GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

Mr.Childrenの曲をパクってどうする

2015-12-14 17:52:12 | MUSIC/TV/MOVIE
2015年はパクリの年?
平浩二さんの「ぬくもり」の歌詞と、Me Childrenの「抱きしめたい」の歌詞が酷似してる、パクリじゃないかって。
調べてみたら酷似ってレベルじゃなくてコピペの世界。1番の歌詞なんか[霧雨けむる静かな夜]の箇所が[霧雨のふるかがやく夜]になってる以外はまったく一緒。これはいくらなんでもダメだろ。

この「ぬくもり」は平浩二さんが徳間ジャパンから今年5月発売した「愛・佐世保」(これもまた[愛・地球博]みたいだな)のB面曲。
今月10日に徳間の制作ディレクター宛てに匿名でメールが届いて事態が発覚したらしい。このネット住民の監視が厳しい時代に、よく今までバレなかったな。それほどこのシングルは売れてなかったんだろうか。
そして今月11日午後、この曲の作詞をした沢久美さんも出席してミーティングを開いたらしい。
その席で沢さんは「私は60を超えていて、ミスチルもよく知らないし、『抱きしめたい』は全く知らない。だから盗作はしていない」と疑惑を否定。

元歌手の沢久美さんは公称プロフィールで1945年生まれだから、70歳だよな・・・。
それを「60を越えていて」?。普通は「70前」だとか「70になりまして」とか言わないか?まぁそれはいいとして、60歳だろうと70歳だろうとミスチルファンはいるだろうし、AKB48やEXILEファンだっているだろう。10代の小林幸子ファンだっているように、この年齢と知ってる知らないは全く連動しないだろう?

まだ、この人がミスチルファンならまだかわいげがあったんだが、この人のミーティングでのコメントがもし報道通りだったら、ボケが始まってるか、確信犯が言い訳してるかのどっちかだろう。
でも、最近報道は都合のいいようにリライトするからなぁ。よくわからん。
広告の世界でも、リライトはされる。クライアントの熱くて長いメッセージをキャッチコピーやヘッドラインにリライトするのは至難の業。
文字数を削り、わかりやすくする。ダラダラ書いてあっても誰も読んでくれない。

テーマやモチーフが似てる歌詞が世の中に多いのは、このリライトして作った歌詞が多いから。
今までに誰かが作った歌詞をモチーフにして、文字を言い換えたり、男女を逆にしたり。「が」「は」「に」を駆使し、言葉の並び方、順番入れ替えたり。歌詞をそのまま転用してるのは少ないが、このリライトされたと思われる歌詞は多々ある。
この曲を作詞した、沢久美さんって元歌手のプロ作詞家らしいが、今までもリライトして歌詞作ってたんだろうな。
今回の曲について言えば、2番なんかは見事にリライトしてできあがった。1番もリライトできてたのか、出来なかったのかわからないが、1番の部分が制作途中のままのものが、そのまま渡ってしまったって感じだ。2番の歌詞に対して1番の歌詞がもろコピペになってるのはこのせいじゃないか?

音楽のパクリは多々ある。
メロディが似てる、コード進行が似てる、歌詞が似てる、フレーズが似てる。
でも、どこをどう指摘してパクリなのかインスパイアと言うのかか微妙だ。
大滝詠一のヒットアルバム「A・LONG・VACATION」のB面ラストの「さらばシベリア鉄道」はジョン・ウェイトンの「霧の中のジョニー」と全くメロディも間奏も一緒だ。日本じゃまったく[霧の中のジョニー]は知られてないから出来る技。
山下達郎が「クリスマスイブ」を発表した時には、間奏で使われてるカノンって言葉や曲自体が一般人は知らなかった。

布袋寅泰がBOOWY解散後出した「GUITARHYTHM」。1曲目からいきなりジグジグスパトニックのパクリと思わせる曲だった。(でもこの曲、その後本家ジグジグのメンバーとセッションで演ってる)。「BEAT EMOTION」はエアロスミスの[SWEET EMOTION]とメロ一緒リズム違いだ。
REBECCAの「MOON」や「LOVE IS CASH」はマドンナの「Papa Don't Preach」や「MATERIAL GIRL」とリズムが一緒だったり世界観が一緒だったりする。
佐野元春の「アンジェリーナ」のイントロはブルーススプリングスティーンの「明日なき暴走」のイントロと一緒だ。
ピンクレディの「渚のシンドバッド」のイントロだってラモーンズだし、80年代のアイドルソングなんか「パクリ?」って言い出したらきりがないくらい多かった。

歌詞のパクリはちょっと似てるなぁとか、このフレーズ一緒じゃない?程度。
松本零士の漫画からパクったであろう槇原敬之の歌詞。本人は結局否定したが、似てるもんは似てる。
歌詞にそんなウェイトを置いてないヒットメーカーもいる。
サザンオールスターズの桑田佳祐がそうだ。
桑田は「ただの歌詞じゃネェかこんなもん」って自著で、「レコーディングの際にあと一曲どうしても作れない時は、今までのロックの名盤アルバムとか聴きまくって、いいフレーズをギターでコード拾って適当に書き出す。そして寝る。次の日どの曲のどの部分かわからないそのコードを弾いて、歌詞を適当に付ける」って平気で書いてる。自分で「パクリの天才」って書いてるもの。
その桑田はメロディ先攻で曲を作ってから、そこに適当なでたらめ英語で仮唄入れながら曲を作るらしい。
ミスブランニューデイ「夢に見る姿の良さと美形のブルージーン・・・」の歌詞は、仮唄で「You may needナンチャラカンチャラ」って適当に唄ったのを書き直しただけ。(本当)
桑田は明らかに歌詞から作ったであろう曲の名曲も多々あるけどね。

歌詞の天才と言えば中島みゆきと松任谷由実。
この二人の歌詞をパクろうとは誰も思わないだろう。
独特の世界観、言葉の使い方の巧さ。見事也。

中島みゆきは人にあげた曲を自分で又、歌ってしまう。
普通は、人にあげた曲がヒットした場合、原作者が唄うと「?」って思うんだが。
「私はピアノ」の原由子ver.とか、ユーミンでさえ小林麻美に書いた「雨音はショパンの調べ」にしろ「まちぶせ」にしろ「微妙・・・」って感じ。
でも中島みゆきの場合は「あぁ、この曲はこう本来は唄うのね」って思わされてしまう。
TOKIOに提供した「宙船(そらふね)」とか、ももいろクローバーZに提供した「泣いてもいいんだよ」とかね。
工藤静香に提供した「黄砂にふかれて」なんか、自分で唄う時は2番の歌詞が全く変わってたりする。これが又良い出来なのよ。

井上陽水の名曲「帰れない二人」も共同制作者の忌野清志郎はRC SUCCESSIONで「指輪をはめたい」って菓子を全く替えて唄ってる。
井上陽水の「ワカンナイ」って曲は宮沢賢治の「アメニモマケズ」を完全にモチーフして作られた。これは沢木耕太郎さんの「バーボンストリート」の井上陽水とのエピソードに書かれてる。

そう、沢久美さんもパクらずに歌詞を提供してもらったりモチーフとして使ったと公言してしまえばよかったのよ。
それならメロディは新たに作曲して付けるのもいい。歌詞などは一部変えて使うのもあり。
飽きるほどカバーソングが唄われる今の時代。結構このモチーフカミングアウトソング、「あり」かもよ。

カバーソングは、所詮どんなに歌が上手い歌手が唄っても、原曲の方がいいに決まってる。(中には椎名林檎の「木綿のハンカチーフ」みたいに原曲越えもあるが)
新たなカバーのあり方と言うかリメイクと言うか、モチーフソング。これはこれでありじゃないかな。
森進一の「おふくろさん」のように、ちょっと付け加えただけで「もう唄わせない」って怒られる場合もあるからどうかわからないが。

13日に発売元の徳間ジャパンコミュニケーションズが、公式ホームページで謝罪文を掲載した。
著作権侵害に相当するものと判断し、商品の回収を決定したことを発表。Mr.Children及びミスチルファンにも謝罪してる。

でもさ、一つ不可解なのよね。盗用するとかリライトするなら、何故ミスチルほど有名なバンドの歌詞を使った?
売れなかった歌手やバンド、インディーズなんかから盗用するならバレにくいが、ミスチルだよ?一体今までに何枚のミリオンレコードセールスをしてるかわかってるよね。こんな大人気バンドの曲から盗用したらいつかバレるってのはわかりきってるよね。
音楽制作会社や弟子かなんかが用意した歌詞か?歌詞応募作品の中にでも紛れ込んでた作品なのか?(それならそれで盗用だが)陥れるためか?
ちょっと不思議。

ちなみにこの「愛・佐世保」amazonで現在、新品12,000円中古で13,450円になっている。
廃盤やインディーズ盤のように、ちょっとレアコレクターアイテムになりそうだ。




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