富貴蘭は滅亡する。
私のような熱心な趣味家がいうのだから、間違いない。
この滅亡のプロセスを興味深く注視している。
かつて、幾度となくブームを繰り返してきた松葉蘭、万年青も同じ道をたどったのか…
個人的には水草ブームの消滅が記憶に新しい。あれほど熱かったのに、一気に冷めた。
園芸文化には流行りすたりがつきものなのだ。
さて、富貴蘭。
現在は古典品種の投げ売りが始まりつつある。富貴蘭はどんな品種でも1本作るのにかなり手間がかかる。本来はそんなに安いはずはないものだ。
採算を度外視した投げ売りは、生産者や趣味家の棚が消失しつつあることを表している。
指標となるのは看板品種の富貴殿である。富貴殿を1本つくるには数年を要する。それが現在では1万円程度だ。ブーム絶頂のころは20万以上はしただろう。
この富貴殿が5000円を切ったら、終焉は近い。
富貴蘭の最後は熱せられたバターのように消えて無くなる。
そのとき、超絶高級品種も消える。これは今まで予想しなかったことだが、やはり、本羆、湖東錦、至楽など1本100万クラスの品種も、いずれは消える。
これらの品種が高値を維持しているのは、局所的にバブルが発生しているからである。このバブルが崩壊すれば、一気に価値は下がり、枯れていく。
バブル崩壊の要因は、たとえば、趣味家の高齢化。
ただでさえ、マニアックな小さなバブル。プレーヤーは確実に高齢化し、減少している。
ブローカーの減少もありうる。今現在、稼げているブローカーは10名以下である。
富貴蘭は棚から棚へと動くことで価値を生む。ブローカーがいなくなれば、価値を創造できずにバブルは崩壊する。
簡単に言えば、富貴蘭のすべての品種が後世に引き継がれずに消えていく。若い趣味家がいないからだ。
では、若い趣味家は何に没頭しているかと言えば、多肉やら、コーデックスだ。富貴蘭とは相容れないこれらのものが、台頭している。
羆、湖東錦など超高級品種が見出されてから、およそ150年経つ。
幾多の戦禍をまぬがれてきた木も、無関心という荒波には耐えられまい。
中途半端な木から値崩れを起こしていくだろう。
同じ芸を継承しながら増殖し続ける木はダメだ。
かといって、縞もダメ。
奄美系は温度次第でやたらと増える。建国系、黒牡丹系は有象無象すぎてダメ。
そう考えていくと、何も残らない。
まず、ありえるのが、専門誌の廃刊。これは富貴蘭に限らない。インターネットの台頭により、雑誌界全体が危機的状況なのだ。
専門誌がなくなると、富貴蘭趣味家にとってはダメージが大きい。
多肉、コーデックスの趣味家に比べて富貴蘭の趣味家は紙媒体主義者が多い。
次に都心部の専門店の廃業だ。都心部の高いテナント料や、資産税をいつまで払い続けることができるか?
もうすでに致命的な時期に来ているはずだ。
名古屋丸栄から、園芸店が撤退したとき。
銀座松坂屋から水草屋が撤退したとき。
梅田の阪急から、花屋が消えたとき。
どれも時代の移り変わりを感じさせた。
もう、富貴蘭は売れない。
これは時代の流れということもあるが、リーダー不在の時期が長すぎたことが原因である。
新たな展開を生み出せずに、腐敗が広がってしまった。
全体を語ることができるリーダー、世界観のあるリーダーがパタパタと居なくなった。
水草界でいう、山崎氏、天野氏のような存在だ。
水草ブームの終末期に、独自のルートをもつ採り子が何人か現れた。
ブームでチカラを蓄えたハイエンドマニアたちだ。
しかし、彼らでは精神的支柱にはなり得ない。
所詮は希少性を追求するハンターだからだ。彼らはブームという場がなければ活動できない。
いま、富貴蘭界でのさばる連中はハンター気質ばかりだ。
ハンター気質はブームの原動力になりうるが、これからの時代、それでは生き残れない。
これからは盆栽の時代だ。いつか、かならずブームが来る。しかも、そのブームは長期に渡るだろう。
様々な指標がすべてそこへ向かっている。震災、電力、国際情勢、流行りすたりも含めて。
私のような熱心な趣味家がいうのだから、間違いない。
この滅亡のプロセスを興味深く注視している。
かつて、幾度となくブームを繰り返してきた松葉蘭、万年青も同じ道をたどったのか…
個人的には水草ブームの消滅が記憶に新しい。あれほど熱かったのに、一気に冷めた。
園芸文化には流行りすたりがつきものなのだ。
さて、富貴蘭。
現在は古典品種の投げ売りが始まりつつある。富貴蘭はどんな品種でも1本作るのにかなり手間がかかる。本来はそんなに安いはずはないものだ。
採算を度外視した投げ売りは、生産者や趣味家の棚が消失しつつあることを表している。
指標となるのは看板品種の富貴殿である。富貴殿を1本つくるには数年を要する。それが現在では1万円程度だ。ブーム絶頂のころは20万以上はしただろう。
この富貴殿が5000円を切ったら、終焉は近い。
富貴蘭の最後は熱せられたバターのように消えて無くなる。
そのとき、超絶高級品種も消える。これは今まで予想しなかったことだが、やはり、本羆、湖東錦、至楽など1本100万クラスの品種も、いずれは消える。
これらの品種が高値を維持しているのは、局所的にバブルが発生しているからである。このバブルが崩壊すれば、一気に価値は下がり、枯れていく。
バブル崩壊の要因は、たとえば、趣味家の高齢化。
ただでさえ、マニアックな小さなバブル。プレーヤーは確実に高齢化し、減少している。
ブローカーの減少もありうる。今現在、稼げているブローカーは10名以下である。
富貴蘭は棚から棚へと動くことで価値を生む。ブローカーがいなくなれば、価値を創造できずにバブルは崩壊する。
簡単に言えば、富貴蘭のすべての品種が後世に引き継がれずに消えていく。若い趣味家がいないからだ。
では、若い趣味家は何に没頭しているかと言えば、多肉やら、コーデックスだ。富貴蘭とは相容れないこれらのものが、台頭している。
羆、湖東錦など超高級品種が見出されてから、およそ150年経つ。
幾多の戦禍をまぬがれてきた木も、無関心という荒波には耐えられまい。
中途半端な木から値崩れを起こしていくだろう。
同じ芸を継承しながら増殖し続ける木はダメだ。
かといって、縞もダメ。
奄美系は温度次第でやたらと増える。建国系、黒牡丹系は有象無象すぎてダメ。
そう考えていくと、何も残らない。
まず、ありえるのが、専門誌の廃刊。これは富貴蘭に限らない。インターネットの台頭により、雑誌界全体が危機的状況なのだ。
専門誌がなくなると、富貴蘭趣味家にとってはダメージが大きい。
多肉、コーデックスの趣味家に比べて富貴蘭の趣味家は紙媒体主義者が多い。
次に都心部の専門店の廃業だ。都心部の高いテナント料や、資産税をいつまで払い続けることができるか?
もうすでに致命的な時期に来ているはずだ。
名古屋丸栄から、園芸店が撤退したとき。
銀座松坂屋から水草屋が撤退したとき。
梅田の阪急から、花屋が消えたとき。
どれも時代の移り変わりを感じさせた。
もう、富貴蘭は売れない。
これは時代の流れということもあるが、リーダー不在の時期が長すぎたことが原因である。
新たな展開を生み出せずに、腐敗が広がってしまった。
全体を語ることができるリーダー、世界観のあるリーダーがパタパタと居なくなった。
水草界でいう、山崎氏、天野氏のような存在だ。
水草ブームの終末期に、独自のルートをもつ採り子が何人か現れた。
ブームでチカラを蓄えたハイエンドマニアたちだ。
しかし、彼らでは精神的支柱にはなり得ない。
所詮は希少性を追求するハンターだからだ。彼らはブームという場がなければ活動できない。
いま、富貴蘭界でのさばる連中はハンター気質ばかりだ。
ハンター気質はブームの原動力になりうるが、これからの時代、それでは生き残れない。
これからは盆栽の時代だ。いつか、かならずブームが来る。しかも、そのブームは長期に渡るだろう。
様々な指標がすべてそこへ向かっている。震災、電力、国際情勢、流行りすたりも含めて。
ガッチリとして、良いです。