鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

新星"ゼムリア"白銀を継ぐものーヤマト2202外伝ー

2018-11-23 22:44:17 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



新星"ゼムリア"白銀を継ぐもの
ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー


ー滅びの方舟・玉座の間ー




「……大帝。」
「もう……終わりにしましょう。」
「ガトランティスも回帰する時が来たのです。」玉座の間に現れた桂木透子。

「やはり、ここまで来をったか。サーベラーよ。」不適な笑み浮かべ、歩み寄り、透子に告げる大帝ズォーダー。

膝から崩れるように玉座に倒れる透子。
その透子の腹部には短剣が突き刺さっていた。

背を向けるズォーダー。「悪く思うな。唯一の人間。」
「この滅びの方舟を停める事はもはや……」

「カチッ。」ゴレムの起爆装置が作動した・・・

「あなたの心の闇は、これで……」ゆっくりと瞳を閉じてゆく桂木透子。


◆◆◆◆


黒煙と怒号そして、悲鳴が渦巻く中、"傀儡"の調べを奏でるゴレム。

大帝と呼ばれるガトランティスの王ズォーダーの玉座から数十メートル直下、その場所には"白銀の巫女"と呼ばれるシファル・サーベラーが、崩壊をはじめた滅びの方舟を操っていた。
空中に浮かぶ鍵盤のようなものを一心不乱に弾くサーベラー。



荒れ狂う白色に燃えるガス体は縦横無尽に漆黒の宇宙を飛び交う。
プラズマを帯びた白色のガス体は、近づくものを拒むように遮る。
滅びの方舟に近づこうとするものすべてを凪ぎ払う。
敵も味方も関係無く凪ぎ払う。

プラズマに接触し、融解するゴストーク級。
このゴストークが抱える反物質ミサイルが、更に誘爆を誘い、悪戯に戦場を拡大、悪化させる。
誘爆が誘爆を誘う。
滅びの方舟の周辺は、反物質エネルギーと白色に燃えるガス体が乱舞する。

「コツ。コツ。」と靴音を響かせ、一心不乱に奏でるサーベラーに近づく黒い影。

「サーベラー。」その黒い影が口を開く。
ゆらゆらと燃える炎が、黒い影を照らす。
声の主大帝ズォーダーの姿が浮かび上がる。
再び口を開くズォーダー。

「サーベラー。」
「もう、よい。闘いは終わった。」
大帝の言葉が耳に入っていないのか、サーベラーは振り向きもしない。

「聞こえないのか?サーベラー!」先程より声を張る大帝。

「滅びの方舟は停止した。」
「我々、ガトランティスの願いは叶ったのだ。」

「もう、奏でるのを止めるんだ。サーベラー。」



一心不乱に奏でていたサーベラーの動きがピタリと止んだ。

「大帝。まだ、知的生命体の根絶は終わっていません。」



「大帝。あなたはお忘れか?」
「ゼムリアの民が、私とあなたから何を奪い去ったか。」
「ゼムリアの巫女がまだ生きています。」
「その巫女を殺るまでは!」サーベラーは振り向きざま、玉座を指差し、胸の短剣を差早く抜くと大帝に重なり、大帝の腹部を刺した。



一瞬、痛みに顔をしかめる大帝であったが、そのままサーベラーを抱き寄せた。
「ヌブッ。」と更に深く短剣は腹部に収まる。
我に返るサーベラーの瞳に映る大帝。
忘れていた大帝の笑みを浮かべた顔。
その優しい顔がサーベラーの瞳いっぱいに映る。

「……終わったのだ。サーベラー。」

ズォーダーはサーベラーを抱いたまま、片膝を床に着け、そう告げた。




◆◆◆◆


崩壊する滅びの方舟。
その瓦礫を押し退け、一隻の白銀に輝く艦(ふね)が姿がを現した。

【シファル・サーベラー座乗艦格闘型戦闘空母(母艦)シファルス】



「進路をゼムリアへ。」

ヤマトとヤマトのクルーたちが見送る中、桂木透子は白銀の巫女として甦り、地球圏を離脱した・・・
新たな白銀の巫女シファル・サーベラーとして生まれ変わった桂木透子の新天地"ゼムリア"を探す旅は、始まったばかりである・・・




~fin~


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。