鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の残影ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第二話

2019-10-08 10:44:20 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



白銀の残影ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー

第二話

翌日、ガーランドは自分専用の研究室を覗いた。
再生されたガトランティスの女性士官は、全く反応を示さない。

「やはりな。」
「あと9日、待つしかなさそうだな。」
結果を分かっていたガーランドは、直ぐに部屋を出た。
「さて、どうしたものか。」と思いながら長い廊下を歩く。
30メートルくらい歩いたところで、「ふと。」頭に浮かぶものがあった。
"アレ"の見学にで行くか。と鹵獲したガイゼンカン兵器・カラクルム級戦艦の解析を見学に行く事にした。

どうやらカラクルム級には、二パターンが存在する事が分かった。
乗艦出来るタイプとそのまま兵器として活用出来るタイプの二種だ。
元々は、後者の兵器なのだが、この兵器を動かすには"感応波"が必要となる。
この感応波はガトランティス人には必要不可欠の能力である事も合わせてわかった事だ。

我々は便宜上"兵器"と呼んでいるが、正しくは生物である。
地球上に生息する生物と基本的には変わらない。
体内で毒素を作り出す生物と変わらない。
元々、このカラクルムにも毒素を作り出す機能がある。
"雷撃旋回砲"と呼んでいる兵装が、これにあたる。
主成分などはまだ解析中で解らない。
他の兵装に関しては、ガトランティスがあとから装備させたもの。


生まれる直前に皮膚と言うか殻(甲羅)が生成される前に移植=装着される。
同時に脳をコントロール出来るように制御チップを埋め込み感応波で操る。
そして、成虫の中身を融解し、人が動かせるように機械化したものが乗艦用としたのだ。
だから彼等ガトランティスは何百、何千いや、何万という程のカラクルムを捨て駒に出来たのだ。
例え、それが高官が乗艦していたとしても、考えは同じだ。
クローニングで代を重ねているのだから。

【ガイゼンカン兵器群カラクルム級戦艦】

全長
520m

武装
雷撃旋回砲
八連装輪胴砲塔×3基
八連装大型輪胴砲塔×2基
艦橋三連装砲塔×3基


「これはこれは、新見女史。」
「此方で解析、研究ですか。」

「あっ!?ガーランド大尉。」
ガーランドは新見が落とした書類を拾い手渡した。

「ほう。これは面白いものを見させて頂いた。」
「大丈夫。口外はしません。」

「あっ、いえ、ありがとう大尉。」
「それとは別に女史と付けるのはやめて下さい。」
そう言うと新見は「ペコリ」と軽く会釈をし、その場を早足で去って行った。

「無人艦隊構想」か。
カラクルム級をヒントに地球連邦防衛軍は、どうやら無人艦隊を構想しているようだ。
無理も無い。
我々と死闘を繰り広げ、人口が増える暇も無くガトランティスとの戦いだ。
優秀な士官をはじめ、兵員も皆、亡くなられたのだから。

「まぁ。今日は退屈だったが収穫はあったな。」
ガーランドは再び長い廊下を戻り、自室で、あるプランを練りはじめた。

「鹵獲したカラクルム級を一隻、どうにか此方に回して貰えないものか。」と思いながらプランを練っていた。

ガトランティス女性士官と接触が出来ない日々が続く中、八日が過ぎさった。
そして九日目、プランを一応は纏めたガーランドは、そろそろ昼食でもと局内のレストランへと足を運んだ。
そこで再び新見薫に出逢いプラン遂行の為、新見に同席を求めた。

「新見少佐。ランチを同席してもよろしいですか?」
「ちょっと相談がありまして。」

「相談?」
「仕事が絡んだ相談はランチの後にしてくだされば、同席、よろしくってよ。」

ガーランドは「それじゃ遠慮無く。」と同席した。
新見は、この時代には珍しい日本蕎麦をまるで少女のように目を蘭々と輝かせ、黙々と「ズズゥーッ。」旨そうに食べた。
そんな意外にも可愛い仕草にガーランドは暫く「ポカーン。」と見とれていた。


第三話
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

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