御厨の呟き

主に政治・社会・科学あたりのことを書き散らしています。自給自足自存自衛を旨としていきたいです。

果たして日本は再生医療の分野で主導権を握れるか。

2007-12-08 11:15:02 | 科学
ここ数日、新型の万能細胞を作ったことで脚光浴びた山中教授について多くのメディアが取り上げている。
で、読売の記事。
「万能細胞、国の支援を要望…山中・京大教授」
ttp://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071208-OYT8T00081.htm
アメリカも負けじと莫大な研究費を投入しているとか。
このあたりがアメリカという国はうらやましく、日本という国はだめだなぁと痛感させる。

正直な話、政府は片方で無駄金を使いまくって、有益な分野にどれだけの金を出すのだろう。
某中国に遺棄された化学兵器云々の費用が細かい精査もされずに一兆円以上投入。
渡辺喜美行革大臣が抵抗受けている独立行政法人、改革できたら消費税1%は節約できるとか。
悪名高き「私のしごと館」総工費:581億円。

利権のためならばどれだけでも金が投入されるが、そうでないなら…。
何という近視眼だろう。

アメリカが万能細胞の特許を得たならば莫大な特許料を設定されるのは目に見えている。
記憶がうろ覚えだが、NHKのドキュメンタリーで(たぶん「世紀を超えて」)人の遺伝子を解析してリウマチの特効薬を開発したが、莫大な特許料を設定されて、患者が治療費用にあえぐという話。ヒトゲノムに特許を認めるのかとかいうのが本題だった。
日本では一応保険は適用されるが万単位の費用を持続的に払うのは難しく、治療を受ける人は少ない。
だがやがて、これが保険制度を破綻させるかもしれないとのナレーション。
患者の苦悩など意に介さず、企業は治療したくないなら金を払わなければ良いと言い放つ。
この国はそういう国なんですよ。

万能細胞はどこまで応用できるのか分からないが、この技術を高値ではあく安価で提供できるなら人類社会を大きく変えることになるだろう。
臓器移植の治療だけなく、地雷などで失った四肢の再生もできるだろう。先進国だけでなく第三世界でも福音をもたらすだろう。
寿命も人間の限界ぎりぎりまで延びるだろう。
病人や寝たきりの人間がいなくなり、健康で寿命が長ければ、福祉・医療の負担も軽減するだろう。
あるいは、限し界がなくなるかもしれない。
そんな技術をみすみすアメリカなどの国に渡してはいけない。

現実はどうなるだろう。
山中教授は「山中研究室VSアメリカでは山中研究室は負けるだろう」と言っている。
その通りだと思う。
アメリカの大学は大規模なシステムを構築で行っている。
数が違う。
圧倒的物量というと、大東亜戦を思い起こさせる。
奇しくも今日は真珠湾攻撃の日。
60年経つが、日本は相も変わらず職人芸で優れているが、歴史が繰り替えすように物量の負けるのだろうか。
メディアは山中教授、ノーベル賞も有力か、などと報道しているので世論に押されて、莫大な費用を投じてくれるかもしれない。
そうだといいのだが…。



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