。室温が低くても蛍光灯に反応して香る。2時間でコーヒーと同じか、やや弱いくらい。
稀代の名品。豊雪を凌ぐ。

鳥飼いになるには…

2017-12-14 21:44:28 | 雑感
鳥に入門種はない。
育てやすい鳥、難しい鳥。どちらにせよ長寿命であり、最初であり最後の鳥なのだ。
登山に例えればギアナ高地。一合目二合目などはなく、いきなり頂上。そこには鳥飼いとしての未知の生活が広がっている。
相場師としてはワシントン条約、サイテス1にカテゴライズされているものを選ぶ。しかし、個体との出会いを大切にしたい。私を覚え、懐いてくれた個体。彼を連れ帰れなければ後悔するだろう。
あるメキシココガネインコは私を見ると、餌入れのなかで 寝転がって喜んでくれた。目を閉じて後頭部をなすりつけてくる。私は指で撫でる。
ある日、彼を連れ帰ろうと鳥屋に行くと、カゴはもぬけの殻。売れたそうな。
今度こそ、連れ帰る。後悔はしない。
長い長い道のり。見たこともないケージを発注し、会ったことのない人とアクリルケースの相談。保温器具の選定。ブローカーとの鳥さんの価格交渉。ケージの運搬のためのレンタカーの予約…なかでも、ブローカーとの交渉にこぎつけるまでにかなり苦労した。気が弱いので満足な結果は得られなかったが、チャレンジしたことに満足できた。
鳥飼いになるということは、人間としての総合力を試されることに他ならない。
不安でいっぱいだ。一方で根拠のない自信もある。

売り場の金魚は切ない。高級なものがどんどん売れる。どこへ売れてゆくのやら。大切に育てれば何年も生きてくれるのに。
胃腸の強い金魚を促成栽培し、たくさん消費する。模様や形が流行りならば、それで良い。
売れずに待っている金魚は、どんどん体調を崩して輝きを失ってゆく。

水ヘビの水槽に放たれた数匹の若い金魚たち。恐ろしい速さで1匹が犠牲になった。
すると、他の金魚たちのヒレが見たこともない緊張を見せて震えていた。金魚にも、運命を悟るチカラがあるようだ。

ペット産業では命が消費されている。私は今いる生き物を大切にしたい。