前回はチャーリーとチョコレート工場を観たわけですが、今回はそこで公開宣伝をやっていた、同じくティム・バートン監督作品「ティム・バートンのコープスブライド」を観て来ました。
「ティム・バートンのコープスブライド」
公開日:2005年10月22日
配給:ワーナーブラザーズ
製作国・地域:イギリス
上映時間:77分
監督:ティム・バートン、マイク・ジョンソン
脚本:パメラ・ペトラー 、他
音楽:ダニー・エルフマン
声の出演:ジョニー・デップ 、ヘレナ・ボナム=カーター 、他
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/corpsebride/
この映画は12年前に公開された「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の後継的な位置付けとなっています。というのは、映画の作り方というか、ジャンルが同じであることが最たる理由だと思います。
この作品は「クレイムービー」、所謂「ストップモーション・アニメ」という手法で作られていて、これは映像の元となる人形や模型をほんの少しずつ動かして、ひとコマずつ撮影していき、最後にそれらを繋げて連続して映写するというものでして。一昔前の2次元アニメが、セル画のパラパラ漫画の仕組みであったように、それを3次元にしたものがこの「ストップモーション・アニメ」なわけです。動きを滑らかにする為には、そのひとコマずつの総数を増やせばいいわけなんですが、こんな言葉でさらっと流せるほど安易なものではありません。
この映画のように、ちょっとした表情の変化や仕草、動作を細やかに表現する為には想像を絶する作業が必要であったと思います。一秒作るのに半日を要したりする世界。上映時間は77分なので、普通に映画を見終わった後には「少し短い映画だった」と感じるかもしれませんが、一秒に半日かけたりする世界で77分の映画製作。途方もないねw
また、3Dなので、アニメセルのように前の絵と重ねて描くわけにはいかないので、これまた繋げてみないと分からない世界。
いやはや、創り手には頭が下がります。
そのようにして作り出されたこの映画の人形たちは、あたかも命が吹き込まれたかのように動き出し、細やかな表情でその心情を表現してくれます。
ここで注目したいのがその題材です。
映画の製作段階においても人形に生命を吹き込むという作業をしているのに、作中では死体までもが生命を持つかのように紡がれたストーリー。このあたり絶妙です。実にニヤリですよ。
作中の死者たちは、すでに死んでいるがゆえに生に囚われない自由な生き方(?)をしています。それが生者の打算や欲求といった俗世な部分を浮き彫りにさせていて、妙にシニカルですね。
そのような「人間を演じる」人形、「死体を演じる」人形たちが織り成す純粋な心のファンタジー。本来血の通わない、心を持たない人形や死体といった物体が、逆に生きている我々に、心の痛みや暖かさ、幸せを教えてくれる、そんな映画です。
細かいツッコミどころもあるのですが、こういう作品はその世界観に浸って観ることが楽しく観るファクターだと思いますので(この映画に限りませんが)、これからご覧になるみなさまも、この独特なる世界観に浸って観賞されると良いと思います。
ここで僕からひとつお願いが。
公式サイトにある「冥土 in LOVE」は流してやってください。
悪気はないんだと思います。
余談ですが、物語の核となる部分にはキリスト教における結婚という儀式性が前提として据えられています。我々日本人には誓いの言葉や指輪の儀式に馴染みがないので、その契約性に少々違和感が伴うかもしれません。
最後に追伸。
「命なき者に命を吹き込む」「クリエイターの技術の粋を集めた」という点では同じなのですが、その手法において対極に位置するこんな映画もあるので、較べて見るのもまた一興かもしれません。
■FINALFANTASY VII ADVENT CHILDREN(公式サイト)
■FINALFANTASY VII ADVENT CHILDREN(amazon)
「ティム・バートンのコープスブライド」
公開日:2005年10月22日
配給:ワーナーブラザーズ
製作国・地域:イギリス
上映時間:77分
監督:ティム・バートン、マイク・ジョンソン
脚本:パメラ・ペトラー 、他
音楽:ダニー・エルフマン
声の出演:ジョニー・デップ 、ヘレナ・ボナム=カーター 、他
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/corpsebride/
この映画は12年前に公開された「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の後継的な位置付けとなっています。というのは、映画の作り方というか、ジャンルが同じであることが最たる理由だと思います。
この作品は「クレイムービー」、所謂「ストップモーション・アニメ」という手法で作られていて、これは映像の元となる人形や模型をほんの少しずつ動かして、ひとコマずつ撮影していき、最後にそれらを繋げて連続して映写するというものでして。一昔前の2次元アニメが、セル画のパラパラ漫画の仕組みであったように、それを3次元にしたものがこの「ストップモーション・アニメ」なわけです。動きを滑らかにする為には、そのひとコマずつの総数を増やせばいいわけなんですが、こんな言葉でさらっと流せるほど安易なものではありません。
この映画のように、ちょっとした表情の変化や仕草、動作を細やかに表現する為には想像を絶する作業が必要であったと思います。一秒作るのに半日を要したりする世界。上映時間は77分なので、普通に映画を見終わった後には「少し短い映画だった」と感じるかもしれませんが、一秒に半日かけたりする世界で77分の映画製作。途方もないねw
また、3Dなので、アニメセルのように前の絵と重ねて描くわけにはいかないので、これまた繋げてみないと分からない世界。
いやはや、創り手には頭が下がります。
そのようにして作り出されたこの映画の人形たちは、あたかも命が吹き込まれたかのように動き出し、細やかな表情でその心情を表現してくれます。
ここで注目したいのがその題材です。
映画の製作段階においても人形に生命を吹き込むという作業をしているのに、作中では死体までもが生命を持つかのように紡がれたストーリー。このあたり絶妙です。実にニヤリですよ。
作中の死者たちは、すでに死んでいるがゆえに生に囚われない自由な生き方(?)をしています。それが生者の打算や欲求といった俗世な部分を浮き彫りにさせていて、妙にシニカルですね。
そのような「人間を演じる」人形、「死体を演じる」人形たちが織り成す純粋な心のファンタジー。本来血の通わない、心を持たない人形や死体といった物体が、逆に生きている我々に、心の痛みや暖かさ、幸せを教えてくれる、そんな映画です。
細かいツッコミどころもあるのですが、こういう作品はその世界観に浸って観ることが楽しく観るファクターだと思いますので(この映画に限りませんが)、これからご覧になるみなさまも、この独特なる世界観に浸って観賞されると良いと思います。
ここで僕からひとつお願いが。
公式サイトにある「冥土 in LOVE」は流してやってください。
悪気はないんだと思います。
余談ですが、物語の核となる部分にはキリスト教における結婚という儀式性が前提として据えられています。我々日本人には誓いの言葉や指輪の儀式に馴染みがないので、その契約性に少々違和感が伴うかもしれません。
最後に追伸。
「命なき者に命を吹き込む」「クリエイターの技術の粋を集めた」という点では同じなのですが、その手法において対極に位置するこんな映画もあるので、較べて見るのもまた一興かもしれません。
■FINALFANTASY VII ADVENT CHILDREN(公式サイト)
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