鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第四話

2020-01-07 23:04:27 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第四話






大気汚染の状況から、どの科学者や研究者の意見も、地球人類がこのまま生きてゆける時間は、一年間以内との見解を示していた_。

「藤堂長官。もう、ここまで来たら、あのイスカンダルの女性サーシャさんを信じ、彼女をイスカンダルへ送り届ける。これが最善だと、儂は思う。」
「未だに"ワープ航法"の研究はされてはいるが、それを実現した事はない。」
「だが、彼女サーシャさんの乗って来た宇宙船はそれが可能で、我々は彼女を送り届けるという約束で、彼女の宇宙船のエンジンを譲り受けた。」
「だからこそ、儂はコレ(ヤマト)に賭けてみたいのだ。」
「いや、賭けてるしかないと思う。」
「彼女の話では、地球を再生する事が可能なものが、イスカンダルには存在するとも言っている。」
「ならば、儂は、尚更の事…」

「沖田中将。話の腰を折るようで申し訳ありませんが、」そう切り出したのは、技術将校の真田であった。
真田は、完成しただけで、何一つテストもしていない事を理由に、最低でも、あと一ヶ月はイスカンダル行きを待つべきだ。と主張した。

「私も沖田提督。真田少佐の意見に賛成だ。」
「せめて、まだ人類が成し遂げた事のない"ワープ航法"だけでも、テストするべきだ。」
「イスカンダル行きはそれかでも、ギリギリだが間に合うと思うが。」

「長官。それと真田少佐。お二人のご心配に成る事は、十二分に承知している。」
「だが、テストは航海しながらでも可能だと儂は思う。」

「提督。万が一の時、どうなさるおつもりですか?」
「サーシャさんから提供された今の地球では造り出す事が出来ない"波動エンジン"を失うのです。」
「無論、テストが100パーセント成功するとは言えませんが。」

「ならば、テスト初日に波動エンジンを失う可能性も、否定出来ないという事でもある訳だ。」
「航海しながらのテストと変わらんと、儂は解釈出来るが。」

そんな真田と沖田のやり取りに、オブザーバーではあるが、波動エンジンを提供したサーシャが、意見を述べた。



「サナダ。ワタシが提供した波動エンジンはワープに失敗した記録がナイ。」
「サナダは、自分が設計したヤマトに自信ヲ持てない!?」

「自信が無い訳ではない。ただ、」

「もういいわ。ワタシに波動エンジンを返すか。ヤマトで航海にデルか。トウドウさん。決めてクダサイ。」

「…サーシャさん。」
「真田君、ここは一つ、ヤマトを預ける沖田提督に協力をして欲しい。」
「一日も早く、イスカンダルへの航海は私も望んでいる。」

「……解りました。」

「サーシャさん。ご協力に感謝致します。」
「ですが、あと2日、ヤマトの抜錨は2日後という事で、どうだろうか。」
「最終準備の時間に2日必要なのだ。」

「ワカリマシタ。あと2日待ちます。」

「沖田提督も了承して貰えるかな?」

「分かりました。」

こうして、宇宙戦艦ヤマトは2日後、年明けの西暦2199年1月1日に抜錨する事に成った。
藤堂が2日後にしたのには、訳がある。
即戦力として投入出来る帰還した残存艦艇を護衛にと考えたからだ。
その艦艇の準備に2日必要なのだ。
護衛艦艇としては、ミサイル駆逐艦六隻と高速巡洋艦二隻の計八隻を護衛として、火星軌道まで随行させるとした。


ー西暦2199年1月1日ー




この日、華々しいパレードも、見送る家族もなく選抜されたクルーたちは乗艦を済ませ、抜錨のときを待った。

だが、先の冥王星沖会戦で基地の一部を破壊されたシュルツは、怒りの矛先を地球へ向けた。
新開発された惑星間弾道ミサイルを報復として、地球へ射ち放っていた。





「沖田艦長。ガミラスの超大型ミサイルを偵察衛星がキャッチした。」
「おそらく奴らの報復だろうとの見方が強い。」
「抜錨を急いでくれ。」
「此方では火星軌道までの護衛にと、八隻の艦艇を出撃させたが、衝撃砲搭載艦艇は無い。」
「超大型ミサイルを破壊出来るかは不透明な状況下だ。」

「了承しました。」
「直ちに抜錨に入ります。」
映像通信を終えた沖田はレクチャーを中断し、宇宙戦艦ヤマトを抜錨させた。

「徳川機関長。エンジン始動だ。」

「島航海長。船体を起こせ。」

「古代戦術長。第一から第三主砲の射撃準備を急がせろ。」

「了解。」

艦長に就任した沖田の命令が下され、艦内は慌ただしく動きはじめた。
機関区では補助エンジン始動マニュアルを手に手順を追うクルーたち。
第一主砲塔、第二主砲塔、第三主砲塔内では、初弾発射準備に入った。
陽電子エネルギーと波動エンジン内で精製される波動エネルギーが融合して、初めて"ショックカノン"として撃つ事が出来る。
だが、まだ補助エンジンに火が入ったばかり、波動エンジン始動までは、もう少し待たねば成らない。


「陽電子エネルギー!波動エンジンへ注入開始!」
「エネルギー充填12パーセント!更に上昇!」
「補助エンジン、回転数6.200から8.000へ!」
「波動エンジン内、エネルギー充填40パーセント!」
「補助エンジン回転数8.000から12.000へ!」
補助エンジンに火が入ってから二分が経過した。



【太陽系連邦艦隊高速巡洋艦プリンツ・オイゲン】
※宇宙戦艦ヤマト護衛艦隊旗艦

「射線上に超大型ミサイルを捉えた!」
「護衛艦隊全艦に告ぐ!目標を捉えた!一斉射撃準備!」

「二番艦、準備よし!」

「三番艦、準備よし!」

「・・・七番艦準備よし!」

「司令!全艦、射撃準備完了!」

「うむ。」
「全艦!一斉射撃てぃーーーッ!!」

「…3.2.1初弾全弾及び対艦ミサイル、着弾!!」

「……目標の超大型ミサイル、健在!」

「……18本の対艦ミサイルとプラズマ粒子圧縮ビーム弾10発がまるで効かない…だと。」
「…全艦!超大型ミサイルとの距離を詰めろ!至近距離が撃ち込む!」
「全艦!二射目準備ッ!!」

「司令!超大型ミサイル加速!」
「砲撃、間に合いません!」
「目標の超大型ミサイル大気圏に突入した!」

「くっ!ヤマトに連絡を!」


「波動エンジン内、エネルギー充填112パーセント!」
「波動エンジン始動まで、あと20秒!」

「…波動エンジン内、エネルギー充填120パーセント!」
「波動コアの起動を確認!」

「うむ。」
「波動エンジン始動!!」

「艦長!護衛艦隊旗艦プリンツ・オイゲンより、入電!」
「我、超大型ミサイルの破壊に失敗。ヤマトの健闘を祈る。」

「古代!ショックカノン撃ち方よーい!」
「目標!落下して来る超大型ミサイル!」



「目標!射線上に乗った!」
「全主砲、一斉射射撃=ショックカノンてぃーーーッ!!」




ヤマトは間一髪のところで惑星間弾道ミサイル=超大型ミサイルを撃破する事に成功した。



「これが…これがショックカノンの威力なのか…。」
呟くように古代は言った。

「そうだ。これがヤマトだ宇宙戦艦ヤマトだ。」
「イスカンダルから技術供与された事で、今までの宇宙戦艦とは桁違いの艦(ふね)それが、宇宙戦艦ヤマトだ。」


イメージ曲【space.battleship.yamato】より、引用。

宇宙戦艦ヤマトは抜錨した_。
人類滅亡まで、あと360日。




第五話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第三話

2020-01-07 00:06:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第三話




「沖田中将!」
「岩々の間からビーム砲台、多数出現!!」
「奴ら!あんな所に兵器を!」

「…ん!?あのビーム砲台とは別の方角ら先ほどの高出力エネルギー光弾!!」
「4時の方向からです!」
「相変わらず艦影や機影は確認出来ません!」

「イギリス艦艇、航空母艦アークロイヤルに直撃したもよう!!
「火柱と黒煙を噴き上げ急降下して行きます!」
「エンジンにダメージと思われます!」

「ミサイル駆逐艦:不知火に救助に向かわせろ!」

「了解ッ!!」

第二駆逐戦隊指揮艦霧島に座乗する沖田の的確な指示、命令が飛び交う中、全艦艇に衝撃が走る。

それは、総旗艦アメリカ艦艇ニュージャージー轟沈の報告であった。
その報告から僅か五分、地球太陽系連邦艦隊の各艦隊、部隊は"うろたえる"だけで、ガミラス艦隊及びビーム砲台の格好の餌食に成っていた。
だが、不思議な事に七十隻以上が沈んだところで、ガミラスの砲撃は「ピタリ」と止んだ。
この時、事実上、地球太陽系連邦艦隊は壊滅した_。



「山南艦長。現時点で太陽系連邦艦隊は何隻残っている?」

「ハッ。現時点で十五隻です。」

「うむ。」
「副司令のルーズト閣下は何と?」

「ハッ。現状を維持せよ。追ってすぐに指示を出す。との事です。」

「更に高出力エネルギー弾による味方艦、爆沈!!」

沖田中将座乗艦:霧島の艦長山南との会話の合間にも、味方艦艇、爆沈、大破、轟沈の報告が飛び交っていた。
沖田中将が確認を取る度に艦隊残存数は、時計の秒針のように、一刻、一刻、と時が加算されていく代わりに、艦艇の数は、減って行った。
第一波攻撃を仕掛けた航空隊の未帰還を除き、12機の雷撃隊は第二波攻撃隊としてアメリカ艦艇:空母エンタープライズから出撃した48機の雷撃機隊と共に、戦果を上げる事なく、漆黒の宇宙(そら)に散った。





「右舷艦尾に被弾!!」
「シアンガス発生!第六区隔壁閉鎖ッ!」

「ルーズト提督の艦(ふね)ウィスコンシン反転!」
突如、反転する副司令ルーズト提督の戦艦ウィスコンシン。
そのルーズト提督は自分の撤退後、「各個に撤退に入れ。」と命令を下した。
この命令を聞いた沖田は、即座に所属部隊、群隊関係無く残存艦艇に撤退を呼び掛けた。



「沖田閣下!自分は撤退の支援に移行します!」

「山南艦長。今のは誰か?」

「ハッ。第二駆逐戦隊斬り込み隊長古代少佐です。」

「支援は要らぬと伝えよ。」

「了解。」




「閣下!古代の艦(ふね)加速、隊列より、離脱!」

「何ッ!」
「通信士!古代の艦(ふね)に繋げ!儂が直接話す!」

「了解。回線、繋ぎます。」

「貴艦も貴重な戦力である。明日の地球を地球人類を守る為にも、撤退に専念せよ。」

「沖田閣下。命令違反をお許しください。」
回線はそこで途絶した。
止んでいたガミラス側の砲撃が再開されたのだ。
古代の座乗するミサイル駆逐艦:雪風だけに砲口は向けらた。

◆◆◆◆◆



「それにしても、見事なくらい汚染させたものだな。」
「好きに使えとは言ったが、これほどまでに汚染させるとわな。」



汚染された大気と荒れ果てた大地に、根を張る毒素を放出する不気味な花を咲かせる適性植物までもが、栽培されていた。

そう。デスラーはわざと地球侵攻に時間を掛けていたのだ。
約四年もの時間を使い、実験を繰り返していたのだ。

地球を地球人類を使って_。

己が宇宙の支配者と成る為の準備をしていたのだ。
いや、今現在も準備していると言った方が、正解である。
自身の主スターシャの忠誠を誓うフリをしてまで_。


第四話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。