エドワード・ヴァン・ヘイレンの訃報が届いた。
また一人ロックレジェントがいなくなった。
エドワード・ヴァン・ヘイレンといえば、フランケンシュタイン。
N.Y.のメトロポリタン美術館で、ロックギター展【PLAY IT LOUD】を開催するという話を聞き、いいなぁって憧れてたら、N.Y.に住む友達が行ってきてくれた。(パンフなどありがとう)
しっかり飾ってありますよ。エリック・クラプトンの「ブラッキー」やジェフ・ベックのFender、ジミ・ヘンドリックスのラブドロップスなんかと共に、エディの赤いフランケンシュタインが。
このギターのデザインを真似してテープ貼ったりペイントしたりしたギター小僧は多いだろうな。後に布袋のゴルチェ柄も同じような現象があったはずね。
ちなみにこの【PLAY IT LOUD】にはチャックベリーのギター、ジミーペイジのGibsonのWネック、キースリチャーズがクラプトンから誕生日に贈られたテレキャス「ミカウバー」、プリンスのシンボルギター、ジョンレノンのリッケンバッカーなど。ギターキッズにはたまらないラインナップ。
ギター以外にも、ポール・マッカートニーのバイオリンベース、ブルーススプリングスティーンの相棒とも言えるClemonsのテナーSAX、キース・エマーソンの鍵盤にナイフが突き刺さったままのハモンドオルガン、メタリカのドラムセットなんかも展示してあったらしい。
いいなぁ日本でも巡回展して欲しかったなぁ。
ヴァン・ヘイレンといえば、デビューアルバム『炎の導火線』(原題:Ven Halen)だな。
当時の洋楽と言われるジャンルには邦題が付いていたのよ。
とりあえずハードロックには「漆黒」とか「暗闇」とか「悪魔」とかつけときゃ雰囲気出るだろうって投げやりに近いところが、当時の音楽界がいかに洋楽の新人バンドにいい加減な対応だったかよくわかる。
KISSとか「地獄の接吻」「地獄の狂獣」「地獄の軍団」・・・出るアルバム全部地獄。ブラックサバスは「黒い安息日」「血まみれの安息日」だったのに途中から「悪魔の掟」「悪魔の落とし子」になった。エアロスミスのデビュー作は「野獣生誕」二枚目は「飛べ!エアロスミス」と何のひねりもない投げやりさで3枚目でようやく「闇夜のヘヴィ・ロック」とこれまたよくわからん邦題がついている。
毎月嫌ほど届く試聴盤をまともに聞いてなかったの丸わかり。
歌・演奏って書いてあるところも泣けるぜ・・・。
しかし、このヴァン・ヘイレンのデビューアルバムは傑作なのである。
当時パンクロックに傾倒し始めてたのに、友達の家で聴いてびっくりした。
「You Really Got Me』という曲が入っている。これがKinksのカバー曲だということは後で知ったが、なんてかっこいい曲なんだろうと思ったよ。ちなみにヴァン・ヘイレンはロイ・オービソンの「(Oh)Pretty Woman』もカバーしてる。
そしてこのアルバムの邦題(炎の導火線)が付けられた『Erupition』というギターのみのインスト曲。この曲がエドワード・ヴァン・ヘイレン及びヴァン・ヘイレンというバンドの名前を世に知らしめたと言っても過言ではない。(ちょっとイキって音楽評論家風に書いてみました)
後にエディの代名詞とも呼ばれるライトハンド奏法。
左手のハンマリングオンとオフ、そして右手も使ったタッピング奏法、いわゆるライトハンド奏法と、高速ハミングバード・ピッキングやバイオリン奏法などが、このアルバムいたるところで駆使されメロディアスに弾いてるのだが、特にこのギターインストソロ曲は、途中からライトハンド奏法のみで弾かれている。
これがまた、いやいやなんなのこれ???って感じ。笑えてきちゃうくらいかっこいいのだ。メロディアスで幻想的で。
そして大事なところ。実はこの曲、このソロ、誰でも簡単にコピー(弾くこと)ができるのだ。前半部分は無理よ、無茶よ。後半のライトハンドのみの部分ね。指を押さえるところと弾くリズムさえ合わせられれば、誰でもこのメロディアスでかっこいいギターが奏でられるのだ。
後にいっぱい早弾きギタリストは出てくるんだけど、ジョー・サトリアーニやイングウェイ・マルムスティーンなんかは真似しようと思わないもの。やっぱりギター小僧にとって楽しみは、レコードやテープに合わせて一緒に弾けることなのよ。あまり高度なテクニックだと最初から諦めちゃうのよ。
DEEP PURPLEの『Smoke on The Water』が広く愛されたのも、リッチー・ブラックモアの弾くリフとソロが、「誰でも弾くことができる(できそう)」で、且つ「上手そうに聞こえる」だからだ。
これは大事だ。
BOOWYの布袋のソロは「弾けそう」と思いコピーするギター小僧が多く、Judy&MarryのTAKUYAのギターは「こりゃ難しい」と諦めてしまったアマチュアバンドのギター(ほぼ初心者と一緒)が多かった。決めつけて悪いけど。多分そうだ。
ギター上級者のみカバーしまうというパターンはヒットにはつながらないのよ。(同じようなことはRCのチャボやマーシー(ブルーハーツ/ハイロウズ)のギターが人気があることにも言えるんじゃないかな。
ちなみにこのアルバムに収録されてる「I'm The One」の高速3連リフ(シャッフル?)は、とてもじゃないけど真似できません。
マイケルジャクソンの『Beat It』(邦題:今夜はビートイット)のギターソロがエディだということで話題になった(リフの部分はスティーブ・ルカサー/TOTOとポール・ジャクソンJr.)。
当時、白人のギタリストが黒人のアルバムに参加することはタブーだったみたいだが、そんなの御構い無しにチャラっと弾いている。
隣のスタジオにたまたまいたとか、マイケルから電話がかかってきて行ったら弾いてよって言われたとか、クインシージョーンズが依頼してきて最初は断ったとか色々逸話があるけど、どうでもいいよね。とにかくこのギターはかっこいいのだ。
それと同時期に出したアルバム『1984』は大ヒットした。
『JUMP』や『Panama』などヒット曲が多く入ってる。キーボード(シンセ?)が多用されてて聴きやすいからかな。とにかく売れた。
で、それまでのデヴィッド・リー・ロスが抜けて、次のアルバム『5150』ではサミー・ヘイガーがボーカルに変わるのだが、これまた大ヒット。
日本のバンドでボーカルが変わったり、メンバーチェンジすると途端に売れなくなったりするんだけど、海外はあんまり関係ないのかね。結構メンバーチェンジしてるもんね。
ここら辺はモー娘。やAKBグループなどアイドルグループに近いところがあるのかな。
その後は・・・。ごめん、まともに聴いてないや。
もともとハードロッカーじゃないしね。
最近のアルバムはおろか、ライブ活動とかも知らなかった。で、この訃報だ。
最近の曲はほとんど知らないが、Van Halenをはじめ、Led ZeppelinやDeep Purple、RAINBOW、White Snake、AEROSMITH、Black Sabbath、SCORPIONS、AC/DC、Def Leppatd、Ozzy Osbourne、Iron Maiden、Guns And Roses・・・往年のハードロック、メタルの名曲は俺のiPod及びiPhoneにかなり入ってる。
昨夜からずーっとハードロックが部屋で流れてる。
ちょっとギター少年に戻った。