鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝:第六話

2018-10-16 21:56:52 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第六話


私にも驚きであった。
何故、ガミラス人がカラクルムのパイロットを……。

ヤマト艦内でも、有る事、無い事と噂が飛び交っていた。
幸い自爆はしない。
しなかったと云った方が正解だけど。
念には念を入れてと、身体検査が艦医:佐渡によって行われた。
勿論、私も助手として、手伝った。
やはり、自爆用の細胞は仕込まれていない。
記憶だけを洗脳程度に弄っただけであった。
元々がガミラスで造られたクローン人間。
アベルト・デスラーの衛兵(士)だったようだ。
女性にしては、能力は下手なガトランティス兵や将校よりも上だと解った。

「なるほど。」私は心の中で呟いた。

今や、ガトランティスは規模こそ巨大な軍。
A.Iを搭載しただけで、パイロットは無人化された兵器がほとんど。
アンドロイド(兵)を造るより、ずっと効率が良いからね。
マイクロチップほどの大きさのA.Iを兵器に組み込むだけで良いのだから。
まぁ。それでも少しでも、優秀なパイロットを乗せて闘わせた方がマシだ。

ただ一つ、ガトランティスのクローンと違うのは、子を宿す事が出来るという点だ。
ガトランティスでは、先代からすべてを受け継いだ"私"だけが、唯一無二の子を宿す事が出来る存在。



「……大帝……。」

彼女には24時間の監視が付いた。


◆◆◆◆





ヤマトを襲う大型ミサイル群。
艦橋は突然のミサイル群襲来に、蜂の巣をつついたような慌ただしさが、襲う。
回避に継ぐ回避と、艦橋のクルーに負けないくらいヤマト機関部クルー、整備クルーたちが所狭しと動き始める。
整備クルーたちは何時、ダメージコントロールが入っても、応急処置が出来るように各区画へと配置に着く。

そんな中、あの捕らえた元"ガミラスの女衛兵"も、意識を取り戻す。

「……。」
「……ここは……ここはカラクルムか?」
「……いや、……!?」

捕らえた元ガミラス女衛兵を隔離する為、独房の一室が使われていた。
その壁には『Yamato』の文字が刻まれている。
これは隔離した独房室だけではない。
すべての独房室に刻まれているのだ。

「この文字……。」

この女衛兵は『Yamato』の文字を読む事は出来なかったが、見覚えがあった。

そう。あれは・・・




「総統!今のうちに艦にお戻りください!」
「ここは我ら衛士が盾になります!」

アベルトと共にヤマトに乗り込み、白兵を仕掛け、制圧下まであと一歩のところまで迫る勢いの時、艦内通路などに書かれていた『Yamato』の文字。
こ『Yamato』の文字が、"アケーリアスの象形文字に似ていた事から、彼女は記憶していた。

「……ハッ!」とした顔を覗かせ、寝かされていたベッドから起き上がった。

「この奇妙な文字!見覚えがあるぞ!」
「テロン艦!ヤマト!」

「……総統……いや、………。」

「ああああああーーーッ!!」

「ワレハ……ガトランティス…。」

意識を取り戻した元ガミラス女衛兵は、迫りくるミサイル群を交わす為、緊急ワープするヤマトが発生させた干渉波によって、再び気を失いその場に倒れた。





◆◆◆◆




「「死中に活を見出だす。」
「相変わらずだな。ヤマト。」

「こちらもヤマトを追ってジャンプだ。」

ヤマトに敗れ、この世を去ったと思われたアベルト・デスラーは生きていた。
大破した艦(ふね)と共に宇宙と死線を彷徨い、"滅びの方舟"に拾われ、一命をとりとめた。
それが、今のアベルト・デスラーだ。
そのアベルト・デスラーが今、ヤマトに牙を向く・・・


第七話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。