鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー

2020-01-02 12:28:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

ープロローグ編ー





若き宇宙戦艦の士官は躊躇う事なく波動砲の引き金を引いた_。

「波動砲発射ーーーッ!!」

「波動砲弾、着弾まであと三十秒!」

「・・・8・7・6・5・4・3・2・1・着弾!!」

「イスカンダル星、崩壊をはじめました!!」


ーイスカンダル王都イスク・サン・アリア:スターシャの寝室ー


「ハッ!?」物凄い量の寝汗を掻きながら、くるまる毛布を払いのけ、起き上がるスターシャ。
美しい裸体に輝く日射しが優しいく包み込む。
ベッドの縁に腰を下ろし、呼吸を整えた。
呼吸を整えたスターシャは裸体のまま、窓辺に立ち、朝日が射し込む中、眼下を見下ろす。
何時もと変わらない王都イスク・サン・アリアと、この惑星(イスカンダル)唯一のオリジナルの海=マザーの海。
このマザーの海と呼ばれる海だけが、人工の砂浜と海洋生物を除き、惑星が誕生して出来たままのオリジナル海。
八割以上を占める碧く輝く海の星、地球の二倍もの大きさの星。
それが惑星イスカンダル。

「…嫌な夢を見たわ。」
そう呟くと侍女のアンドロイドを呼んだ
人型のアンドロイドで、生きた細胞で人工的に造られた人間的な皮膚で被われた侍女的な役割のアンドロイド一体が現れた。

「シーツと毛布を取り替えて、ベッドメイキングをしておいてちょうだい。」

「かしこまりました。」と右手を胸に当て、腰から上を曲げ、頭(こうべ)を垂れた侍女のアンドロイドは、すぐに作業に入った。

スターシャはそのままバスルームへ向かった。
湯けむりがスターシャを包み込む。
金色(こんじき)に輝く髪を洗い、裸体にへばりつく汗を流し、プールのような広いバスタブに身体を沈めた。

「……正夢にしてはいけないと、教えてくれたのかも知れませね。」そう思うスターシャはバスタブから上がり、全身が映る鏡を見つめる。
透き通るような白い肌、金色に輝く長い髪。
「なんとしても、この身体を維持せねば…。」

時に西暦2191年。

イスク・サン・アリアの大広間に自身が造り出した"機械生命体"近衛兵・デスラーを呼び出したスターシャ。
そのスターシャは、命令を伝えた。

デスラー。人工の皮膚細胞を造る段階で配合する分量を間違えた事によって、グレー掛かった青い肌のまま、造られた。
地球人に概算して28歳くらいの年齢だ。
軍属らしく、そして、その長(ちょう)に相応しい高級将校を感じさせる軍服に漆黒のロングマントに身を包む。

「アンドロイド:デスラー。」
「貴方に命令を伝えます。」
「ここから16万8.000光年離れた銀河へ赴き、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星そして太陽この十個の惑星から成る太陽系と呼ばれ、その中で地球と呼ばれる惑星(ほし)を、そこに生息する生命体を絶滅させなさい。」

「惑星(ほし)をまるごとですか?」

「そうです。わたくしを守る為です。」
「貴方に、このイスカンダルの半分を与えましょう。好きに使うがいい。」
「兵を造り、兵器を造り、地球を攻めるのです。」

「かしこまりました。」デスラーは右手を胸に当て、腰から上を曲げ頭(こうべ)を垂れた。

時は流れ_。
翌年、近衛兵アンドロイドとして造られたデスラーは、万を数える程のアンドロイド兵と、千を超える戦闘兵器を造り整えた。

スターシャから与えられたイスカンダル星の半分は、海は埋め立てられ、兵器開発に伴う実験を繰り返したおかげで、大地は荒れ、大気は汚染された。
アンドロイドでなければ暮らす事は不可能なくらいまでに衰退した。
境界線上空には幾つもの大気浄化衛星がA.Iで制御され、浮かんでいた。



「兵士の諸君。機は熟した。」
「我々は、スターシャとイスカンダルを守る為に造られた。」
「私はそのスターシャから銀河系に属する太陽系の惑星(ほし)地球を滅ぼせと、仰せ使った。」
「そして、その時は来た。」
「我々は、古のイスカンダルを守ったとされる神獣ガミラスの名を頂いた。」
「栄光ある神獣ガミラスの名を頂いた!」
「これより、我々ガミラスは銀河系へ赴き、太陽系の惑星地球を侵攻する!」
「兵士の諸君!このデスラーに力を貸して欲しい!」

「進撃を開始せよ!!」

こうして、イスカンダルが造り整えた。ガミラスによる地球侵攻作戦が幕を開けた_。

◆◆◆◆◆

ガミラスを名乗る異星国家軍は、西暦2192年を半ばほど過ぎ頃、太陽系に進出、圧倒的な科学力を見せつける。
戦端から僅か三時間足らずで地球初の外宇宙冥王星基地は、壊滅、陥落した。

「クックックッ。」
「圧倒的ではないか我がガミラスは。」不適に笑うデスラー。

ドメル兵団長。後の占領惑星:バラン星鎮守府の最高司令官=将軍の階級を得る。
体格は造り出したデスラーより、大柄で190Cm以上の身長があり、戦略家的な存在である。
地球人に概算して28歳くらいだ。
自ら戦線に立ち、戦闘を指揮するタイプで、高級感ある将校用軍服より、コンバットスーツを好む。
髪型はデスラーとは異なり、金色出番なく黒の短髪である。

「ガミロイド兵団長ドメルよ。」
「この制圧した惑星を整備、我々ガミラスの最前線基地とせよ。」
ガミラスの長、デスラーは造り出したアンドロイド兵の中でも、優れた戦術能力を有する兵団長ドメルに告げた。

「私は、この太陽系に来る途中で、補給基地に相応しい惑星(ほし)を見つけた。」
「その惑星に大補給基地を造り上げる。」
「完成するまでの間、貴公にこの占領地を任せる。」

「ハハッ。」
「早急に我がガミラスに相応しい前線基地に仕上げてみせます。」
ドメルは右手を肩の高さに水平に上げ、肘から90度に曲げ、手の掌を相手側に向け、ガミラス式敬礼で応えた。

基地を壊滅させたはいいが、資材と成る鉱石等をこの冥王星で採掘、精製、建造するしかなく、予定以上の時間費やす事となった。

「ドメル団長。この占領地(ほし)には資源が乏しく、基地の建設に支障があります。」
「自分が調査したところ、土星と呼ばれる惑星と、その周辺には鉱産物が豊富だと、解りました。」
ドメル団長の右腕的存在のシュルツ兵長が、意見を陳べた。

「うむ。」
「ならば、その土星圏をも我がガミラスの領土し、資源の確保を急がせよ!」

「ハハッ。」

ガミラスが冥王星基地を陥落させてから三ヶ月が過ぎた_。

「これより、我がガミラスは土星圏を確保する為、地球侵攻を再開する!」
「全部隊はシュルツ兵長の指揮下へ入れ!」
こうして、西暦2192年末、ガミラスによる地球侵攻作戦が再開され、それを察知した地球は、火星を絶対防衛線とする対ガミラス戦に移行した。
「第一次火星沖会戦」と地球側は名付け、30日にもおよぶ戦闘の末、地球軍の勝利と成った。
火星宙域までの占領は叶わなかったが、敗れたとは言え、ガミラス側は土星圏までの占領を成し遂げる事と成る。
敗北したシュルツは、名誉挽回を具申した。

「ドメル団長。わたくしシュルツに、もう一度、もう一度だけ地球侵攻のチャンスを!」

「……まぁ。よかろう。」
「資源惑星の確保は叶った。シュルツよ。もう一度だけ、チャンスをやろう!」
「私は、デスラー総統に呼ばれ、惑星バランへ赴く。」
「この冥王星前線基地をシュルツ。貴公に任せる。」
「もう一度だけチャンスをやる。戦果に期待する!」
「それとシュルツ。私は兵団長から将軍と呼称と階級が変わり、貴官は冥王星基地司令で大佐だ。」
「新たな階級は大佐だ。」

「ハハッ。ありがたきお言葉。」
「このシュルツの命に変えても、地球侵攻に勝利、致します!」
シュルツはドメルが、デスラーに行ったように右腕を水平に肩の高さまで上げ、肘から90度に曲げ、手の掌を相手に向け、応えた。

三ヶ月後、体制を整えたシュルツは艦隊を率いり、再び地球侵攻作戦を敢行した_。


だが、「第二次火星沖会戦」と呼ばれた会戦もまた、惨敗で幕を閉じた。
地球軍の奮闘に大敗を喫したのだ。

「…グググッ。」
「一度成らずとも二度までも、地球に、あの猿どもに敗れたとは、ドメル団長にも報告は出来ん!」


「ガンツ!ガンツは居らぬか?」

「ハッ!シュルツ兵長。」

「ガンツよ。ドメル団長には地球の艦隊を殲滅、しかし降伏には至らず申し訳ありません。と打診せよ。」
「されど地球人のサンプルを入手、暫くはじわじわと地球を地球人を痛め付けたく思う所存です。」と伝えよ!

「必ずやご期待に添えます。今しばらく楽しみのお時間を下さいませ。」とな。

「…ガンツ。承知致しました。」

「うむ。」


約一年の間に二度も大敗したシュルツは先頃、完成した"反射衛星砲"を用いり、ロングレンジ攻撃に、切り替えた_。

シュルツ。ドメルの部下として造られた。
ドメルからは信頼され、冥王星前線基地の司令官としてヤマトの前に立ち塞がったガミラロイド=アンドロイド。
副官としてガンツがいる。
前頭部から後頭部まで禿げ上がった白髪頭が特徴の初老。

時は流れ…
西暦2198年初頭_。

ーイスク・サン・アリア大広間ー



「総統、デスラーよ。」
「あれから随分と時間が経過したが、未だに地球陥落、地球人類の死滅の報告が上がらんが?」

「ハハッ。」
「スターシャ陛下。地球侵攻を任せたガミロイドシュルツが、何やら余りにも地球軍が弱すぎる為、遊び心で侵攻しているとの報告を受けています。」
「即刻、遊びを止めさせ、死滅させます。」
「大変、申し訳ございません。」片膝を床に付け、深々と頭(こうべ)を垂れ、許しを請うデスラー。

「そんなに弱すぎるのか!?」
「ならばハンデを与えるとしようか。」
「シュルツとやらが、楽しんでおるのなら、好きにさせてやろう。」
「これからは退屈しのぎのゲームとして、地球侵攻と地球人類殲滅を楽しもうと思うが、どうかな!?デスラーよ。」

「ハハッ。それは善きお考えかと。」

「そうと決まれば、デスラーよ。太陽系のシュルツに地球人類の殲滅はするな。と伝えよ!」

「よいな。デスラーよ。」

「御意!」



デスラーが立ち去るのを見届けたスターシャは、新たに造り出した機械生命体を呼び寄せた。
自身に似せて造り出したのか、着用しているビスチェとレオタードそして、ガーターストッキングを組み合わせたようなコスチュームを除けば、透き通るような白い肌、金色の長い髪、目鼻立ちや背格好は瓜二つの容姿だ。
年齢は地球人に概算して19~20歳くらいだ。

「イスカンダロイド・サーシャ。」
「このゲームを面白くするも、詰まらなくするも、お前に掛かっている。」
「この意味、解るな!?」

「ハイ。陛下。」

「うむ。」
「期待しているよ。サーシャ。」

「御意。」


第一話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。
石津嵐氏の小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。