鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の残影ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第四話

2019-10-11 06:11:08 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



白銀の残影ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー

第四話


「自分の生い立ちですか。」
「……。」
10秒ほど間を開け、口を開いた。

自分は、クローンにより、この世に生をもたらした存在。
「新見少佐。イスカンダルはご存知ですよね!?」

「ええ。」

「自分は、そのイスカンダルの第一皇女"サーシア様のD.N.Aから造られたクローンです。」
「ただ、スターシャ陛下も第一皇女のサーシア様もご存知ではないもののと、思います。」
「言うなれば、存在してはならないのが、このガーランドです。」
「では何故、自分が今もこうして存在するか。」

それは・・・

さかのぼる事、約二年前__。


西暦2200年・初冬


この世に産声を上げたイスカンダルの女王スターシャの愛娘=サーシア。



特使を兼務する執務士のメルダ・ディッツは、陛下スターシャの代理としてサーシアの成長記録を毎日、付けていた。
そんなある日、何時ものようにサーシアの髪を櫛入れをしていた。
髪の毛の生え変わりの時期と重なったのだろう。
何本かの髪が抜け落ちた。
その内の一本だけを拾い、記録紙に置きショット撮影を済ませ、サーシアをカプセルベッドに寝かせ、ミルクを作る為、部屋をあとにした。
それと入れ替わるようにサーシアの誕生プレゼントを持参したデスラーは、もう一人の執務士ヒルデ・シュルツと共に一目サーシアを見ようとサーシアの眠る部屋を訪れた。
そして、メルダが仕舞い忘れた成長記録に目をやると隣に置いてあるサーシアの髪の毛を目にした。
デスラーは思う。
「果たしてサーシアは誰の子なのか」と。
デスラーは、その髪の毛を持ち帰り、D.N.Aを調べる傍ら侍女のD.N.Aを利用してクローン再生させた。

「そう。そして産まれたのが、自分だ。」
「これが生い立ち。」
「地球人とイスカンダル人の子が第一皇女のサーシア。」
「そのD.N.Aからクローン再生されたのがガミラス人の自分だ。」
「地球人でありイスカンダル人、そしてガミラス人の血が合わさったクローン人間。」

薫は複雑な気持ちだった__。

「で、どうして地球へ?」

「ああ。」
「漸く修復された月面大使館のバレル大使の片腕的存在の次期武官が決まるまで着任して、ガミラスに帰投するはずだったのだけど、丁度その頃からガトランティス人と鹵獲したカラクルム級の解析が始まった。」
「その事を総統に報告したら、大使経由で技術将校として残る事に成ったって訳さ。」



「なるほどね。」
「私はこれで失礼するわね。」
「約束は守るわ。明日からが楽しみね。」


◆◆◆◆


薫は思う。

「なるほどね。スターシャと守の子かぁ。」
「そりやぁ似るわね。」



「……なんか私も欲しくなっちゃったな。」
薫の顔が「ポッ」と朱く染まった。

でも、鹵獲したカラクルム級は何に使うつもりなんだろう?
私がサンプルとして預かったカラクルム級は確かに乗艦タイプだけど、彼女を乗艦させても・・・

「う~ん。」
「嫌よ。三人で宇宙の旅なんて。」

「こんな事なら明日なんて言わず、聞いておけば良かった……。」

「はぁ。」



薫はモヤモヤする気持ちを紛らわすかのように、デスクに向かい、モニターを開き、キーボードを「カタカタ」と打ちはじめた。
モニターに映し出されるカラクルム級。
「大尉(ガーランド)はサンプルも持っていないのにも関わらず、利用価値を見出だした。」
モニターを見ながらデータを見直し、思い付く限りを入力、想定される回答を一つ一つチェックした。

「あ~。もう~。」
「どれもこれも、パッとしないわ。」

「これじゃ、眠れなくなりそう。」
「最上階のバーラウンジにでも行くかぁ。」

この施設は研究室以外に研究員たちが泊まれるように個室やレストラン、最上階にはバーラウンジまである。
ちょっとしたホテルだ。
ガーランド大尉も個室が与えられている。
IDカードさえ有れば、飲食代はタダである。
連邦政府及び軍が全て支払う。





「ようこそ。バーラウンジへ。」
「ご注文をどうぞ。」
ウエイトレス型のアンドロイドが対応するスタイルのバーラウンジだ。
一人のお客に対し、一体のアンドロイドが専任で対応する。
薫はハイチェアに腰を下ろし、守が好んで呑んだフレンチコネクションと言う名のカクテルを注文した。

※VSOP(ブランド)45mlアマレット15ml

守は、このカクテルの名前の由来と成った20世紀の作品【フレンチコネクション】が好きで、この物語りに因んだカクテルがある事を知り、呑むように成ったのだ。



【フレンチ・コネクション】(The French Connection)は、1971年製作のアメリカ映画。
原作はロビン・ムーア (Robin Moore)による同名のノンフィクション小説。第44回アカデミー賞に8部門でノミネートされ、作品賞、 監督賞、 主演男優賞、 脚色賞、編集賞の5部門を受賞した。

監督ウィリアム・フリードキン
脚本アーネスト・タイディマン
原作ロビン・ムーア
製作フィリップ・ダントーニ
製作総指揮G・デイヴィッド・シャイン
出演者ジーン・ハックマン
音楽ドン・エリス
撮影オーウェン・ロイズマン
編集ジェリー・グリーンバーグ
配給20世紀フォックス
公開1971年10月7日(アメリカ)
上映時間104分製作国アメリカ合衆国言語英語、フランス語
製作費$1,800,000興行収入$51,700,000(当時)


あらすじ

ニューヨーク市警察本部薬物対策課で“ポパイ”とアダ名されるドイル刑事。
彼は薬物捜査のベテランだが、捜査のためならば強引な手法も厭わない。

麻薬の売人を逮捕したある夜、ドイルは相棒のルソーと共にナイトクラブ「コパカバーナ」に飲みに出かける。そこには有力マフィアの組長たちが妻同伴で来店していた。
その際、組長夫妻たちと共にテーブルを囲み、札びらを切っている若い夫婦がいた。
不審に思ったドイルとラソーは、その夫婦を捜査する。

夫婦は、表向きはブルックリンでデリカテッセンを営んでいるが、夫のサル・ボカは強盗事件などで何度か捜査対象になるなど、犯罪やマフィアに近いところにいた。
工員、郵便配達人などに偽変しながら夫婦を視察下に置くドイルとルソー。すると、夫のサル・ボカがニューヨークの麻薬取引の元締めで大物マフィア・ワインストックの舎弟であることが判明した。
また、サルは近いうちにフランスとのヘロインの大口取引を任されるという。

財務省麻薬取締部の捜査官たちと捜査を進めると、マルセイユの黒幕のアラン・シャルニエがニューヨークを訪れていることが判明する。
シャルニエを執拗に追及するドイル。シャルニエはこれ以上追及の手が迫ることを恐れ、殺し屋ニコリをドイルのもとへ差し向ける。


第五話へつづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

最新の画像もっと見る