http://www.ikedahayato.com/20151026/42988045.html
実際、「ブラック企業で毎日残業つづきで、うつ病になりかけてます」なんて人に「置かれた場所で咲きなさい」なんて言えないじゃないですか。本当に死んでしまいますよ。まったく笑えない。
「置かれた場所で咲きなさい」というのは、かなりの度合いで「恵まれた」人にしか「言ってはいけない」言葉です。
弱った人、追い詰められた人にとっては、死に追いやられる可能性のある言葉です。
恵まれた者の責任逃れ
少しうがった言い方をすると、これは「責任逃れ」でもあります。
たとえば、「ブラック企業でうつ病になり、生活に困窮した結果、ホームレスになってしまった若者」に、「置かれた場所で咲きなさい」と言ったって、彼・彼女は多分救われないですよね。
これ、ほとんど「お前の自己責任だ、死ね」と同義じゃないですか。
ちゃんと社会としてすくい上げないと、路上からの脱出もままなりません。置かれた場所から、ぼくらの手で引っ張り上げるべきなんです。
無論、本書がそういう「責任逃れ」の書物だ!と批判しているわけではありませんよ。でも、この言葉は、そういう文脈でも読めてしまうくらい、怖いものなんです。
自分で納得して「置かれた場所で”私”は咲こうと思う」と決意するだけなら無害です。
が、ひとたび他人に対して「お前は、置かれた場所で咲く努力をしろ!」と偉そうに説教するようになると、大きな害悪になります。
実際、大企業のおっさんとか、ブラック企業の社員とか好きそうじゃないですか、この言葉。おー、いやだいやだ。