鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の残影ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第三話

2019-10-09 19:58:04 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



白銀の残影ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー

第三話


「で、相談って?」半分ほど食べ終えたところで、新見の方から切り出した。
「ポカーン」と見とれているガーランド大尉。蒼い肌の色と金髪の毛の色を除いて、顔や話し方、それに声までも"あの人"にそっくりで、初めて逢った時は逆におどおどして、ろくな挨拶すら出来なかったほどである。
今は、薫の心に芽生えたものが積極的に自身を煽る。



「あっ!?はい。」
「それはランチが終わってからにしたいと思います。」
「少し、お時間頂けますか?」

「良いわ。」
「貴方(大尉)から訪ねて来るなんて思ってもいなかったから。」
「楽しみしてるわ。」

「ズズゥーッ」と再び新見は日本蕎麦をほお張った。

ガーランド大尉は相変わらず、栄養バランスの整えられたチューブゼリーを食していた。
夕食くらいはと、咀嚼する食を取る。
それ以外は決まってチューブゼリーだ。
二人はランチを終え、ガーランド大尉の研究室へと足を運んだ。
研究室に入るなり、新見は目を丸くした。
「えっ!!」
「……大尉。貴方、一体、何を研究(して)いるの?」

「何をって、見ての通りですよ。」
「ガトランティス人のクローンです。」

「それは、見れば解ります。」
「私が言いたいのその事じゃなくて、そのクローンで、彼女で何をやらかすつもりなの?」
新見は少しキツイ口調と声のトーンで質問した。

「ちょっとムクれた顔も可愛いね。」

「なっ!何を言ってるの?」
「話を誤魔化さないで!」

「アハハ。」
「これは失礼した。」

「本題に入ろう。」
そう言うとガーランドはガミラスの事から話をはじめた。

我が故郷(ふるさと)ガミラスは、あと100年の寿命だ。
現在、総統であるデスラー自らも新天地を探している。
「探さざる得なくなった。」

「探さざる得なかった?」

「そう。探さざる得なかった。」
ある程度は少佐も、ご存知だと思いますが、返り咲いた総統デスラーは、自身を支える臣民をも犠牲しようとしたが、ヤマトそう、「新見少佐。貴女方の思いもよらな行動でガミラス星と多くの臣民たちは、救われた。」
当の本人デスラー総統は失脚、行方不明と成った。
一年半前、ガトランティス戦役時、彼、デスラー総統は死を覚悟していたが、ガトランティスの長、大帝ズォーダーによって救われた。
そしてテレサと出逢い大帝ズォーダーが探し求めていたテレサを手中に納めようとした。
だが、納めたかに見えた矢先、テレサを失い、大帝ズォーダーとの交渉は直ぐに出来る状況ではなくなった。
しかし、当時のズォーダーも世代交代の時期に入っていた。
自身の後継者"ミル"と言う青年が、総統デスラーの交渉相手と成り、交渉は成立した。
「これで第二のガミラス星と成る可能性の高い惑星(ほし)の情報を入手出来ると確信した時……。」皮肉な事に我が同胞の総統救出の逸る気持ちから、交渉人である"ミル"を射殺、交渉は出来ず仕舞いに終わりを告げた。




新見はガーランド大尉から目を反らす事無く黙って聞いていた。
ガーランド大尉の話は、まだ続いた。

「頭の良い薫なら、いや失礼、呼び捨てにしてしまった。」
「察しはつくだろう!?」

「ガーランド大尉。謝らなくてもいいわ。」

「話を続けます。」




そして、そのミルの亡骸を古代はヤマトへと運んだ。
これは、産みの親ではないものの育ての親、当時、桂木透子としてヤマトに乗り込んでいたガトランティスのスパイにして、ガトランティスのNO.2の存在である"シファル・サーベラー"にミルの亡骸と対面させ、大帝ズォーダーを止める力を借りるために。

「このシファル・サーベラーは、もう一人存在した。」
「白銀の巫女と言う異名を持ち、大帝ズォーダーに助言出来た一人。」

そして、「最早これまでと言わんばかりに大帝ズォーダーは自らを"滅びの方舟"の中核と成り、全宇宙の知的生命体の根絶へと歩みはじめたのだ。」





何故なら、自分の側近としてクローニングしたこのもう一人のシファル・サーベラーの抑制された記憶が、全て解放され、本来の姿を取り戻し、大帝ズォーダー亡きあと、ガトランティスの民を纏め"新生ガトランティス"とし導こうと志したからだ。

「この時、真の目覚め覚醒したシファル・サーベラーは感応波を持ち要り、こう告げた。」

「ガトランティスの民よ。わたくしが導くと。」
「その感応波を最後に大帝ズォーダーの道連れにされたのだ!」

今も尚、高次元で彷徨うシファル・サーベラーの魂(想い)。

「このサーベラーの想いを成し遂げる為、そうする事で、得られるはずだった新生ガミラスと成り得る惑星を教わる事が可能。」
「それには今、クローンで再生復活した彼女が必要なのだ。」
「彼女なら想いを胸に彷徨うシファル・サーベラーと交信出来る!と自分は信じている。」



「なるほどね。」
「面白そうな話ね。」
「それで、私は何を大尉、貴方に協力したらよいのかしら?」

「鹵獲した手付かずのカラクルム級を譲渡して頂きたい。」

「益々、面白そうな話ね。」
「でも一つ、条件が有るわ。」

「条件?」

「そうよ。リスクを背負うのですらね。」

「良いだろう。で、条件とは?」

「大尉。貴方の生い立ちを教えて下さいな。」


第四話
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

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