
洗濯機やら電子レンジ、トイレ温水洗浄機、etcにはアースが必要だが家にアース端子が無い場合がある。
そこで「付属のアース棒」を地面に刺して使う事が多いが接地抵抗が不明で何か心配である。
「法的には接地工事は電気工事士の資格を持つものが行うもの。」であるが機器付属アース棒は
アース端子の無い家用に「屋内アース配線工事とは別に」機器毎に自己責任でアースを取れ?という意味?よくわからないです。
私は庭に付属アース棒を突き刺して1.6mm緑単線で機器アース端子に繋げているが接地抵抗がどのくらいか
前から気になっていたので簡易接地抵抗測定器を作って調べてみた。(接地抵抗計は買うと非常にお高い。)

材料は古いトランス式ACアダプターから取った100V→12V(100mA)トランスと1kΩ抵抗、電線他である。
トランス式ACアダプターは今では貴重なのでハードオフ等で見つけたら即ゲットである。
(使う前には1次側と2次側が完全に絶縁されている事位はチェックしてください。)
Cが電流源でPが測定点である。測定点でのインピーダンスはテスタにより十分高いので被測定アース設置抵抗による電圧が測定される。
ポイントとしては
1.地面に電極を刺して抵抗を測定する場合、直流だと分極やらなにやらでまるっきり正しい抵抗値が出ないので交流で測定する必要がある。
(本来、商用周波数はノイズの影響やらが出やすいので本来は他の周波数の交流やらバンドパスフィルターを使う必要がある。
この意味でも本回路はあくまでも個人の趣味の参考・味見程度の測定器であり決して正式測定では無い。)
2.E,P,Cの端子はそれぞれ10m以上離して地面に刺す、特にP端子はE-Cの<中間付近>に刺す。
(試すと分かるが距離が近いとちょっと低い値が出ることが多い。離すとだんだん一定値に落ち着く)
3.補助電極は20cm程度挿せばOK。
4.アース抵抗はE(Ω)=(VP/VI)×1000(Ω)で計算される。(テスターは交流電圧レンジで測定。)
(メーカー品は2mA位の交流定電流源を使っているので一発計算無しで抵抗値が表示されるので便利。)
5.きちんと回路が動作するかチェックするには適当な抵抗で調べて見る。(下図)
ダミー接地抵抗の値が出ればOKと思われる。
(補助電極部ダミー抵抗は500Ωから3KΩ位の適当なものでOK。本来測定値にはあまり影響しない。)

ちなみに機器付属アース棒を庭に刺した時の接地抵抗は我が家では250Ωであった。
法規ではD種接地は100Ω以下だが0.5sec以内に落ちる漏電ブレーカーが設置されている場合500Ω以下でも構わないので
漏電ブレーカー付きの我が家としては「まあいいかな?」位の結論が出たかなと思っている。
安全に関係の無い無線アンテナのアースやら音質改善でアース抵抗値にこだわる方のオーディオ用アースの「味見」位には使えそうである。
くれぐれも「命にかかわる屋内配線のアース工事」は有資格の電気屋さんに頼んでください。でないと違法行為となります。
本品はシロウトの工作品なのでくれぐれも試す際は「完全に自己責任」でお願いします。
PS:本回路は比較的電圧が高いのと直流遮断コンデンサ等が無いなどの理由により決して電池の内部抵抗測定に流用しようとかはしないでください。
PS2:ノイズの影響は電源を入れる前に各電圧を見てみるといいかと思います。大きい場合は精度は出ないと思う。
変電設備などの近くは無理っぽいんじゃないかな?
PS4: 計算式の×1000部分は抵抗の精度やらトランス2次側の合成抵抗の影響があるのでダミー抵抗で機能試験した時に校正済の数値を割り出して使うと良いと思います。
PS5: 100V電源を使うと可搬性が悪いので矩形波交流で測定する方法を試して見た。
555で矩形波交流を作り電源とするのである。

実際に試した結果簡易交流式とほぼ同じ測定結果が出た。
矩形波の中点をGNDにするために比較的大電流を流し中点を作っているので006P電池の持ちが悪い。
そのため電源スイッチは押ボタン式として不用意に放電しないようにしてある。
テスターの測定切り替えはす早く出来るようにスイッチとした。
これもオモチャなのでご使用は自己責任でお願いします。(精度は保証出来ません。)2016 4/21記
ふと思ったのですが12Vのカーバッテリーなど直流電源ではダメなのでしょうかね?
分極という問題がありますが測定し始めた時点であればそこまで酷い値にはならないような気もしますし・・・