実際の回路の構想を行ってみた。構想段階の机上で分かった注意事項は
○まずFET差動超3アンプをLTspiceでシュミレーションする際、2SK30のIDssのばらつきを考慮して行ってみた。
ある程度選別した石を使うとして初段の2SK30のIDssを4.1mAと4.0mAの組み合わせでシュミレーションしたところ完全にアンバランスな状態になってしまった。(初段の2SK30 2個のIDssは定電流部用とは異なり大きめの方がいい。石データーは適当に改造して作った。)
「バランスの変化はかなり敏感に大きく影響する様である。」
基本構想にいくつかの変更が必要である。
1.2SK30は十分選別した上でさらにバランス調整回路を設ける。
ここの調整ボリュームがガリオームになった場合、危ないので150オームの抵抗を保険として入れている。
(500ΩVRで調整出きるのはどうもIDss差で約0.1mA相当分位である。)
2.アンバランス時に出力トランスの焼損を避ける為に出力トランスに流す電流を(上下合計で)ひとまず片側許容許容電流の70mA以下にする。
(終段の定電流回路は初段がしっかりしていれば問題ないので抵抗のみとする。LM317はアンバランス時の過電圧対策等色々出てくるので入れない事にする。)
3.出力段のソース側には5Ω程度の上下のトランスコイル電流測定用の抵抗を組み込む。
(電流アンバランスを2mA以下程度に抑える為にはMOSFETソース部の電圧差を10mV以下に調整する。)
4.入力のDCオフセット電圧は危険な為、通常は入力カップリングコンデンサを入れるべき。(0.2μF以上推薦)
(今回の場合,SE-90PCIは出力カップリングコンデンサがあるので不要と思われるが。)
5.初段の51Vツエナーダイオードは「絶対必須」であり、もし無い場合、入力オフセットや調整中のアンバランスから簡単に初段2SK30が破壊されたり出力トランス焼損(場合によりトランス片側コイルに300mA位流れる可能性もある。)が起こる可能性がある。
○NFBについてはスピーカーの等価回路を使ってシュミレーションすると8Ωの単純抵抗の様に綺麗な周波数特性カーブにはならない。
気に入らないので今回はNFBは行わない。
6.シュミレータ上では入力のゲイン調整用抵抗に47pFを入れると結構いい感じになるので必要に応じて挿入することにする。(スピーカーの等価回路使用時)
7.電源部は前に作った回路をベースにするが電流増大を考慮して変更しておく。
8.出力段ヒートシンクは左右チャンネルで合計4個のMOSFETをくっつける予定だが大きめのCPUヒートシンクに送風量アップを考え従来の5Vから9V(+抵抗ドロッパ?)で行くことにする。
9.初段定電流部(0.8mA)は外部で十分調整した物を組み込む事にする。
0.05mA以下の精度で調整したいがあらかじめ十分調整を行い、実装後は調整しない。(電流測定時に問題が起きそう。)
ここの電流を小さくすると特性的には改善されるが初段の石が簡単にクリップしてしまう。
(実際は耐圧保護、安全回路用のツエナーが作動してしまう。差動オールFET超3アンプは電源電圧を含み「あっちを立てればこっちが引っ込む」感じで「トランプの城」みたいな微妙なバランスの上で成り立っている。)
10.アンプのゲインは自分の使っているPC用サウンドカードSE-90PCIの最大出力±2.8V入力でクリップするかしないかのゲイン約11-12dB固定とする。
○現在使っているシングルFET超3アンプに比較すると予想される項目は
1.重低音の充実。前の物が1.5Wくらいで重低音の「齧り波形」が出るが今回は4Wくらいまでは大丈夫と予想される。
2.コンデンサの誘電吸収の影響が非常に少なくなる。コンデンサで苦労しなくてもクリアな音が出ると思われる。(最大のポイント!!)
3.消費電力が若干増える
4.高音のゲインが若干減るかも。(イコライザで補償可)
5.大入力時3次の歪みが出るがマイルドなので聴感的には大きな問題は無いと思われる。(歪率はシングルより若干悪化すると思われる。)
注意)本回路は例によって当方は一切の保証等は行いません。実施するかたは御自分で十分内容を検討した後、自己責任において行ってください。
○まずFET差動超3アンプをLTspiceでシュミレーションする際、2SK30のIDssのばらつきを考慮して行ってみた。
ある程度選別した石を使うとして初段の2SK30のIDssを4.1mAと4.0mAの組み合わせでシュミレーションしたところ完全にアンバランスな状態になってしまった。(初段の2SK30 2個のIDssは定電流部用とは異なり大きめの方がいい。石データーは適当に改造して作った。)
「バランスの変化はかなり敏感に大きく影響する様である。」
基本構想にいくつかの変更が必要である。
1.2SK30は十分選別した上でさらにバランス調整回路を設ける。
ここの調整ボリュームがガリオームになった場合、危ないので150オームの抵抗を保険として入れている。
(500ΩVRで調整出きるのはどうもIDss差で約0.1mA相当分位である。)
2.アンバランス時に出力トランスの焼損を避ける為に出力トランスに流す電流を(上下合計で)ひとまず片側許容許容電流の70mA以下にする。
(終段の定電流回路は初段がしっかりしていれば問題ないので抵抗のみとする。LM317はアンバランス時の過電圧対策等色々出てくるので入れない事にする。)
3.出力段のソース側には5Ω程度の上下のトランスコイル電流測定用の抵抗を組み込む。
(電流アンバランスを2mA以下程度に抑える為にはMOSFETソース部の電圧差を10mV以下に調整する。)
4.入力のDCオフセット電圧は危険な為、通常は入力カップリングコンデンサを入れるべき。(0.2μF以上推薦)
(今回の場合,SE-90PCIは出力カップリングコンデンサがあるので不要と思われるが。)
5.初段の51Vツエナーダイオードは「絶対必須」であり、もし無い場合、入力オフセットや調整中のアンバランスから簡単に初段2SK30が破壊されたり出力トランス焼損(場合によりトランス片側コイルに300mA位流れる可能性もある。)が起こる可能性がある。
○NFBについてはスピーカーの等価回路を使ってシュミレーションすると8Ωの単純抵抗の様に綺麗な周波数特性カーブにはならない。
気に入らないので今回はNFBは行わない。
6.シュミレータ上では入力のゲイン調整用抵抗に47pFを入れると結構いい感じになるので必要に応じて挿入することにする。(スピーカーの等価回路使用時)
7.電源部は前に作った回路をベースにするが電流増大を考慮して変更しておく。
8.出力段ヒートシンクは左右チャンネルで合計4個のMOSFETをくっつける予定だが大きめのCPUヒートシンクに送風量アップを考え従来の5Vから9V(+抵抗ドロッパ?)で行くことにする。
9.初段定電流部(0.8mA)は外部で十分調整した物を組み込む事にする。
0.05mA以下の精度で調整したいがあらかじめ十分調整を行い、実装後は調整しない。(電流測定時に問題が起きそう。)
ここの電流を小さくすると特性的には改善されるが初段の石が簡単にクリップしてしまう。
(実際は耐圧保護、安全回路用のツエナーが作動してしまう。差動オールFET超3アンプは電源電圧を含み「あっちを立てればこっちが引っ込む」感じで「トランプの城」みたいな微妙なバランスの上で成り立っている。)
10.アンプのゲインは自分の使っているPC用サウンドカードSE-90PCIの最大出力±2.8V入力でクリップするかしないかのゲイン約11-12dB固定とする。
○現在使っているシングルFET超3アンプに比較すると予想される項目は
1.重低音の充実。前の物が1.5Wくらいで重低音の「齧り波形」が出るが今回は4Wくらいまでは大丈夫と予想される。
2.コンデンサの誘電吸収の影響が非常に少なくなる。コンデンサで苦労しなくてもクリアな音が出ると思われる。(最大のポイント!!)
3.消費電力が若干増える
4.高音のゲインが若干減るかも。(イコライザで補償可)
5.大入力時3次の歪みが出るがマイルドなので聴感的には大きな問題は無いと思われる。(歪率はシングルより若干悪化すると思われる。)
注意)本回路は例によって当方は一切の保証等は行いません。実施するかたは御自分で十分内容を検討した後、自己責任において行ってください。