鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー◇第一章:第三話◇

2020-04-18 21:44:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
第一章
◇第三話ガミラス星 崩壊◇



「護衛に付いているネレディアの艦隊を後方へ回せ!」
「6時から迫る敵を駆逐させろ!」

デスラーの基幹艦隊は密集隊形で時計回りにワープアウトして来る暗黒星団帝国艦隊に対し、アルファベットの「H」を表した隊形で応戦している。
「H」の真ん中にデスラー座乗艦とその座乗艦を護衛するネレディア・リッケ(准将)率いる旧警務艦隊。
そして、その両サイドに一般艦艇が列なる。

ネレディア・リッケは大佐であったが、ガトランティス戦役後、再編成された警務艦隊を指揮するにあたり、艦隊司令に相応しく将官に昇進させた。
そのネレディアは新たな旗艦として、強化改良されたハイゼラード級ミランガルⅡ世に座乗している。
このミランガルⅡ世にはテロン(地球)の技術が応用され、ブースター艦として艦後方両側に新開発された無人デスラー砲艦が接続されている。



デスラーは、この新開発されたデスラー砲艦を持ってして、6時方向からの敵を一掃しようとしていた。
デスラー座乗艦を総旗艦する基幹艦隊は、3時方向及び9時方向から迫る敵を叩きながら12時方向、正面突破の策である。



「ドッレ・プス・ゲシュ ヴァールバム発射準備!!」
「デスラー砲艦を切り離せ!」

「ザー・ベルク!」

この他、ネレディア率いる護衛艦隊にはガイペロン級バルグレイを強化した強襲型バルグレイとクルピテラ級駆逐艦6隻それとメルトリア級二隻が存在する。

強襲型に改良されたバルグレイには物質転送システムが標準装備されているほか、6隻のクルピテラ級がバルグレイの回りを縦方向に旋回、砲雷戦を行う。
そして元々"ミゴウェザー・コーティング"され、ある程度のビーム攻撃を弾く事が出来たが、"波動防壁"の応用技術を導入、ゲシュタム・フィールドを展開可能とした。
これにより、クルピテラ級駆逐艦は剣であり盾として使用可能と成った。



「ネレディア艦長!基幹艦隊本隊が敵前衛を突破、母星(ガミラス)へ突入を開始!」

「うむ。残りを殲滅する!ドッレ・プス・ゲシュ ヴァールバム発射!!」
二つ分の一条の超高出力波動エネルギーは、真一文字に漆黒の宇宙空間を切り裂くように突き進む。
突き進む射線上に浮遊するデブリなどは纏うプラズマ波が凪ぎ払う。
6時方向から迫る暗黒星団帝国の100隻余りの艦艇の眼前で、その一条の超高出力波動エネルギーは無数に拡散された。
地球の技術を取り入れたガミラス式の拡散波動砲である。

「6時方向から迫る敵を排除!」
「残るは基幹艦隊が撃ち漏らした残存艦艇のみてす!」

「残りも殲滅する!艦首回頭!」


デスラーは母星ガミラスの大気圏を抜けると、言葉を失った。
帝都バレラスは見るに耐えるにはあまりにも、無惨な廃都化していた。

「……これが、これが母成る星の姿か…。」
そんな言葉かデスラーの頭に過るのとほぼ同時に、メインモニタに強制介入された空間映像が映し出された。
後ろ手に拘束されたガル・ディッツ提督をはじめとするガミラス政府・軍の高官たち。
それを見守る臣民たち。
誰の目にも高官たちの公開処刑と思われた。



だが、それは違っていた。
数機の攻撃機が舞い降りて来る。
ガミラス臣民に対し、機銃掃射が行われた。
悲鳴が飛び交い、血反吐の絨毯が敷き詰められてゆく。
目を見開く拘束された高官たちの怒号が混ざり合う。

「……なんという酷い事を…。」ガルの目から落ちる涙。

「…タラン!ハイパーデスラー砲、用意だ。」

「…今、なんと…。」驚きを隠せないタランが云った。

「ハイパーデスラー砲の発射準備だ!」



デスラーは哀しみと怒りと苦痛が混ざり合う中、引き金を引いた_。

デスラーの撃ち放ったハイパーデスラー砲は廃都バレラスの大地をえぐり、核(コア)を融解、ガミラス星は崩壊をはじめた。

ガミラス星が崩壊した事で双子星としてのバランスを失ったイスカンダルは、ゆっくりと軌道を反れてゆく。
軌道が反れた事により、地軸の傾きもまた、少しづつズレて行った。
その為、超巨大地震による地形の変形、極運動が励起され、地震の後でイスカンダルの自転周期がわずかに変化し、自転周期が速く成った。
一気に末期の惑星と変わってしまったイスカンダルが、自らの重力に耐え切れずに崩壊する物理現象が現れ、加速しはじめた

同時に重力によって中心部に向かって凝縮している一方で、プラズマの熱運動や電気的な反発力によって一定の大きさを保っている。核融合が進むと原子了量の小さい原子核が無くなることによって核融合が停止し、反発力が衰える。それによって凝縮され、再び核融合が始まれば凝縮が止まる。しかし、中心部が鉄で占められるようになると(鉄の原子核は最も安定なため、これ以上の核融合は起こらない。)

そして今度は、鉄がガンマ線を吸収しヘリウムと中性子に分解される光崩壊が起こりはじる。星の中心部は空洞と同じ状態になり、今度は周りの物質が急激に中心へ落ち込み圧縮される。この圧縮により中心部にコアができ、そのコアで反射した衝撃波が外部へ広がり、星が崩壊する。

重力崩壊であり、II型の超新星爆発である。中心部の圧縮されたコアは、ブラックホールまたは中性子星となる。




「このままイスカンダルの崩壊を加速させる訳にはゆかん!」

「崩壊を遅らせる為、一時的にでも活発化した火山噴火を終息させる為にも、急加速から急制動させる!」

「機動艦隊の物質転送波を最大値で送射、イスカンダルをジャンプさせる!」

「しかし、総統、それではイスカンダルが、どんな恐ろしい空間にジャンプアウトしてしまうか解りません!」タランは身振り、手振りを混ぜ具申した。

「だから我々がイスカンダル追走するのだよ。」

「ザー・ベルク!」タランは「ハッ!」とする顔を覗かせ、直ちにイスカンダルをワープさせる為、10隻の機動艦隊から物質転送波を送射させた。

イスカンダルはデスラー基幹艦隊機動艦隊が保有する20基の物質転送転送波を送射、イスカンダルの加速を増加、ワープさせた。


【鹿嶋 さとみ】

防衛軍総司令部から軍務官(三等宙将)
※今回の訓練・テスト航海では監査役。
火星出身で26歳という若さで将官は異例の出世。これは、民間軍需関係会社の御曹司で"縁故"(コネ)では?との噂がある。

火星出身。26歳。女性。独身。
身長168センチ。
スリーサイズはB88・W56・H88。
火星生まれの特徴なのか、瞳は紅くないが髪が紅い。ロング。

火星で産まれ、火星で幼年期を過ごし、その後、地球で暮らしているがノーマルな地球人に対して、あまり良い印象を持っていない。

2202年に新開発されたオールラウンド対応スーツを愛用している。(山本 玲が着用しているスーツ)
※これは、父親が経営する軍需会社で開発され、協力会社である※アンダーアーマー社で製造されている。
このスーツの上に将官用コートを袖を通さず肩から羽織り、軍用乗馬ブーツを特注させたサイハイブーツが基本的なスタイル。





第二章へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー◇第一章:第二話◇

2020-04-14 22:41:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
第一章
◇第二話:第三代 宇宙戦艦ヤマト◇




洋上に浮かぶ第三代宇宙戦艦ヤマト。
ガトランティス戦役後、宇宙戦艦ヤマトのクルーたちは古代進をはじめ、防衛艦隊再編に伴い、一度、解散された。

宇宙戦艦ヤマトは再編により、単艦による特務艦隊とされた。
それに伴い、古代進を今回、行われ新たに改良、改装された機器、装備、兵装等のテストを兼ねた訓練航海で一定レベルの基準を満たせば古代を昇進させ、正式な艦長就任を拝命、古代にとっても試験の航海と成る。

今回のテスト・訓練航海では防衛軍総司令部から軍務官(三等宙将)が監査役として乗艦する事と成った。
これにより、宇宙戦艦ヤマトは再び将官旗を大気圏内では掲げ、また長官艇 (内火艇)を搭載する事と成った。

そして、古代進二等宙佐には一等宙佐相当の権限が与えられ、船務長を二等宙佐である真田志朗が就任、技術・情報長には新見薫 三等宙佐が就任。
サポートに桐生美影 二等宙慰が就く。
通信・レーダー長として森雪 三等宙佐が就任。補佐として通信には相原義一 一等宙慰が担う。
また機関長には山崎奨 三等宙佐、砲雷長には南部康雄 三等宙佐サポートには北野哲 二等宙慰が就く、航海長に島大介三等宙佐が各々、就任した。サポートとして太田健二朗が担う。
これに伴い、戦術長及び(科)は廃止された。
また、ガミラス戦役、ガトランティス戦役と艦医を務めた民間医である佐渡酒造に関しては、 留任を打診、二等宙佐相当の権限を与え、留任して貰う事と成った。
更に戦闘時には南部砲雷長、森通信・レーダー長、新見技術・情報長がCIC(第二艦橋)に移動、各任務にあたる。
森 通信・レーダー長のサポートとして太田がソナーを担当、また森については航空隊管制を兼任する。
また、北野、桐生、太田、相原、西条については基本的に第一艦橋にてサポートする。
波動砲については最終兵器の位置付けの為、基本的に艦長がトリガーを引く。
こうして新たに生まれ変わった宇宙戦艦ヤマトは、出航の時を待った。

航空隊を除き、新たなクルーも着任が済み、宇宙戦艦ヤマトはテスト・訓練航海へと旅立つ。



「ヤマト後方上空に飛行物体接近!」
「距離10.000(m)総数36!」森雪による報告が飛び込む。

「飛行物体より、通信を受信!」ほぼ同時に森雪をサポートする相原が告げて来る。

「うむ。」
「回線を開け。」

「回線を開きます。」

「此方、連邦防衛軍第一防空隊第六分隊分隊長篠原。」
「貴艦の直俺機を命じられた。着艦を許可されたし。」

「うむ。相原、着艦許可を出せ。」

「此方、ヤマト。管制二従い着艦せよ。」

「了解(ラジャー)。篠原以下18機、これより着艦体制に入る。」

「続いて、同防空隊第七分隊山本より、入電。」
「同じく着艦要請。」

「うむ。許可を出せ。」

「ヤマトから山本へ。篠原隊同様、管制に従い着艦せよ。」

「了解(ラジャー)。山本以下18機、これより着艦体制に入る。」

こうして新たに再編成された航空隊36機とパイロットたちが加わった。
監査役が座乗している事で、何時もよりも緊張したのか古代は、艦長帽を取り、額の汗を拭り、艦長帽をかぶり直した。

「大気圏を離脱する。大安定翼、収納。」

「うむ。長官旗、収納せよ。」
「機関長。第二戦速から第一戦速へ。」

「了解。第二戦速から第一戦速へ。」




「艦長の古代だ。しかし、よく中央が許可したな。
相原と交信する篠原に古代が割って入った。

「同じ訓練で練度を上げるなら、切磋琢磨したヤマトでねって思ったのでね。」
「ダメ元で具申してみました。」
「藤堂長官の計らいじゃないスッか!?」

「そうか。また、よろしく頼む。」

「ラジャー。」

◆◆◆◆

時を同じくして、大マゼラン銀河サレザー恒星系第四惑星ガミラスでは突然の奇襲により、帝都バレラスも八割以上が占領された。




「報告致します!!帝都の約八割が占領、臣民及び帝都の被害甚大!!」
「帝都防衛は事実上の壊滅です!!」
バレラス中央司令部内に終わりなきオペレーターによる被害報告。
病に倒れたヒス首相の代行を務める航宙艦隊総司令ガル・ディッツは、暫く無言のままであった。

「……。」
「通信士。基幹艦隊との連絡は取れんのか?」

「…24時間前の超空間通信が最後です……。」

「うむ。解った。」




「総統。まもなくイスカンダル・ガミラス星宙域に入ります。」広域レーダーを見張るオペレーターが告げた。

「うむ。戻って来たか。我が故郷(ガミラス)に。」

「ん!?妙だな?」

「どうかしたかね?」

「ハッ。ランデブーポイントなのですが、艦(ふね)が一隻も見当たりません。」

「サプライズでも用意しているのだろう。何処かに隠れているかも知れんな。」
「レーダーを見落とすなよ。」レーダーオペレーターの報告に今や、デスラーの右腕的存在と成ったタラン参謀長がジョーク混じりに答えた。

だが、それは別の意味でランデブーと成ってしまう。

「近榜空間にジャンプアウト反応!」

「やはり、隠れて居ったか。」

「12時、3時、6時、9時の方向からジャンプアウトして来ます!」
「我々は囲まれています!!」




「ほう。思いがけないサプライズだな。」
「タラン。全艦、戦闘配置だ。」
「砲雷撃戦準備。戦闘甲板開け!」
「全艦、密集隊形で続けッ!!」




第一章
第三話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー◇第一章:第一話◇

2020-04-12 15:30:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち

_大マゼラン銀河
サレザー恒星系第4惑星イスカンダル_

王都イスク・サン・アリア。
王都の中心に天空に向かって聳えるクリスタルパレス。
眼下に広がるマザーの海。
そのマザーの海では女王スターシャの娘サーシャと、ひさびさに休暇を与えられた衛士メルダが海水浴を楽しんでいた。





黄色い声が混ざり合う。
イスカンダル人の特有で生後一年で青年期(12歳)まで成長する。
西暦2205年に成る今年、16歳を迎えたサーシャ。
メルダとは8つの年の差だ。
8つも年を取ったとは思えないほど、体力は衰えていない。
むしろヤマトと出会った頃よりも向上しているように見えた。
また、女性としても磨きが掛かり、結婚を申し出る者もあとが絶えない。
以前は休暇の度にガミラスに里帰りをしていたが、厳格な父の薦めるお見合いや求婚者などの相手をする事に、疲れを感じていた。
つい先月の休暇に帰省した時も父親と一悶着したばかりである。
父親であり、また現ガミラス政権を支える重鎮でもあるガル・ディッツ提督にしてみれば、そろそろ"身を固め"孫をとの思いが強い。
そんな父親に反発する訳ではなが、ストレスである事には違いない。
とは言うもののメルダの中にも、それなりに気に成る異性はいる。
ただ、それを口に出せない歯痒さも、"反発"に拍車を掛けているのも事実である。
口に出せないのは今は、別の任務でメルダはイスカンダルの衛士であるが、元々は戦闘機パイロット。第707航空団所属の女性パイロットである。
今現在も籍は残っている。
その第707航空団のパイロットでメルダと編隊(チーム)を組んでいた「ジャンクス」に想いを寄せていた。
ヤマトのクルーで言えば"古代進"に似ている容姿の持ち主。
一時は恋人として付き合っていたが、父親であるガルは認めず、娘であるメルダを左遷させた。
その左遷でヤマトとヤマトのクルーに出会ったのだが……。
一悶着した休暇の夜、偶然にもそのパイロット「ジャンクス」と再会、愚痴るメルダを優しいく受け入れ、そのまま一夜を過ごし、メルダの中に昔のように芽生えるものが、心を覆って行ったのだ。

「メルダ。メルダってば!」幼さが残るサーシャが呼んだ。

「…えっ。サーシャ様。」

「サーシャ様じゃないわよ。メルダ。」
「さっきからポカ~ンとして、心、此処に在らずよ。」
「わたくしと休暇を過ごすの疲れた?」

「…ごめんなさい。サーシャ様。」
「疲れた事など一度もありません。」

「良いよ。無理しなくても、顔に書いてあるわ。」
「サーシャ様とより、想い人と過ごしたい。ってね。」

メルダは顔を紅く染め、あたふたと身振り素振りで訳のわからない言い訳をはじめた。

「ん、もう~。図星ね。」

「サーシャ様には敵いません。」

「アハハハハハ。」
メルダとサーシャはお互い見つめると笑い出した。

「で、何処まで進んだの?」
「キス?」

「えっ!」
「あわあわ。@$¢までかな。」更にメルダは顔を紅く染めた。

「ええっ!!!」

「し~い。サーシ様、お声が大きいです。」

「大人の恋ねぇ~。」
「わたくしもお父様のような格好いい男性と恋に落ちたいわ。」

誰に似たのだろうか。サーシャ様。と心に思うメルダ。

そんな中、マザーの海に影を落とすものがあった_。

「ん!?」
「変ね。今日は快晴のはずなんだけど……。」とサーシャは空を見上げた。

「……メルダ。」弱い声でメルダを呼び、指を空に向け、突き出した。
その仕草に釣られるようにメルダもまた、空を見上げた。

「…くっ。」
「サーシャ様。上がりましょう。」
メルダの顔つきが険しく成って行った。
「急いで!」
メルダはサーシャの腕を掴み、岸まで泳いだ。

みるみる影は拡がり、二人はすっぽりとその影に覆われた。

「…降りて来る……。」



黒鉄の鎧を纏う不気味な物体は向きを変え、マザーの海にゆっくりと降下した。
メルダとサーシャはそのまま、クリスタルパレスへと逃げ込んだ。
ゆっくりと降下する謎の物体とは別に幾つもの宇宙船らしき物体も、降下して来る。
降下する宇宙船らしき物体からは数え切れないほどの武装した兵が、宇宙船同様に降下して来る。


イメージ曲【宇宙戦艦ヤマトーヤマトよ永遠にー】より引用。





瞬く間に王都イスク・サン・アリアは黒づくめの武装兵らに制圧された_。

長い階段を駆け上がる靴音が響き渡る。
クリスタルパレスのロビーは黒づくめの武装兵で埋め尽くされた。
その黒づくめの武装兵が、モーゼの十戒の海の如く、左右に別れてゆく。
「コツコツ」と踵を奏で一人の指揮官らしき人物が黒いマントを靡(なび)かせ、颯爽と歩いて来る。

「お前とお前は私に続け、あとの者は此処に残れ。」
そう言うと空間エレベーターに乗り込み自動で止まる場所まで、運ばれるのを待った。
円柱型で透明なガラスのような空間エレベーターは「スー」と、ものの数秒で100メートル以上を登った。
スターシャの待つ大広間で空間エレベーターは止まり、円柱型のガラスのようなものは消えた。


指揮官らしき人物は目の前の女性が女王スターシャである事は確信出来た。

「お前たちは此処で待て。」
黒いマントに身を包む指揮官らしき人物は一歩、前へ出た。

「貴女の娘は何処です?」指揮官らしき人物は、そう切り出した。

「先ずはそのヘルメットをお取になり、身分を証したらどうですか?」
スターシャは毅然とした態度で黒いマントで身を包む指揮官らしき人物に告げた。

「これは失礼した。」指揮官らしき人物はヘルメットを脱いだ。
金髪の長い髪が「パラパラ」と落ちる。
ブーツの高さを入れても女性としては高身長である。
ブーツの高さを引いて170センチはあるだろう。
スラッと伸び背丈、黒衣の上からもはっきりと出るところは出て、締まるところはしまった、何処から見ても女性だった。

「私は暗黒星団帝国マゼラン銀河方面軍副司令ギアナ・メルダーズ。」
「スターシャ陛下にて、おられますね。」

「いかにも、わたくしがイスカンダルの女王スターシャ。」
「ご用件を伺いましょう。」

「改めて申し上げる。娘を差し出して欲しい。」

「娘を?」

「そう。娘を差し出して貰おう。」

「何故、娘を必要とするのですか?」

「スターシャ陛下。私はあまり気が長い方ではないので、素直に従って頂きたい。」そう言うと手にする小型の端末機を「カタカタ」と打ちはじめた。
スターシャとギアナのほぼ中間に浮かび上がる空間モニタ。
その空間モニタに映し出される囚われる妹のユリーシャ。

「ユリーシャ!」思わず一歩、前へ出るスターシャ。

「これでお分かりか?」

「……。」
躊躇うスターシャの後ろから、サーシャが現れた。

「お母様。」
それは光学迷彩を応用して作った「スキン迷彩ジェル」で肌の色を変えたメルダであった。
スターシャは直ぐに気がついたようだ。

※スキン迷彩ジェルを肌に直接、塗り腕に装着したブレスレットを調整する事で肌の色を変える事が出来る。
ただし、髪の毛の長さや色までは変えられない。
その為、メルダはウィッグを使用している。
以前、クラウス・キーマンが古代と密会した代物を改良したブレスレット。

「わたくしが、あなた方に従えば、ユリーシャの伯母様は助けて貰えるのですね?」

「ああ。何もせん。母親の陛下も助かる。」




「聞き分けの良いお子さんで良かったですな。陛下。」
ギアナは変装したメルダのう腕を掴み、引き寄せた。

「キャ!」

「サーシャ。」

「お前たちは陛下を軟禁。見張りに残れ。」


宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
◇第一章:第一話◇侵略 イスカンダルの危機


第一章
第二話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。