鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

暗黒星団帝国の影ー宇宙戦艦ヤマト2205サイドストーリー第二話

2019-10-23 22:35:55 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



ー暗黒星団帝国の影ー
宇宙戦艦ヤマト2205サイドストーリー

第二話


ケルベロアスのブリッジに突如、現れたファウストを名乗る者に従うしかないメルダは言われるがまま、艦尾ハンガー(格納庫)区画まで歩いたところで、止まるよう指示された。

「そこで止まれ!」
「お前とは、ここでお別れだ。」
そう云うとファウストはメルダに向かって、手の掌をかざした。



「サーシア様を何処へ連れて行こうというのだ!」

ファウストは、その問いに答える事はなく、不適な笑みを浮かべた。
甘い香りが辺りを包み込む。

「お前には時間旅行でも楽しんで貰おうかね。」

「時間旅行だと!?」
「何をふざけた事を……」
ファウストを睨み付けるメルダであったが、意識が遠退いてゆく__。





「………。」
「ウウッ。」
「……ここは…ヤマト!?」
「ヤマトじゃないか!」
メルダは幽体離脱したような感覚で、自分の体験した事を観ていた。

今から五年前に時は遡っていた。
当時、次元の狭間に墜ち、敵であるヤマトと共同で、この次元の狭間から脱出した経験がある。
不運な出来事から、メルダは一時的に捕虜と成った。
その時、色々と世話に成ったヤマトの艦医佐渡、衛生士の原田そして、情報長の新見が加わり、診察台に寝る自分が確認出来る。

「新見君。他に調べたいところは、有るかね?」

「はい。直腸を調べて頂きたい。本当に地球人と変わりわ無いのか。知りたいところですね。」

「うむ。分かった。調べよう。」

「髪の毛から足先の爪、肛門、直腸、生殖器までも隅々、調べられた。」

「子を宿し、産む事も可能。我々、地球人類と何ら変わらん。」
艦医佐渡の声が聞こえた。

「この時は私自身も驚いたが、遠く離れた別の銀河の惑星(ほし)テロン(地球)人とD.N.Aの配列も同じだとは思わなかったな。」
「古代や雪、玲は元気にしているだろうか……?」
「あれから五年か……。」


◆◆◆◆




「ラング艦長!同空間に、あのヤマトを捕捉!」
その報告を聞いたラングはヤマトへ、この次元の狭間から脱出する方法があると持ち掛け、共同で脱出を試みる。

「ラング艦長。自分が使者としてヤマトへ赴きましょう。」
「帝国、航宙艦隊総司令の娘と分かれば、テロン人も下手な事は出来ないでしょう。」
「むしろ、我々を信用し、協力を惜しまないのではと。」

「うむ。」
「ディッツ少尉。使者としてヤマト赴き、脱出の提案を受諾させ、後に帰投せよ。」

「ザーベルク。」

「あれか!?ヤマトの誘導機。」
私はヤマトの誘導機に従い、ヤマトに赴き、共同での脱出の提案をした。
ヤマトのクルーは半信半疑なのだろう。
しかし、不愉快だ。
私を悪魔が怪物を見るかのような目で観ている。
提案は受け入れられたようだ。
脱出の為の共同作戦が開始された。



順調に作戦は遂行され、脱出は叶った。
だが、ここから番狂わせが発生した……。
自分の保身しか考えない虫が好かない上官ゲール少将率いる艦隊に奇襲され、私の母艦は、味方であるゲール艦隊に撃沈され、私は帰る場所を失った。




「まぁ。不謹慎だけど、これがきっかけで唯一のライバル(玲)と出逢う事が出来た訳だが。」





「あの時は機体性能差で勝てただけ。」
「玲とは、もう一度ドッグファイトしたいもんだな。」


◆◆◆◆




「生殖能力有りか。」
「地球とガミラスそして、イスカンダルとは繋がりがあるのかも知れんな。」

「艦長。良いサンプルデーターが収集出来た。」
「彼女等を解放する。」
「幻影ホログラム波を解除。当該宙域より、離脱せよ。」
謎の黒色の戦闘艦の司令官のその言葉と入れ替わるように、メルダやケルベロアスのクルーたちを包み込む幻影ホログラム波は消え、元の静かな空間へと戻った。

メルダは確かに後ろ手で拘束されていた。
だが、スターシャ陛下もサーシア様も無事で、メルダたちが解放された20分後にイスカンダルを出立、無事にデスラー総統の誕生日を祝う祝賀会に出席した。

「あれは幻か……それとも現実……。」
「今はクルーたちに口止めをしているが……。」

「謎の黒色の戦闘艦……。謎の帝国……。」
私はどうしたら良いものかと、自問自答を繰り返した。
答えは出ない。
やれる事をやるだけだ。
私は次の任務に入る為、ネレディア・リッケ少将指揮下、第八警務艦隊へ編成された。


「操舵オペレーター。進路をバラン鎮守府へ。」


~fin~


メルダ・ディッツ

ガミラス戦闘機パイロット。
第707航空団所属の女性パイロット。
少尉。
ガル・ディッツの娘。
19歳相当。(2199)

真ん中分けの赤いセミショートヘアの前髪からアホ毛が逆立った髪型が特徴。
軍人の家系に生まれたことを誇りに思う、堂々とした性格。
髪の色と同じ紅い色をパーソナルカラーとしており、乗機や軍服も紅い。
戦闘機パイロットとしての矜持を持っており、玲と格闘した際には彼女の銃を奪い合った末に手にするが、「私たちにこんなものは必要ない」と返している。
乗艦していた巡洋戦艦EX178が次元断層(次元の狭間)へ迷い込み、同じく迷い込んできたヤマトに連絡要員兼人質として乗り込んだことにより、地球人と最初に直接接触したガミラス人となる。
その容姿が地球人と瓜二つであることが、ヤマト乗組員に衝撃を与えた。
次元断層(次元の狭間)脱出後、EX178がゲール艦隊によって撃沈されて帰還する手段を失ったため、しばらくヤマトに同乗する。
その後は後述の乗機ごと解放されてガミラスに帰還する。
デスラー総統暗殺未遂事件に際して父が身柄を拘束される一方、メルダは拘束を免れ、後に反体制派と結託して惑星レプタポーダを解放する。
その後、連絡将校として再びヤマトに乗艦するが、崇拝の対象であるユリーシャに振り回されたり、初めて口にした地球のスイーツに夢中になったり、ヤマトに鹵獲されていたツヴァルケを自分の乗機とする際に紅く塗り替えるように依頼した。
ヤマトがサレザー恒星系に進入してガミラス本星の総統府へ突撃するに際して突入経路を手引きし、七色星団戦で拐われた雪を救出するためにコスモゼロで出撃する古代を、ヤマト航空隊と協力して乗機で援護した。
ヤマトが目的を果たしてイスカンダルを出発した後、ガミラスとイスカンダルの橋渡しとなるためにガミラスへ移住するユリーシャに、従者として付き従うこととなる。

※後に、ガミラスの政権が不安定な事からユリーシャと共にイスカンダルに赴き、陛下スターシャの執務と護衛を兼任する。
現在、24歳。少佐。
専用艦メルトリア級強化型ケルベロアス艦長。
(艦名ケルベロアスの由来はケルベロスから引用。)
ケルベロス(古希: Κέρβερος, Kerberos, ラテン語: Cerberus)は、ギリシア神話に登場する犬の怪物。
ハーデースが支配する冥界の番犬である。

エースパイロットとしての腕も健在である。
愛機は深紅に塗られたツヴァルケ。ガミラスに生息するバタフライ(蝶)をモチーフしたエンブレムを施している。





ヴァルス・ラング

冷静な指揮官で、ヤマトと同じく次元断層へ落ち込んでいたが、脱出方法をヤマトへ提案するためにメルダを送る。
乗艦していた親衛隊のネルゲの専横を黙認していたが媚びることはせず、メルダごとヤマトを見捨てて次元断層内に置き去ろうという彼の提案を階級と指揮系統を盾に退ける。
ヤマトを「賞賛すべき敵」と評して対等に向き合っていたが、次元断層脱出直後に現れたゲール艦隊からヤマトもろとも攻撃をうけて乗艦と運命を共にする。
メルトリア級航宙巡洋戦艦「EX178」艦長。
中佐。ザルツ人。

ヒルデ・シュルツ

ヴァルケ・シュルツの一人娘。
13歳相当(2199)
ザルツ人。

ヴァルケが高齢になってから生まれた娘であるため、溺愛されている。
デスラーを惑星ザルツの救世主として信奉している。
母のライザとともにガミラス本国で父の帰りを待っていたが、父が戦死したために再会は叶わなかった。
父の戦死により名誉ガミラス臣民の権利を得た後、総統府でユリーシャ(雪)の身辺の世話を任されていたが、バレラスに633工区が落下してきた際、逃げ惑う群衆に突き飛ばされて気を失う。
その後、ヒスに助けられた際、父の仇であるヤマトが帝都を救う瞬間を目撃する。
その後ヒスとともに戦災孤児施設を慰問する。

※現在、18歳。
スターシャ陛下の執務士。


◆◆◆◆


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。