首なし身代わり地蔵

大分市東津留一丁目七番
大分市市役所から１９７号線を坂ノ市方面に進み
舞鶴橋を渡って花津留の信号を右折してすぐにあります

本当はナスカ展を見に行ったんだけど、
いや見たんだけど、
その後に違う道をブラブラ帰ってたら発見しました

静かな住宅街にいきなりあって
お寺とお堂と民家の中間みたいな建物で
何があるのかちょっとわからない感じ。

お堂の中を格子戸越しにのぞくと
中は暗くてよく見えないんだけど
何体かのお地蔵さんがいる様子。
首のないお地蔵さんは見えなかったような見えたような。

格子戸の真上に由来記が書いてありました。

　・身代わり地蔵由来記・

昔この地に浄土宗浄安寺の支陀松寿庵の境内に
地蔵堂があった。何時の頃の建立か明らかではない。
元文の頃のこの近所に老母と二人で貧しい生活を
しながらも孝行を怠らない若者があった。
若者は地蔵様にお参りして、貧しい身の不幸を嘆き
後の世は幸福であるようにと、朝夕にお願いをして
居った。母が瓜を好むので毎日喰べさしていたが、
後には買う金がなくなったので、身の貧しさを悲しみ
御仏にも事の次第を詫びて、心ならずも近所の畑の
瓜を盗んでは喰べさしていた始の頃は畑の主も
見て見ぬ振りをしていたが、遂には堪りかねて
或夜、畑の近くに待ち構えて、刀で切り捨てた。
若者は心根からとはいえ、この様な目にあい
死ぬのであろうかと無我夢中で我家に逃げ帰った。
畑主は僅かな事で立腹の余り人を殺した罪の恐ろ
しさに翌朝早く起きてその家の前に行って見ると、
若者は常日頃の如く母と二人で仲好くやっていた。
さては人違いをしたのではないかと畑に行って見れば
何の跡形もなくああ嬉しかった。と独り言を云い乍ら、
お寺の方を見るとお坊さん達が昨夜お地蔵様を刀で
斬り捨てた者がある。世には馬鹿者があるものだ
と話しているのを聞いて身にしみて恐ろしく又恥ずかし
く思い、昨夜の模様を詳しくお坊さんに話した。
瓜を盗んだ若者もこれを聞いて自分も地蔵様に罪を
訴えて、お詫びを申し上げた。地蔵様が若者に
代わって命を救われたので有難い事である。
首が落ちたので一名首無地蔵とも云う。

原文は難解で読みづらいから現代風に訳す。
当地区の区画整理で境内の大銀杏二本を伐採し堂の
普請と境内の整備をしたのでこの由来記を作り
永く伝記を残しておきたい
昭和四十七年十月吉日

ええーおもっきり日本昔話しじゃないですか！
しかもこんな近くに・・・
市○悦子と常○富士男の声が聞こえてきます。

悪い人はいないんだけど
貧しい世の中で、悪いとわかっていても
生きるために仕方がなかったんですって罪を
お地蔵さんが受けてくれたと

ん～とか言いながら
いろいろとイメージしちゃいます。

で、首はどこに行ったのかと思ってたら
由来記に続きが。

附記

当地蔵尊の首は熊本県阿蘇郡小国町の
黒川温泉の地蔵湯の本尊として祀られ
霊験あらたかで諸人の崇敬を受けている。
伝説によれば当時この地を巡回中の六部が
地蔵尊の首を持行きて各地を巡りて小国の・・・
・・・って・・・なりたるにより・・・処お湯・・・出たり・・・
これが・・・黒川温泉の元湯と云う。

正直、漢字とか難しくて・・・
由来記を携帯で撮影して帰ってからじっくり調べようって思ってて・・・
でも、ちゃんと写ってなくて・・・
未完成に終わりました・・・ごめんなさい！！

現代風にって書いてあったんだけど
旧漢字とかバリバリ使ってあって
「嬉しかった」なんて女へんに七が三つで書いてあって
ＩＭＥにない漢字で大変だった・・・
でもチャンスがあったらまた見に行こっと。

つーか、
黒川温泉の元湯の伝説のはじまりがココって事なんだね！
けっこう凄い場所なんだけど・・・
もうちょっと派手に祀ってもいいと思うんだけどなぁ。

うーん、しかし、
ジャパニーズファンタジーが身近にあるって
なんとも嬉しい所ですなぁ。
お堂には背の高い桜の木が植わっているので
花見スポットによさそうです。

そして年に一度、８月２６日にご開帳されるとか
見に行ってみようかな。

★redpillさんが黒川温泉の地蔵堂を紹介してくれてます！★
首の行方はここですよ～