鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第十三話

2020-01-21 05:37:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第十三話


偽りのサーシャとの白兵戦、バラン星沖での戦いで多くの犠牲者を出し、希望の艦(ふね)であるヤマトも失った古代は、スターシャに救いの手に差しのべられ、スターシャの宇宙船(ふね)ゴッド・ウイングで惑星イスカンダルを目指す事と成った。

あれから80日が経過した_。

ゴッド・ウイングは大マゼラン銀河外縁部に到達した。
古代はゴッド・ウイングに乗船してから少しずつ、森雪と過ごす時間が長く成って行った。
スターシャの思惑はここにあった。
二人が仲良く成り、愛を育む。それが狙いなのだ。
だから、古代だけを乗せ、イスカンダルへゆくと云ったのである。
イスカンダル到着後、大した妨害や障害がなければ、あと160日後には地球へ到達する。
人類滅亡まで50日を残し、救う事が出来る日程だ。

「あと2日もすればイスカンダルよ。」どこか懐かしさを浮かべるが、すぐに済まし顔を見せるスターシャ。
そのスターシャは、話はじめた。

「私の母、スターシャに成りすます者。"ビーメラ星人"。
彼女の暮らしていたビーメラ星は120年に一度、星を統治する代表者が選ばれるの。
成りすましのビーメラの女王アシュラは交代を拒み、女王の座を譲らなかった。
それに反発した民は、アシュラに対し、「法と秩序を守れ!」と詰め寄ったの。
アシュラは話し合いも拒み、任期が数日、ある事を盾に詰め寄った民を拘束、裁判も無しに処刑した。
それをきっかけに「暴挙を許すな!」と、ビーメラ星の各地区で暴動が発生、やがて内戦と発展したわ。
そのお陰で、ビーメラ星の大気は汚染され、植物は枯れ、大地は腐敗していった_。

ビーメラの文明は滅びの路を歩みはじめたわ。
そんなある日、アシュラは「私を女王と認め、私に従えば嘗(かつ)てのような豊かな暮らしを再び、与える!」と。言い放ったの。
アシュラには考えがあったわ。
それは私の母から「レナトゥース・エネルギー・エレメント」を譲り受ける事。
レナトゥース・エネルギー・エレメントを譲り受ければ、生き延びた民の前で"奇跡"を起こすと称し、汚染された大気と腐敗した大地を"浄化"させようとね。
でも、その目論みは叶わなかった。
私の母が「私欲の為には譲れない。」と。

「ならば、奪うまで!」とアシュラは刃(やいば)を母に向け、暗殺、偽りのスターシャを名乗り、成りすました。
母は殺害を察知し、私にレナトゥース・エネルギー・エレメントを託し、脱出させてたの。

「それからは雪や古代さんが知っている通りよ。」

「……このまま放っておいても、やがてイスカンダルは滅びる…。」
「でも、彼女、アシュラが造り出したデスラー=ガミラスが残っている限り、この宇宙は侵略され続ける…。」
「それを阻止する為に古代さん。貴方はイスカンダルへ、いえ、ガミラスへ赴くのでしょ!?」

「だから、私は古代さん。貴方に手を貸す事にしたのよ。」



「ありがとう。…でも、スターシャさん。貴女は俺をイスカンダルへ下ろしたら、立ち去ってくれ。」
「雪を地球へ送り届けて欲しい。」
「貴女は手を血で汚してはいけない。」

その言葉にスターシャは古代の目を見つめるだけで、無言だった_。




「…あの宇宙船(ふね)戻って来たのか。」
「まぁ。戻って来たところで、最早、お前の返り咲く場所など無いのだよ。」
「お前の始末は、"あの"スターシャに任せ、私は見物させて貰う。」
「遅かれ早かれ、イスカンダルはイスカンダルではなくなり、ガミラス即ち、我がデスラーの惑星(ほし)と成るのだからな。」




「ん!?」
「あの小娘。戻って来たか。」
「ワタシがくたばったとでも思ったか?」
「まぁ。いい。」
「どちらにしても、あの小娘は必要だからな。」

偽りのスターシャ=アシュラは、もう以前のスターシャに成り済ました面影もなかった。
自身が造り出したデスラーに惑星(ほし)の半分を与えた事が、仇に成っていたのだ。
A.Iによる大気浄化制御衛星によって、浄化された大気をイスカンダル側は、維持してはいるものの、毒素を含んだウィルスまでは、全てを浄化出来ずであった。
その事は、じわりじわりと侵食されたアシュラには、感じ取れなかったのだ。
眼は常に充血し、透き通るような白い肌、金色に輝く長い髪も失い、毒素に侵食された肌は青紫化していた。
ビーメラ星人としての面影もなく…神話に登場する悪魔ような容姿に変わり果てていた。




第十四話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。「ACE COMBAT」等などの拾い画を使用しています。
石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。